現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【動画付き】2021年で生産終了!ロータス「エヴォーラ」の魅力

ここから本文です

【動画付き】2021年で生産終了!ロータス「エヴォーラ」の魅力

掲載 更新 8
【動画付き】2021年で生産終了!ロータス「エヴォーラ」の魅力

連載/石川真禧照のラグジュアリーカーワールド

 英国のロータスは、1952年にコーリン・チャップマンという優れた技術者であり、優秀なビジネスマンであった人物が創業したブランドだ。当初は、大衆車をベースにしたレーシングカーを造っていたが、同時に組み立てキットでも造れる「セブン(7)」を発売し、会社を軌道に乗せた。以来、フォーミュラ1のマシンを次々開発し、世界チャンピオンに何度も輝き、名声を手に入れた。市販車の世界でもフォードと手を組んだり、独自のスポーツカーを生産し、存在感を示してきた。

カーシェアリングサービス「カレコ」のラインアップにトヨタの人気車「YARIS」を導入

 近年のロータスは「エリーゼ」を1995年に発売し、ブリティッシュ・ライトウエイト・スポーツを復活させた。この「エリーゼ」の成功から「エキシージ」「エヴォーラ」など、次々とライトウエイトのバリエーションを拡大していった。しかし、次世代を見据えたスポーツカー造りに専念することを決意し、2021年1月にこの3台の生産中止を発表した。今回、名車と言われるこの3台の最終試乗の機会を得ることができたので紹介したい。

ロータス「エヴォーラ 410スポーツ」

 ブリティッシュ・ライトウエイト・スポーツカーメーカーとして有名なロータスは、組み立てキットもあったロータス「7」でロードカーの分野に進出し、やがて「エラン」や「ヨーロッパ」という名車を次々に世の中に送り出して、その地位を築いた。一方で、ロータスの生みの親で、エンジニアだったコーリン・チャップマンは、ファミリーも大切にしていた。

 ファミリーも乗れるロータス車の開発にも熱心だった。それが、リアシートを備えたロータス「スポーツ」だ。最初のモデルは60年代に登場した「エラン」をベースにした「エラン+2(プラスツー)」。その後も「エクセル」「エスプリ」と+2モデルは、バリエーションに加えられてきた。

「エヴォーラ」は2009年に登場した+2モデルだが、パワーユニットはミッドシップ。V6、3.5Lスーパーチャージャーエンジンは、車体のほぼ中央に搭載されている。その前方に前後席をレイアウトするという構造だ。

 最新の、最終モデルは「GT410スポーツ」「GT410」でどちらもAT/MTが選べる。一時期、リアシートを取り去った2シーターモデルも、最新モデルでは消滅した。車両価格は最新モデルでは60万円ダウンし、「スポーツ410」で1358万5000円~となっている。

 試乗車はプライスダウン前のモデルなので、ルーフやシートはカーボン製で、オプションの防音仕様が採用されている。ボディーはカーボンファイバーコンポーネントを採用、空力的にすぐれたデザインのおかげで、ダウンフォースは最高速到達時で96kgとカタログスペックには記載されている。ちなみに、最高速はMTで305km/h、ATは275km/hと発表されている。

 ミッドシップのV6、3.5Lスーパーチャージャーエンジンは416PS、420Nmを発生する。6速MT車の運転席に座ってスターターボタンを押す前に、クラッチとブレーキペダルの両方を踏み込む。こうしないとエンジンが掛からない。

 フルバケットシートは背もたれが立ち気味。やや細身のハンドルを抱え込むようなポジションはレーシングカー的だ。前席は頭上の空間も確保されている。フロントフェンダーが見えるので車幅はつかみやすい。ただし、斜め後方はボディーで見えない。後席は一応シートがあるという感じ。頭上は身長140cmまでなら座れる。膝も前席にぶつかる。

 走り出してわかったのは、V6エンジン+6速ミッションの熱が、後方のガラス越しに伝わってくるということ。とても長時間は座っていられない。とくに夏場は地獄だろう。

 楽しいのは運転席のドライバーだけ(笑)。反発力の強いクラッチペダルを踏み、カチッカチッと短いストロークで入る6速MTを操る。アクセルオンでのエンジンからのうなり音は若干あるが、車体後方からなので、耳障りではない。その音は4000回転を超えると、一段とカン高い音色になる。

 0→100km/h加速を試してみる。レッドゾーン入口の7000回転まで引っぱりシフトすると、5秒台前半をたたき出した。カタログ値の4.2秒には及ぼないが十分速い。おそらく「SPORT」「RACE」モードを選択すれば、さらにタイムは向上するはずだ。



「エヴォーラ」のもうひとつの魅力はコーナリング。低い車高、幅広いトレッド、クイックなハンドルは、すべてコーナリングのためにセッティングされているといっても過言でない。重めのハンドルを少しでも動かすと、車体は即座に向きを変える。

 本当は4000回転あたりを保ってのコーナリングが大迫力なのだが、V6、3.5Lスーパーチャージャーは、なんと1000回転あたりからでもアクセルレスポンスがある。なので、2000回転も保っていれば十分コーナリングが楽しめるのだ。

 このフレキシブルなところは6速ATも同じ。+2シーターのロータスは、日常の足としても使えそうな実用域を備えているファミリースポーツカーでもある。たたし、乗り心地とハンドルの重さは、あくまでもピュアレーシングであることも付け加えておきたい。

■関連情報
http://www.lotus-cars.jp/our-cars/current-range/lotus-evora-range.html

文/石川真禧照 撮影/萩原文博 動画/吉田海夕

こんな記事も読まれています

スズキ「SV650X」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
スズキ「SV650X」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ
車の中はミストサウナ! 快適なサウナ室でバッチリととのうトヨタ ハイエースがベースのキャンパー
車の中はミストサウナ! 快適なサウナ室でバッチリととのうトヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
さすがのプロボックスもマネできず!? 白いのなに!? ADバンの内装にドーンって付いていた謎の白い物体の正体が衝撃すぎ!!!! 
さすがのプロボックスもマネできず!? 白いのなに!? ADバンの内装にドーンって付いていた謎の白い物体の正体が衝撃すぎ!!!! 
ベストカーWeb
負傷したハプスブルクに代わりグーノンが第2戦イモラ出場へ。アルピーヌA424でWECデビュー
負傷したハプスブルクに代わりグーノンが第2戦イモラ出場へ。アルピーヌA424でWECデビュー
AUTOSPORT web
ホンダっていつもちょっと早いのよ!! 今こそエレメント投入の時期だったんじゃ
ホンダっていつもちょっと早いのよ!! 今こそエレメント投入の時期だったんじゃ
ベストカーWeb
ランドクルーザー250、いよいよ発売へ!!気になる最新情報総まとめ!
ランドクルーザー250、いよいよ発売へ!!気になる最新情報総まとめ!
グーネット
静岡最大級のキャンピングカー&アウトドアイベント開催決定!輸入車フェアも同時開催
静岡最大級のキャンピングカー&アウトドアイベント開催決定!輸入車フェアも同時開催
グーネット
JAF 日本選手権に「ドリフト競技」追加 竹岡圭氏が「競技参加」語るトークショーも開催
JAF 日本選手権に「ドリフト競技」追加 竹岡圭氏が「競技参加」語るトークショーも開催
グーネット
パジェロ譲りの四駆性能!! 新型トライトンはランクル超えの乗り心地!? 型破りの走りを実現できたワケ
パジェロ譲りの四駆性能!! 新型トライトンはランクル超えの乗り心地!? 型破りの走りを実現できたワケ
ベストカーWeb
見やすい位置で自由自在に角度調整!強力マグネット付き車載ホルダー3種発売【動画あり】
見やすい位置で自由自在に角度調整!強力マグネット付き車載ホルダー3種発売【動画あり】
グーネット
日産 新エネルギー車のコンセプトカーなど 北京モーターショー2024で披露
日産 新エネルギー車のコンセプトカーなど 北京モーターショー2024で披露
グーネット
845万円のヤリス誕生!! カーボンルーフまで採用のガチ仕様!! コスパ求めるならRCもいいぞ
845万円のヤリス誕生!! カーボンルーフまで採用のガチ仕様!! コスパ求めるならRCもいいぞ
ベストカーWeb
全日本ロード第2戦もてぎでのトライアウトで全9チームが鈴鹿8耐の出場権を獲得/EWC
全日本ロード第2戦もてぎでのトライアウトで全9チームが鈴鹿8耐の出場権を獲得/EWC
AUTOSPORT web
宮田莉朋加入のクール・レーシング、開幕戦で逆転勝利。日本人3名が表彰台獲得/ELMSバルセロナ
宮田莉朋加入のクール・レーシング、開幕戦で逆転勝利。日本人3名が表彰台獲得/ELMSバルセロナ
AUTOSPORT web
小さなランクル[新型ランドクルーザーFJ]は25年に登場!! カローラクロスサイズで予想価格は350万円!
小さなランクル[新型ランドクルーザーFJ]は25年に登場!! カローラクロスサイズで予想価格は350万円!
ベストカーWeb
日産R32「スカイランGT-R」を思い続けて30余年。カスタムの目標は「400R」に負けないパワーです!
日産R32「スカイランGT-R」を思い続けて30余年。カスタムの目標は「400R」に負けないパワーです!
Auto Messe Web
ホンダ、3台がリタイア。ザルコはスタート直後からマシンに不具合。原因は調査中/第3戦アメリカズGP 決勝
ホンダ、3台がリタイア。ザルコはスタート直後からマシンに不具合。原因は調査中/第3戦アメリカズGP 決勝
AUTOSPORT web
結局「コスパ1番」のEVは? ボルボと内側を共有:スマート#1 オーナーを満たす:ヴォグゾール(オペル)・アストラ お手頃EV 12台比較(1)
結局「コスパ1番」のEVは? ボルボと内側を共有:スマート#1 オーナーを満たす:ヴォグゾール(オペル)・アストラ お手頃EV 12台比較(1)
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

8件
  • このエリーゼ~エキシージ~エヴォーラという一連のシリーズ
    どこか、製造権を買収して生産続行するという奇特なお方は
    いらっしゃらないものでしょうか…?
  • 通勤時にたまにガンメタのエヴォーラGT430を見るけど、ロータスもデカくなったなぁ、って思う。普通っぽく乗れるデザインだけど、余裕で911買える値段なんだよなぁ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1397.01547.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

458.01138.0万円

中古車を検索
エヴォーラの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1397.01547.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

458.01138.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村