豪華なリムジンにふさわしい完璧な静かさ
2024年にフェイスリフトを受けた、3代目ベントレー・フライングスパー。その「スピード」最大のライバルは、メルセデスAMG S 63 Eパフォーマンスだろう。
【画像】EVを凌駕する静寂 ベントレー・フライングスパー・スピー 競合クラスのリムジンたち 全156枚
あちらもV型8気筒エンジンのプラグイン・ハイブリッドで、システム総合の最高出力は802ps。0-100km/h加速は、3.5秒がうたわれる。対して783psのフライングスパー・スピードは、車重が約100kg多くても、3.2秒と0.3秒も上回る。
190psの駆動用モーターのおかげで、最長75kmまでガソリンを燃やさず走行可能。パワーは限定的といえるが、市街地を完璧な静かさですり抜けられる。精緻なアクセルレスポンスも、豪華なリムジンにふさわしい。
右足を踏み込めば、勇ましいサウンドを控えめに響かせながら、V8エンジンが威力を発揮。駆動用モーターが巧みにトルクを補完しつつ、歴代のベントレーでは経験したことのないレスポンスでエネルギーが放たれる。2種の動力源の協調性も素晴らしい。
安定・円滑なコーナリング 目を見張るスタビリティ
対してブレーキペダルの感触は、回生ブレーキが機能する影響で、ベントレーへ期待するよりスポンジー。進行方向の交差点や渋滞を自動的に判断し、予測的に減速する機能は、力強く直感的な運転体験と調和できていないように思えた。
ステアリングは、適度な重み付けでレシオも程よい。コーナリングは至極安定・円滑で、明確に扱いやすい。ポルシェ・パナメーラのような一体感はないものの、フライングスパーでは求められていない特性といえる。
ホイールベースの長さと四輪駆動、ワイドなタイヤの接地面積により、スタビリティにも目を見張る。エアサスペンションは最も引き締まった状態でも、路面の凹凸を巧みに吸収。過度な硬さは感取されない。
指摘するなら、ステアリングにはもう少しメカニカルな手応えが欲しいところ。全長5316mmのリムジンではあるが、操縦性に一層の特徴があって悪くない。実力は見事だが、AMG S 63 Eパフォーマンスの方が、カーブでの軽快感は上手だ。
EQSを凌駕する静寂性 競合に勝る価格価値
走行中の静寂性は出色。110km/h時に計測した車内のノイズレベルは61dBAで、メルセデス・ベンツのバッテリーEV、EQSをも凌駕した。並外れた静けさといっていい。
快適性も極上レベル。ただし、22インチという大径ホイールが影響してか、荒れた路面での落ち着きが僅かに期待へ届いていなかった。唯一といえる、弱点かもしれない。
英国価格は、22万6500ポンド(約4417万円)から。フェイスリフト前のW12エンジンを積んでいたスピードより、約1割上昇した。試乗車には約6万ポンド(約1170万円)のオプションも盛り込まれていたが、ライバルより価格価値には優れる。
駆動用バッテリーの充電だけで走れる現実的な距離は、市街地で約70km。ガソリンタンクの容量は80Lで、高速道路の巡航なら750kmは無給油で走り続けられる。
V8プラグインHVが生む従来以上の訴求力
フェイスリフトと共にW12エンジンを失った、3代目フライングスパー。しかし、魅力的なV8プラグイン・ハイブリッドを得たスピードは、航続距離を伸ばしつつ動力性能と静寂性を向上させ、従来以上の訴求力を醸し出している。
これまで通りインテリアは素晴らしく、仕立ての選択肢も拡充された。まさに、望ましいアップデートを受けたといっていい。定評は、一層盤石になったようだ。
ベントレー・フライングスパー・スピード・ファーストエディション(英国仕様)のスペック
英国価格:29万1390ポンド(約5682万円)
全長:5316mm
全幅:1978mm
全高:1484mm
最高速度:284km/h
0-100km/h加速:3.2秒
燃費:71.5km/L
CO2排出量:33g/km
車両重量:2750kg
パワートレイン:V型8気筒3996cc ツインターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:22.0kWh
最高出力:783ps(システム総合)
最大トルク:101.8kg-m(システム総合)
ギアボックス:8速デュアルクラッチ・オートマティック(四輪駆動)
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