この記事をまとめると
■優秀なドライバーでも乗っているマシンやチーム力によって速さが左右される場合がある
トップレーシングドライバーが語るジムカーナの魅力! レース派も腕を磨くのにもってこいの競技だった
■環境次第で速さが変わることがありながらも、ドライバーは結果だけで成績を判断される
■一流のレーサーであれば、何に乗っても速いことのほうが多く、数多く実証されてきた
一流は何に乗っても速いのか経験をもとに考えてみた
レーシングドライバーがレースで活躍するにはいくつかの条件が必要だ。まず自身のドライビングセンスと知識、能力を安定して発揮できる精神力と体力など。そして、参戦カテゴリーにおいて速いマシンと優れたサポート態勢などだ。
あるカテゴリーで大活躍したレーサーが、ほかのチームに移籍した途端に活躍できなくなったり、ほかのカテゴリーでは成績が悪かったりというのは条件のいくつかが欠落してしまった場合が多い。速いレーサーの能力がいきなり低下、あるいは消失してしまうことは、怪我や病、精神的プレッシャーの変化などを除けばほとんどあり得ないといっていい。
僕自身の経験で例えると、1989年の国内トップフォーミュラであった全日本F3000選手権(現スーパーフォーミュラの前身)において、デビュー3戦目となる西日本サーキット戦でポールポジションを獲得。5戦目には2位の表彰台に立った。
しかし、翌1990年の同選手権戦においては、デビューイヤーでポールポジションを獲得した西日本戦の予選でほぼ最下位。前年のタイムに1秒も遅れた。そして翌1991年にはチームを移籍。初開催となったオートポリス戦でポールポジションを獲得してレースも優勝。続く西日本の新サーキットでもポールポジションを獲得した。
わずか3シーズンでありながらアップダウンが激しく、そのたびにドライバーとしての評価も変化する。だが最終的には「速いマシンに乗れば速い」ということが実証されたのだ。
スランプに陥る時期というのは才能、能力が落ち込むわけではない。それよりマシンの性能、競争力が低下してドライバーが速く走れないことのほうが現実的なのだ。
F1においても同様な例は多くある。2005年、2006年にルノーのマシンでF1の世界チャンピオンとなったフェルナンンド・アロンソ選手。マクラーレンやルノーへのチーム移籍を繰り返したが、タイトル獲得にはほど遠く、才能は潰えたかのように評されたが、2010年にフェラーリへ移籍すると大活躍を見せる。ただ、ライバルのマシンとの競争力差に破れタイトル獲得には届かなかった。
そして2015年にホンダエンジン復活となったマクラーレンチームに移籍。そこではマシンのパフォーマンスが圧倒的に低く、最下位近辺での走行を強いられ、ドライバーとしての評価も厳しいものとなってしまう。
これで終わらず、近年はアストンマーチンに移籍して再び大活躍を見せ、次期ホンダエンジン搭載車の有力ドライバー候補となっているのである。
F1ドライバーがスーパーGTで大活躍した例も
F1というカテゴリーのなかだけでもドライバーの評価は激しく上下する。7度の世界チャンピオンとなったルイス・ハミルトンでさえ予選Q1を突破できない時期が長くあったし、現在の最強ドライバーであるマックス・フェルスタッペンにおいてもしかり。良いチーム、速いマシンに乗れてこそ初めてドライバーの能力が活かされることが常に証明されてきている。
一方で、F1からほかのカテゴリーに移っても活躍できるドライバーもいる。2009年のF1世界チャンピオンであるジェンソン・バトンは第2期ホンダF1活動を支えた中心的なレーシングドライバーだが、ホンダチームでは活躍できなかった。当然レーシングドライバーとしての実力を疑問視される次期もあっただろう。しかし、ホンダが撤退した翌年、圧倒的強さで世界チャンピオンに輝いたのは彼の能力が優れていたことを見事に証明していて、撤退を決断したホンダにとっては皮肉な出来事になってしまった。
その後のバトンはF1で活躍できず、レーシングドライバーとしてのキャリアを終えるのではと囁かれたが、2017年から日本のスーパーGT選手権に招聘され参戦。「フォーミュラカーのキャリアしかないバトンにとって、GTマシンは難しいのでは?」と思われたが、翌2018年にはシリーズタイトルを獲得してしまう。不慣れなマシンに不慣れな日本のサーキットといった難しい状況を見事に克服し、ドライバーとしての能力の高さを見事に見せてくれたのである。
ストフェル・バンドーンやピエール・ガスリー、直近ではリーアム・ローソンといった若手ドライバーは、F1への登竜門として日本のスーパーフォーミュラを選択し、参戦初年度にいきなり優勝し、シリーズタイトルを僅差で争う実力を見せつけた。日本人ドライバーには勝つのが難しいスーパーフォーミュラでいきなり速さを見せつけ、世界のレベルが高いことを知らしめてくれたといえるだろう。
このように、速いレーシングドライバーは何に乗っても速い。フォーミュラだろうがGTだろうが、ツーリングカーでもFFもFRもRRも乗りこなす。常にそのカテゴリーで速いマシン、速いチームに加われるかどうかが重要であり、ドライバーの能力が激しく上下することはない。
なんらかのチームからオファーがあったときに、勝てるチーム、勝てるマシンであるかどうかを見極める千里眼がレーシングドライバーのマネージャーに求められ、時にドライバーはレーサー生命を終わらせられてしまうのである。
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みんなのコメント
片山右京さんも今年還暦ですか
月日が過ぎるのは速い…いや早いものですね
25・26日楽しみです。
古くは高橋国光さんとかサーティースとかがいて
シューマッハは何度かバイクレースに出走したし
最近ではロッシが四輪でも結果を出しはじめたり