現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ホンダNSXの完成度にビビったフェラーリが作った名車! 結果メガヒット作になった「F355」ってどんなクルマ?

ここから本文です

ホンダNSXの完成度にビビったフェラーリが作った名車! 結果メガヒット作になった「F355」ってどんなクルマ?

掲載 26
ホンダNSXの完成度にビビったフェラーリが作った名車! 結果メガヒット作になった「F355」ってどんなクルマ?

 この記事をまとめると

■ホンダNSXの登場によりそれを意識してフェラーリが開発したのがF355だどいわれている

けっこう新しいと思ってたけどもうクラシケ入りなの? いまなお不動の人気を誇るV8フェラーリ「348」と「F355 」

■クーペ・デタッチャブルトップ・スパイダーのボディバリエーションがあった

■フェラーリとしては異例となる1万台超の販売台数を達成して大ヒットモデルとなった

 これまでのフェラーリのイメージを打ち破った「F355」

 日本車が海外メーカーに影響を与えたことは、相当な数に上りそうです。改善をはじめとして、目に見えない生産管理とかコストかけずに設計で利益出すとか……。あのフェラーリにしてもホンダNSXには驚いたようで、のちにリリースしたF355にはそこかしこに意識した跡が見え隠れしています。その甲斐あってか、デビュー以来30年以上が過ぎたいまでも「名車」とか「エポックメイク」などと熱い支持を得ているようです。

 とにかく、国内外でF355は売れまくりました。ご存じのとおり、工藤静香さんも新車購入からずっと乗り続けているほどの惚れ込みよう。皆さんのまわりにも「大切に乗られているF355」が生息しているのではないでしょうか。1994年のデビュー、当時の国内価格はベルリネッタが1490万円、デタッチャブルトップのGTSは1550万円、電動オープンとなったスパイダーで1625万円。為替の関係で先代の348よりも安い設定だったことも追い風となったに違いありません。

 F355は車名の命名からして、それまでのやり方を変えてきました。すなわち、はじめにエンジン排気量、次いでシリンダー数という従来の方式に対し、排気量までは同じ(3.5リッター)でも、次の数字はバルブ数(各気筒5バルブ)という変化球。シリンダー数という単なるスペックでなく、5バルブによるパフォーマンスの向上を打ち出してきたわけです。このあたり、当時の社長、ルカ・ディ・モンテゼーモロのセンスや商魂が垣間見えるポイントかと。

 さまざまな刷新がなされてはいるものの、唯一フレームだけは348からキャリーオーバーしたスチールモノコックが使用されています。これはケチったわけではなく、V8をミッドに縦置きするパッケージとしての完成度が異様に高かったことが理由。剛性、重量、そして生産性のいずれも高い次元でバランスしていたとされています。

 もっとも、F355の白眉はなんといってもF129のコードで呼ばれる3.5リッターV8エンジンにほかなりません。90度のバンク角、アルミ合金製ブロックなどは348と共通ながら、その他はほとんど新設計、新素材が投入され、前述の5バルブ(吸気:3/排気:2)と相まって、F1ユニットさながらの精密機械へと変貌しています。

 最高出力380馬力/8200rpm、最大トルク36.7kg-m/5800rpmは、348(320馬力/7000 rpm、31.6 kg-m/4000rpm)とは比べようとも思えません。注目すべきは最大パワー発生時の回転数で、これは5バルブの効率に加え、F1直系のピストン(マーレ)やチタンコンロッド(Ti6-Al-4V:独マシーネンファブリーク製と噂されています)といった高品位なパーツ群の効果大。さすがに、フルスロットルで高回転を維持したときの高周波サウンドは何物にも代えがたいもの。当時のF1が載せたV12並み、といったら言葉が過ぎるでしょうか。

 フェラーリで初めて1万台以上を売り上げたモデルとなった

 ところで、フェラーリのミッションは温まるまでは非常に渋いことで有名でした。これを解決したのもF355のエンジン設計を担ったパオロ・マルティネッリの功績といえるでしょう。彼はF1のエンジン開発において、熱制御を徹底した知見から、F355のミッションケースに熱交換器を装備して始動してすぐにミッションオイルが温まる機構を取り入れています。

 もっとも、筆者が試乗した際は「いくらかマシ」くらいのフィーリングでしたけど(笑)。むしろ、それまでのケーブル操作からロッド操作に変わったカッチリ感のほうが印象に残っています。

 そして、キープコンセプトといってもいいスタイリングは、全面的にピニンファリーナに任された最後のフェラーリといわれています。チーフスタイリストのひとりだったマウリツィオ・コルビは、F355のほかにミトス、F50、550マラネロを担当しています。

 348では顕著だったテスタロッサのモチーフを継承することなく、楕円系のフロントグリルや、ディーノ206/246のリヤウィンドウ(フライングバック、トンネルウィンドウなどと呼ばれる独特の形状)などの伝統的スタイルをアップデート。数あるピニン作品のなかでも、トップクラスの人気、出来栄えといえるのではないでしょうか。

 そして、フェラーリ初のセミオートマティックミッション「F1マチック」も大きなトピックです。独立企業時代(フェラーリの電装を一手に引き受けていた頃)のマニェッティ・マレリがプログラムしたパドル方式のシステムで、オートマの概念を打ち破る出来栄えだったかと。

 もちろん、ダブルクラッチやブリッピングといった機能はついていなかったものの、2ペダルでフェラーリを操る楽しさは新鮮、かつ格別の面白さがありました。

 なお、1997年には日本でのディストリビューター、コーンズとフェラーリのパートナーシップ20周年を祝った限定車「コーンズ・スペシャル・エディション」が発売されました。ボディカラーが特別、くらいかと思いきや、のちに限定発売された「フィオラノ・パッケージ」にほど近いとかで、足まわりやカーボン製インパネなどかなりのスペシャルだったという証言もあります。

 このほか、F355はワンメイクレース「F355チャレンジ」が世界各国で開催されたほか、FIA GT選手権やJGTCにもエントリーするなど、モータースポーツと直結したイメージも販売面で有利に働いたはず。

 実際、販売台数もバカ売れといっていいほどで、ベルリネッタ4871台、GTS2577台、スパイダー3717台、そしてチャレンジが108台と、合計すれば1万1273台という(フェラーリとしては)メガヒットを記録(諸説あります)。

 また、F355の人気があと押ししたのか、発売した1994年はベルガー、1995年はアレジ、そして販売終了する1999年までにはシューマッハ&アーバインがF1で優勝しており、スクーデリア黄金期のイントロとなったことも忘れられません。いい時代のいいフェラーリ、F355はまさにそんなモデルに違いありません。

文:WEB CARTOP 石橋 寛
【キャンペーン】第2・4金土日は5円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

昭和ハイソカー×ロータリーの異端児!13B搭載“RE”71マークIIが注目の的になったもうひとつの理由とは
昭和ハイソカー×ロータリーの異端児!13B搭載“RE”71マークIIが注目の的になったもうひとつの理由とは
Auto Messe Web
ケータハムのEVスポーツカー「プロジェクトV」プロトタイプは伝統のチューブラースペースフレームシャシーを採用
ケータハムのEVスポーツカー「プロジェクトV」プロトタイプは伝統のチューブラースペースフレームシャシーを採用
Auto Messe Web
人気の大型スクランブラー 予想外の万能性を秘めた「ベア650」はロイヤルエンフィールドの650ccツインで最も旅に適したモデルだった
人気の大型スクランブラー 予想外の万能性を秘めた「ベア650」はロイヤルエンフィールドの650ccツインで最も旅に適したモデルだった
バイクのニュース
個人製作しちゃったの?! 『黄色いアヒル』のランチア・ストラトス・ロードレーサー
個人製作しちゃったの?! 『黄色いアヒル』のランチア・ストラトス・ロードレーサー
WEBヤングマシン
世界中の自動車映像が集結する国際的な映画祭「International Auto Film Festa 2026(IAFF2026)」が作品エントリーの受付を開始
世界中の自動車映像が集結する国際的な映画祭「International Auto Film Festa 2026(IAFF2026)」が作品エントリーの受付を開始
AutoBild Japan
動物の名前が付いたクルマ 26選(後編) 牛から熱帯魚、未確認生物『イエティ』まで?
動物の名前が付いたクルマ 26選(後編) 牛から熱帯魚、未確認生物『イエティ』まで?
AUTOCAR JAPAN
パストラーナがNASCAR開幕戦デイトナ500に再登場。ラジョイ起用のRFKは『ビッフル追悼』ロゴ採用へ
パストラーナがNASCAR開幕戦デイトナ500に再登場。ラジョイ起用のRFKは『ビッフル追悼』ロゴ採用へ
AUTOSPORT web
米軍「皿まわらない」空飛ぶレーダー「調達しないのやっぱりやめます!」急になぜ? 買う予定だった他の国はどうする
米軍「皿まわらない」空飛ぶレーダー「調達しないのやっぱりやめます!」急になぜ? 買う予定だった他の国はどうする
乗りものニュース
降雪予報が出たら「ワイパー立てろ」「サイドブレーキ下ろせ」って何のため? 「日本最低気温の日」に確認しておきたい誰でもできるクルマの冬対策
降雪予報が出たら「ワイパー立てろ」「サイドブレーキ下ろせ」って何のため? 「日本最低気温の日」に確認しておきたい誰でもできるクルマの冬対策
WEB CARTOP
動物の名前が付いたクルマ 26選(前編) 『ゴルフ』はまさかの馬だった? 意外な由来も
動物の名前が付いたクルマ 26選(前編) 『ゴルフ』はまさかの馬だった? 意外な由来も
AUTOCAR JAPAN
【ヤングマシン電子版3月号公開!】新春お買い得バイク100/新基準原付は何が違う?/昭和独創マシン列伝ほか
【ヤングマシン電子版3月号公開!】新春お買い得バイク100/新基準原付は何が違う?/昭和独創マシン列伝ほか
WEBヤングマシン
激レア珍景! 「ANA機を支える車両」がまさかの集結… それぞれどんな役割が? 羽田にいる車両数も圧巻
激レア珍景! 「ANA機を支える車両」がまさかの集結… それぞれどんな役割が? 羽田にいる車両数も圧巻
乗りものニュース
“悪顔”のトヨタ最新型「クラウン“セダン”」公開! オジサン歓喜の「往年スタイル」採用! お尻がスゴイ「アレス ロゼル クラウンセダン コンプリート」とは
“悪顔”のトヨタ最新型「クラウン“セダン”」公開! オジサン歓喜の「往年スタイル」採用! お尻がスゴイ「アレス ロゼル クラウンセダン コンプリート」とは
くるまのニュース
車中泊で気軽に旅をしたい方にオススメ! 快適に、そして安全に楽しめる『RVパーク』最新情報。【兵庫県三木市/RVパーク ガーデンカフェ スロー】
車中泊で気軽に旅をしたい方にオススメ! 快適に、そして安全に楽しめる『RVパーク』最新情報。【兵庫県三木市/RVパーク ガーデンカフェ スロー】
月刊自家用車WEB
大型ピックアップに乗れる! 純アメリカン以上に魅力的な米国生産車、トヨタが日本導入を検討
大型ピックアップに乗れる! 純アメリカン以上に魅力的な米国生産車、トヨタが日本導入を検討
カー・アンド・ドライバー
新車から41年ワンオーナーの「AE86改」。元メカニックが手塩にかけた、カローラレビンとの幸福な関係【愛車と原体験】
新車から41年ワンオーナーの「AE86改」。元メカニックが手塩にかけた、カローラレビンとの幸福な関係【愛車と原体験】
LEVOLANT
伊勢神宮の式年遷宮パーク&ライド輸送に裏技ありだと!? いまのうちにチェックしておけ!!
伊勢神宮の式年遷宮パーク&ライド輸送に裏技ありだと!? いまのうちにチェックしておけ!!
ベストカーWeb
「軽で十分」どころかこれが正解!? マイルドHVで25.1km/L&両側電動スライド標準の実力派! スズキ「スペーシア」はコスパ軽ハイトワゴンだった
「軽で十分」どころかこれが正解!? マイルドHVで25.1km/L&両側電動スライド標準の実力派! スズキ「スペーシア」はコスパ軽ハイトワゴンだった
ベストカーWeb

みんなのコメント

26件
  • shift47
    見た目は348の方が好きです!
    買えないけど、、、

    348ってかなり乗りにくい車なんですよね?
    曲がらない止まらない真っ直ぐ走らない!
  • tek********
    今や高騰しとるけど20年少し前は無理すれば中古で手が届いたねん
    車体の大きさ的にも日本の公道で乗るには良かったかと
    タイベルやけどね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1555 . 0万円 1610 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1150 . 0万円 3780 . 0万円

中古車を検索
フェラーリ F355の買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1555 . 0万円 1610 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1150 . 0万円 3780 . 0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村