1月7日、アウディは同日に米国ラスベガスで開幕した世界最大級の家電見本市「CES 2020」において、自動運転に対応した同社の未来を示すコンセプトカー「AI:ME」を披露すると発表した。
家庭と職場に次ぐ「第三の生活空間」としての役割を備える
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「AI:ME」は、ユーザーの希望やニーズを満たす、家庭と職場に次ぐ「大三の生活空間」としての役割を備える。ユーザーは、アイトラッキング機能を使ってクルマとコミュニケーションを取ることができ、例えばお気に入りの食べ物を注文することも可能だ。ウェルネス体験も提供され、車載VRゴーグルを装着すれば、壮大な山岳風景の中でバーチャルフライトを楽しむことができる。
このテクノロジーは、実車の走行に合わせてバーチャルコンテンツを調整。その結果、乗員は完全にリラックスして、忙しい日常生活から解放されることができる。そして目的地に到着すると、バーチャル映像は現実の映像に戻る。
「AI:ME」は、ユーザーの好みと車両のナビゲーションデータに基づいてコーディネートを行うので、注文した食べ物は時間通りに配達される。
「AI:ME」には「アウディ インテリジェンス エクスペリエンス」が搭載されている。この技術はクルマがユーザーとその習慣を理解し、人工知能とインテリジェント機能を組み合わせて、乗員の安全、健康、快適性を高めるもの。自己学習を行うナビゲーションシステムは、すでに現行のMMIシステムに組み込まれているものだ。
システムは、目的地のデータを保存し、日付や時間、現在の交通状況を考慮しながら推奨ルートを提案。将来的には、シートの位置、メディア、ルート案内、車内の温度から香りにいたるまで、ユーザーの好む機能や設定に関する詳細な分析が行えるようになる。共感力を備えた未来のアウディは、短時間のうちにユーザーの好みを理解し、自動的にそれを適用できるようになる。必要に応じて、運転スタイルや体調をモニターすることで、ユーザーの状態をベースにした車両セッティングも行えるようになる。
このほか、空間的ビジョンとオンデマンドによる提案として、3D複合現実ヘッドアップディスプレイも披露。これはサムスン電子と共同開発したもので、3Dテレビの場合と同様に、各画像についてふたつのビュー(左目用のひとつのピクセルと右目用の隣接するピクセル)が生成される。
3D複合現実ヘッドアップディスプレイの画像は、ドライバーの前方8~10mの距離に浮かんでいるように見える。巧みな表現方法により、この距離感は70m以上にまで変更することも可能だという。それにより、遠くを見て走行しているときに、画像を見るために目の焦点を合わせ直す必要がなくなる。
オンデマンドで作動する透明なディスプレイも見逃せない。スクリーンは縦15cm、横122cmのサイズで、下端はインストルメントパネルに埋め込まれている。これは、透明な有機ELディスプレイと、とくに濃いブラックを表現する黒のレイヤーという2層構造。情報の表示に必要ない部分は透明なままになっていることが、このディスプレイの大きな特徴だ。この部分は、透明なガラスと同様に、前方の路面をよく見渡すことができる。
さらに同社の最新イノベーションとして、従来より10倍の処理速度を誇る第三世代のモジュラーインフォテイメントプラットフォーム「MIB 3」や、乗員の集中力や記憶力を高めるために照明の色を活用した先進ライティングテクノロジー「ヒューマンセトリック ライティング」といった技術が発表される。
CES 2020のアウディブースではこれらのほか、12.3インチのタッチスクリーンを備えた市販車に近いショーモデルである「アウディQ4 e-tronコンセプト」や、2020年春に搭載が開始されるデジタルマトリクスLEDヘッドライトを搭載した「アウディe-tronスポーツバック」なども出品される。
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