2025年6月22日(現地時間)、パリ・ファッションウィークにてルイ・ヴィトンの2026年春夏メンズコレクションが発表された。
パリの中心部にあるポンピドゥー・センターの前庭がファッションショーの舞台になることは滅多にない。2022年10月にはステラ マッカートニーのショーがあったが、数日間にわたってこの場所を占拠したブランドはほかに記憶にない。しかし、2023年からルイ・ヴィトンのメンズコレクションを主導しているファレル・ウィリアムスは、やると決めたらやる男である。
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ポンヌフをゴールドに覆い、フォンダシオン ルイ・ヴィトンを開拓時代の西部に変貌させ、ユネスコの遊歩道を芝生で覆うなど、同メゾンが手がけるメンズコレクションのトップに就任して以来、ファレルは自身の監督下で空間を化けさせることなど慣れっこになっている。
6月24日(現地時間)、ファレル率いるルイ・ヴィトンはパリ4区のポンピドゥー・センター前にランウェイを構え、パリ・ファッションウィーク初日のトリを飾った。今週、各ブランドは来年のメンズトレンドを決定づける2026年春夏コレクションを発表する。ルイ・ヴィトンが初日のヘッドライナーを務めるのは毎年恒例のことだ。
この夜は、ファレルにとってヴィトンでの6回目のショーとなった。わずか3年余りで、ヴィトンの男性像はもはや彼自身となったと言っても過言ではないだろう。先週の金曜日、メゾンはポンヌフ近くのスタジオに我々記者を迎え、新しいワードローブのプレビューを披露した。2人のモデルのフィッティングのあいだに、デザインチームは2026年春夏ワードローブのインスピレーションについて説明してくれた。
「ファレルは2018年のインド旅行にインスピレーションを受け、それが私たちの共通テーマとなりました」と、メンズ・プレタポルテのマネージャーは説明する。「スタジオの皆で再び旅したんです。デリーやムンバイのような都市を探索し、色や形を通して人々の着こなしからインスピレーションを得るためにね」。キャットウォークで見る限り、アプローチとしてはそのインスピレーションを直接的にデザインに落とし込むことではなく、チームが出会った「様々なインド」のスピリットを捉えることが狙いだったのは明らかだ。
インドの文化にインスパイア
ファレルは当初からヴィトンの男性像を再定義することに尽力し、現代の新しいダンディというアイデアを生み出してきた。1月に発表された2025-2026年秋冬のワードローブで特に顕著だったが、今回の最新コレクションでもこのイメージは生き続けている。
「ファレルはそのアイデアに非常にこだわっています。彼のDNAの一部なのです」と、スタジオのスタッフは説明する。「毎シーズン、ルイ・ヴィトンらしく非常にシックでラグジュアリーでありながら、彼自身の言語によるフィルターを通して、このビジョンを維持することを目標としています」
いずれもワークウェアとテーラリングのクロスオーバーに着想を得たブーツカットパンツ、パファージャケット、ラップアラウンドコート、しなやかなスーツなど、ファレルのクリエイティブなボキャブラリーは、コレクションごとに明確になってきている。
この語彙は今回、ヒンドゥー文化を仄めかすカットや色、ディテールといった、インドからのインスピレーションを通して濾過されている。「同じ色でも様々なニュアンスのものが見られます。これは現地で発見したインディゴ、レッド、グリーン、ベージュの顔料をそのまま使ったものです」と、デザインチームは説明する。
自身のネオ・ダンディな美学に忠実なファレル・ウィリアムスは、テーラリングのコードも参考にしている。スーツは下にストライプシャツ、ときにはスクエアトウのローファーのようなフォーマルな靴、あるいは厚底のビーチサンダルを合わせている。
「プロポーションを再解釈して、様々なシルエットを作るのが楽しかった」と、フットウェアの責任者は言う。「形が決まれば、あとは様々なバージョンを考えるのを楽しむだけです」。また、彼は次のようにも付け足した。「ルイ・ヴィトンには非常に多くのスニーカーがありますが、今回はよりフォーマルな靴も作りたいと思いました。ただし、モカシンやダービーのようにひねりを効かせたものをね」
なかには、インドの高山ガイドが履いているトレッキングブーツからヒントを得たものもあったが、テクニカルジャケット、フリースダウンジャケット、ナイロンパンツなど、アウトドアからの影響はウェアにも見られた。
コレクション全体を通してインド文化が凝縮されているが、それはランウェイのデザインにまで至った。会場は古代インド発祥のボードゲーム「蛇と梯子」をモデルにしており、ショーの招待状には4つのサイコロが入った革のキーホルダーが同封されていた。
ウェス・アンダーソン映画に由来するモチーフ
しかし、今回のコレクションのインスピレーションはインドだけではない。ファレルはヴィトンのアーカイブから、ウェス・アンダーソン監督のカルト映画とのつながりを見つけ出した。インドを舞台にした『ダージリン急行』の劇中、登場人物たちはジャングルの動物をプリントしたルイ・ヴィトンのスーツケースを持っている。実際に販売されることのなかったこれらのスーツケースが、今回のコレクションで第二の人生を歩むことになったのだ。同じモチーフはいくつかのガーメントにも取り入れられ、フロントロウに座ったファレルの家族も同様のデニムを着用していた。
コート、スーツ、トランク、そしてショーツに至るまで、このモチーフは来年の夏、間違いなくあちこちに登場するだろう。「ファレルは就任時、アーカイブに目を通したときにこのラゲージを気に入って、『もしインドをテーマにすることになったら、これを一緒にやろう』と言っていたんですよ」と、スタジオのスタッフは振り返る。すでにカルト的な人気を博すであろうことが想像できるこれらのアイテムと並んで、今回のショーでは様々なバッグやトランクが75のシルエットを彩った。そのなかのいくつかは、インドの顔料から取り入れた色彩を纏っていた。
コレクションについてルイ・ヴィトンのデザイナーたちは、リラックスした、ほとんどノンシャランなルックを伝えることが主な目的だったと説明した。「ミックスアンドマッチで楽しめるように、要素が少しオフビートになっています」と、プレタポルテの責任者は言う。「頻繁に着用されて身体と一体化し、長い時間をかけて生きていくようなアイテムには、このようなアプローチが非常に魅力的なのです」
この考え方は、コレクションのほかの商品カテゴリーにも適用されている。たとえばジュエリーは、日常生活のなかで使い古されたような印象を与える。ファレルによるルイ・ヴィトンのデザインコードは忠実に守られており、まるで彼が自身のワードローブを抱えてインドに飛び、14億人が暮らすこの国の文化で装飾してもらったかのようだ。
デザインチームが言うところの「より自然で、飾らない」今回のワードローブはLVロゴも控えめで、ファレル・ウィリアムスのデザインのなかで最も成熟し、完成度の高いものであることは間違いない。現在フランスでツアー中のビヨンセとジェイ・Zも、ファレルのショーに拍手を送りに来ていた。これに勝る賛辞はないだろう。
【写真75枚】ルイ・ヴィトン2026年春夏コレクションのルックをすべて見る:From GQ France
By Adrien Communier
Translated and Adapted by Yuzuru Todayama
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