電動ハードトップが衝撃だった「SLK」
1990年代後半から2000年代初頭にかけて、欧州ブランドは相次いで“プレミアム・コンパクトオープンカー”を市場に送り出しました。そのなかでも個性が際立っていたのが、メルセデス・ベンツ「SLK」、BMW「Z3」、そしてポルシェ「ボクスター」。華やかなスタイルと本格的な走りを備えた、3台のオープンカーを振り返ります。
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1996年に日本で発売されたR170型の初代SLKは、それまでのオープンカーの常識を覆す存在でした。最大の特徴は、当時としては革新的だった電動格納式ハードトップ「バリオルーフ」。開閉にかかる時間は約25秒。ボタンひとつでクーペとオープンを切り替えられるこの機構は、雨の多い日本でも使いやすく、瞬く間に大ヒットとなりました。
車名のSLKは、ドイツ語でスポーツ(Sport)、軽量(Leicht)、コンパクト(Kompakt)の頭文字を取ったもの。その名の通り、全長約4メートルのボディにメルセデスらしいしっかりとした質感と安全性を詰_め込んでおり、“小さなSクラス”と評されることもありました。
搭載されるエンジンは、1.8リッター直列4気筒スーパーチャージャー付き(SLK 200 Kompressor)を筆頭に、後期には3.2リッターV型6気筒のAMGモデル(SLK 32 AMG)もラインナップ。前輪荷重の強さやハードトップによる重量増などにより、軽快なスポーツカーというよりは“しっとり系”のGTカーに近い乗り味でしたが、それがまた輸入車らしいキャラクターとして人気を集めました。
インテリアの質感や装備も当時としては高水準で、エントリーグレードながら“ちゃんとメルセデス”を体感できる一台。現在では、初代SLKはクラシックコンパクトとしての評価も高まり、手頃な価格と信頼性を両立した“オトナの遊びグルマ”として再び注目を集めています。中古相場は約20万円から約160万円前後となっており、状態次第ではお買い得な掘り出し物も。なお、ハイパフォーマンス仕様の「SLK 32 AMG」は極端に流通台数が少なく、現在は国内の中古車市場での出物が確認されていません。
個性と走りが光る、Z3とボクスター
メルセデス・ベンツSLKと並び、1990年代後半のオープンカーブームをけん引したのがBMW「Z3」でした。1996年に日本導入されたZ3は、映画『007 ゴールデンアイ』でジェームズ・ボンドが運転したことで一躍話題に。
クラシカルなロングノーズ・ショートデッキのフォルムに、BMW伝統のFRレイアウトを組み合わせた本格派のロードスターです。
Z3は北米市場を意識して開発されたこともあり、ボディサイズはややワイドで安定感のあるフォルムが特徴。ラインナップは1.9リッター直列4気筒をはじめ、2.8リッターや3.0リッターの直列6気筒モデル、さらには過激なチューニングが施された「Z3 M」まで多彩に展開されました。軽快なハンドリングと“うねるような後輪駆動感”は、今もなお“ピュアなBMWらしさ”を体現している存在といえるでしょう。
インテリアの質感は年式なりですが、当時らしい丸型エアコン吹き出し口やクローム調のセンターコンソールなど、シンプルながらもスポーティな味わいがあります。現存数も多く、中古車市場でも比較的手が届きやすいため、入門クラシックBMWとしても注目されているモデルです。中古相場は約20万円から約330万円。高性能版の「Z3 M ロードスター」は、約550万円前後とプレミア価格で取引されています。
そしてもう一台、同じ1996年に登場したのが986型ボクスター。911とは異なる“ミッドシップ・ポルシェ”として誕生したこのモデルは、ブランドの新たな柱となるべく、ゼロから設計された意欲作です。ミッドに搭載されるエンジンは水平対向6気筒。登場時は2.5リッター水平対向6気筒NAを採用し、その後2.7リッター水平対向6気筒、さらに3.2リッター水平対向6気筒の「ボクスターS」も追加。前後重量配分は50:50を目指して作られており、軽快なコーナリング性能と高い直進安定性を両立しています。
独特な涙目ヘッドライトは、同世代の996型「911」と共通パーツを用いたもので、コストダウンの象徴として批判もされましたが、現在では初代ボクスターらしさを象徴する意匠として再評価されつつあります。インテリアはシンプルで機能的。ボディサイズや視界も良好で、911より扱いやすいという声も多く、街乗りからワインディング、さらにはサーキット走行まで対応する懐の深さを備えています。
当初は911の弟分というイメージが強かったものの、近年では「運転の楽しさ」という点で独自の価値が見直され、クラシック・ポルシェとしての存在感も高まっています。中古車市場では価格差が大きく、相場は約60万円から約390万円と非常に幅広く、状態やグレードによって大きな価格差が生まれています。ミッドシップ、オープン、水平対向6気筒――この3点がそろったスポーツカーは、今後さらに希少な存在になっていくでしょう。
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