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ERC最終戦:最終ステージで連覇狙う“ロシアン・ロケット”に不運。52年ぶりイギリス人戴冠

ERC最終戦:最終ステージで連覇狙う“ロシアン・ロケット”に不運。52年ぶりイギリス人戴冠

 2019年のERCヨーロッパ・ラリー選手権最終戦ラリー・ハンガリーが11月9~10日に開催され、連覇を狙った“ロシアン・ロケット”ことアレクセイ・ルキヤナク(シトロエンC3 R5)と、クラウドファンディングで参戦資金を調達し、初戴冠に賭けたイギリスのホープ、クリス・イングラム(シュコダ・ファビアR5)が真っ向勝負を繰り広げ、最終SSの劇的結末により、イングラムが52年ぶりの英国人ERCチャンピオンに輝いた。

 イギリス・マンチェスター出身で現在25歳のイングラムは、ADACオペル・ジュニアチームに見出され2017年にERC3ジュニアのタイトルを獲得。翌年からプライズとしてERC1ジュニアに昇格し、2018年はロシアの新星ニコライ・グリアシンにタイトルを奪われはしたものの、2019年はWRC世界ラリー選手権の下位クラスであるWRC2にも精力的にスポット参戦して頭角を現してきた。

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 今季のERCでもトクスポートWRTのシュコダをドライブしたイングラムは、チームからの支援に加えて、クラウドファンディングにより活動資金を調達。そうした財政難を乗り越えてERC1ジュニアタイトル獲得を賭けた第6戦バウム・チェコ・ラリー・ズリンでは、ライバルのフィリップ・マレシュ(シュコダ・ファビアR5)にわずか0.3秒届かず。クラス王者獲得を逃す惜敗を喫していた。

 しかし、イングラムはこのリザルトにより、ランキング3位のウカシュ・ハバイ(シュコダ・ファビアR5)に19点差、同2位のディフェンディングチャンピオン、ルキヤナクに対し9点差をつけ、総合獲得ポイントでERCドライバーズスタンディング首位に浮上することとなった。

 シリーズの総合成績争いは全8戦中ベスト6戦が有効となるため、シーズンの目標設定を年間総合チャンピオンに切り替えたイングラムは、ふたたびウェブ上で支援を要請。なんとかこのラリー・ハンガリーの舞台、同国北東部のニーレジハーザ近郊に広がる挑戦的なターマックステージのスタートランプに上がることができた。

 そんな条件下で迎えた土曜レグ1。まず機先を制したのはセインテロック・ジュニアチーム所属の王者ルキヤナクで、かねてからのスピードに加え、シーズン後半戦は「スタビリティ」を優先したドライビングの組み立てをみせる。そのかいあって、王者は初日の全7SS中5ステージでベストを奪い、107.14kmを走破して2番手イングラムに44.4秒ものマージンを築く圧倒的な速さを披露した。

「SS5では左リアのパンクに見舞われたが、ロスを最小限に抑えて冷静に対処できたと思う」と、初日のサービスに帰還して振り返ったルキヤナク。

 しかしタイトル争いのライバルが2番手につけたことで、このままの順位では王座防衛に赤信号が灯ることを訊ねられると「さらにプッシュすべきかどうかわからないが、グリップと天候条件は大きなギャンブル要因になる。明日、いつから雨が降るかをすでに考え始めている。今のドライコンディションでさえ、路面はスリッパリーでグリップは偶然発見しているようなものだからね」と慎重な姿勢をみせた。
 明けた日曜レグ2。残るSSは7ステージ、101.98kmの勝負に。その最初のSS8で飛び出したのは、ハンガリー国内選手権王者のフェレンツ・ヴィンツェ(シュコダ・ファビアR5)。続くSSも、土曜を総合3番手で終え、最終的にこのラリーを制することになる地元勢のフリジェシュ・トゥラーン(シュコダ・ファビアR5)がベストを奪う展開に。

 一方で、タイトル争いを繰り広げるふたりはそれぞれ苦戦を強いられ、王者ルキヤナクはオープニングステージでいきなりリヤブレーキを失うと、対するイングラムもSS8でのパンクで「5~10秒は失った」のち、続くSS9でも右フロントが悲鳴を上げ、ステージ上での交換で2分近くを失う手痛いロスを喫してしまう。

 この頃から雨脚が強さを増し、オーガナイザーはSS10のループとなる最終SS14をキャンセルすると発表。これにより競技区間がさらに短くなり、タイトル争いの行方は風雲急を告げることに。序盤のタイヤ交換ロスで総合順位を大きく落とし、ルキヤナクに連覇を明け渡したかに見えたイングラムだったが、最後のステージとなったSS13でまさかの悲劇が王者を襲う。

 豪雨と雷鳴轟く27.48kmのステージを慎重にドライブしていたルキヤナクだったが、シトロエンC3 R5のタイヤが突如、機能を停止してストップ。イングラム同様にステージ上でのタイヤ交換を強いられ2分近くをロスし2番手に後退。これで地元トゥラーンが総合首位に浮上するも、注目が集まったのはイングラムのポジションと、レグごとに付与されるボーナスポイント。

 ルキヤナクはこのデイ2で6番目のスピードしか見せることができず、獲得ボーナスポイントは2点止まりに。ここまで、そのスピードにより“ロシアン・ロケット”の異名を取った男としては悔いの残るシーズン最終レグとなり、総合4位にまでカムバックしたイングラムが9点のマージンを残して見事、2019年ERCチャンピオンの称号を手にした。

「本当に、ここまで来るのに血がにじむほどの努力と苦労を重ね、とくに財政面では多くのみんなから支援を受けてきた」と劇的戴冠の喜びを語ったイングラム。

「僕たちを助けてくれたすべての人、僕たちを支えてくれたすべての人に感謝したい。サポートは信じられないほど素晴らしく、僕はひとりではとてもこれだけのことを成し遂げられなかっただろう」

「(コドライバーの)ロス(ウィットック)は世界でもっとも集中力が高く、最も信頼出来る男で、チームは最高の技術力を誇る組織、そしてマシンは完璧だった。すべてに感謝する。本当に最高の気分だ」

 最終戦ラリー・ハンガリーの優勝は地元トゥラーンが手にし、これで2019年ERCシーズンは全8戦で8人の勝者が誕生するという、記録的なリザルトを残して幕を閉じた。

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