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経験者アルボン、レーシングブルズとレッドブルのマシンの違いを証言。しかし角田裕毅らに奮起期待「これはF1……寛容な契約はない」

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経験者アルボン、レーシングブルズとレッドブルのマシンの違いを証言。しかし角田裕毅らに奮起期待「これはF1……寛容な契約はない」

 レッドブルのセカンドドライバーが苦戦する状況が続いている。これについて尋ねられたウイリアムズのアレクサンダー・アルボンが、レッドブルとその姉妹チームのマシンの違いについて語った。

 レッドブルは不振に喘いでいたセルジオ・ペレスを、昨シーズン限りで更迭。後任として育成ドライバーのリアム・ローソンは2025年開幕戦から起用した。しかしそのローソンはペレス以上の低迷に苦しみ、3回戦った予選(スプリント予選含む)では、18番手、最下位、最下位となってしまい、僅か2戦で角田裕毅にシートを明け渡すことになった。

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 その角田は、安定して予選Q3に進出していた時期もあったが、エミリア・ロマーニャGPの予選Q1でクラッシュしてアップデートパーツを壊してしまった後は低迷。前戦スペインGPの予選では最下位、ここまでレッドブルのドライバーとして7戦を走り、獲得ポイントは僅か7点と、チームメイトのマックス・フェルスタッペンに大きな差をつけられている形だ。

 かつて同じようにフェルスタッペンのチームメイトを務め、苦労したドライバーがいる。そのひとりが現ウイリアムズのアルボンである。アルボンは2019年に現在のレーシングブルズの前身であるトロロッソからF1デビューすると、その年の後半からはレッドブルに昇格し、フェルスタッペンのチームメイトを務めた。その年は9戦中8戦で入賞、翌年も同チームに留まり、17戦中2戦で表彰台を獲得したが、フェルスタッペンのチームメイトとしては不十分と判断されて更迭。2022年からはウイリアムズに移籍し、今季はここまでの9戦中7回の入賞を記録するなど、中団グループの中では眼を見張る活躍を見せている。



 レッドブルのセカンドドライバーに苦戦が続いている理由は何なのか? そう尋ねられたアルボンは、次のように語った。

「あのマシンは、ナイフの刃の上を走る感じになっているんだと思う。マックスはそれをドライブできるんだと思うけどね。もちろん、経験からそう言えるんだ」

 そうアルボンはカナダGPの際に語った。

「僕も当時は苦労した。今の経験があれば、きっと乗り越えられるだろうと思う。でもほとんどのドライバーにとってそれは、自然に感じられるようなモノじゃない」

「難しいのは、もしかしたら僕の解釈という面もあるかもしれない。でも、レーシングブルズのマシンは非常に扱いやすいなんだろう。2019年も同じことを言った。とてもバランスが良くて、とても安定していた。大きな自信を与えてくれたんだ」

 レーシングブルズは前身のトロロッソ時代から、レッドブルの育成ドライバーをF1にデビューさせ、F1の世界に慣れさせるという役割を担ってきた。そのことが、扱いやすいマシンを生み出してきたのだろうと、アルボンは語る。

「常にルーキードライバーが乗っているから、自然にそういうマシンになったんだと思う。つまりチームの基盤は、若いドライバーによって築かれているということだ」

 そうアルボンは言う。

「そしてレッドブルは、極みとも言えるチームだ。扱いやすいマシンから、単純な意味で最もトリッキーなマシンに乗り換えるんだ。全く異なる2台のマシンに適応しなければいけない」

 アルボンは「今なら乗りこなせる」と語ったが、それは経験によるものなのか? それともドライビングテクニックによるモノなのか? と尋ねられると、「両方だ」と答え、さらに次のように続けた。

「テクニックの面も重要な要素だと思うけど、それよりも特に細かい部分が重要なんだ。マシン、タイヤ、エンジニアリング面に対する理解がより重要なんだと思う」

「若いドライバーがそのシリーズにデビューする時、それがF1であったとしても、マシンのフィーリングや自分のフィーリングをまだ探っている段階だ。その状況では、どの点を妥協し、あるいは妥協しないことが、自分にとってマイナスとなるのか、あるいはプラスになるのかを探っているものだ」

「マックスはあのマシンをドライブでき、その特定のやり方を好んでいる。彼はそれに慣れていて、ラップタイムも稼ぐことができる」

「そしてセカンドドライバーにとって重要なのが、あらゆる雑音に対処すること……それもひとつだ。若いドライバーにとってそれは、簡単なことではない」

 しかしこれはF1。若いドライバーであっても、時間をかけすぎることはできないとアルボンは断言した。

「それがF1だ。時間をかけてじっくりと時間をかけて、育てていくこといはできない。僕の最初の契約もそうじゃなかった。常に厳しい状況に対処しなければいけなかった」

「そういう部分に寛容な契約ではなかった。12歳の時から、”伸るか反るか”という考え方だった。その結果、最高のドライバーだけが選ばれるんだと思う。それが運命だと思う」

文:motorsport.com 日本版 田中健一, Haydn Cobb

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みんなのコメント

30件
  • おかぼー
    元F1ドライバー等が角田の事を色々言ってるが、アルボンの発言はすごい説得力がある
  • dor********
    アルボン自身も過去にはレッドブルでF1参戦したし2020年に表彰台も登ったし苦労を知るトップドライバーで今年も表彰台に登れそうな勢いがありますね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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