これまで多くのトップライダー達の熱いドラマを生み出してきたJNCCの開幕戦が、今年も大阪のプラザ阪下で開かれ、馬場大貴が勝者となった。レース中盤までは渡辺学との一進一退の攻防が続くが、最後の勝利を分けたのは、「35秒」の壁だった。
今年こそ王座を狙う、開幕戦のライバルは渡辺学ただ1人
JNCCの絶対王者・渡辺学に阻まれ、なかなかチャンピオンに手が届かなかった馬場大貴。2019年は3位、2020年は2位と徐々にランキングを上げていき、今最もチャンピオンに近いライダーの1人だ。
「毎年言っているけど、今年こそチャンピオンを狙っていきます。そのためには学さんと健二さんを超えて行かなきゃならない。そのために開幕戦から勝って良いペースでシーズンをスタートしたいですね」と話す。今回鈴木健二はG-NET出場のためJNCCは不在となった。
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馬場はホールショットを決め、先頭に立つ。ところが、2周目で丸太セクションを失敗してしまいエスケープへ、これが大幅なタイムロスとなり6位でチェッカーを受け3周目へ。その隙に渡辺学が1位に立ち、その後ろを田中教世が追う展開に。
田中はそのまま2番手を走っていたが、丸太セクションで失敗しエスケープへ。その隙に馬場が2番手に。「丸太も他のライダーでラインが埋まっている事があったので、そういう時は最初からエスケープを選ぶのも戦法としてアリでしたね」と田中。
2位に戻った馬場は渡辺にプッシュをかけ続け、中盤には1位に立つも渡辺のプレッシャーは振り払えず、一進一退の攻防が続く。トップ争いが大きく動いたのはレース終盤であった。
最後の35秒。勝利の女神はどちらにほほえむのか
抜きつ抜かれつのデットヒートの中、渡辺が馬場を引き離そうとスパートを掛け、いよいよL1が迫ってくる。しかし、ここで渡辺は転倒してしまい、馬場にリードを許し、先にL1を受けたのは馬場であった。渡辺もすぐに立て直し馬場を追うも、L1を受けたときには馬場と35秒差が付いていた。
そのまま馬場はリードし続けるが、途中でバイザーが取れるほどの激しい転倒をしてしまう。しかし、すぐに立て直し、1位でフィニッシュを迎えた。馬場は「つい気を抜いた時にミスをしてしまう癖が今回も出てしまいました。学さんとは距離が離れてたとはいえ内心かなり焦りましたね」と話す。また、バイザーが無いことをギャラリーから指摘されると「健二さんになっちゃいました」と照れた様子。
馬場大貴
「最初はトップ走れていたのですが、2周目に渋滞に捕まってしまって…。その後追い上げたのですが、今度は丸太で失敗してしまいエスケープに行ったのでだいぶ離されてしまいました。その後追いついたのですが、残り20分になったら学さんがさらにスピードを上げてきたので、必死に食らいついてプッシュするのがめちゃくちゃしんどかったです。最終ラップで激しく転倒してしまいましたが、それでもすぐ立て直してなんとか勝てたのでよかったです。今年は学さんと健二さんが参戦してこないレースもあるので、今年こそは確実にチャンピオンを獲りに行きます」と熱い思いを語る。
渡辺学
「ミスさえしなければ勝てるという気持ちで臨みました。ただ、レース中はトップで走る事が多かったですが、細かいミスが多く、その結果の2位なので悔しさが残りますね。それに、今年は僕も全日本モトクロスに行ってしまうし、健二さんもハードの方に行ってしまうので、2人ともチャンピオンを取れません。だからこそ今年は、出れるレースは全力で、大貴や他のライダーにプレッシャーをかける走りをしていこうかなと思っています」と話す。
チャンピオン獲得のためには、フル参戦することが大きなアドバンテージとなるのだが、今年はR-2広島、R-3鈴蘭が全日本モトクロスと日程が重なっているためその2戦は出場できない。
失敗が許されない1トライの呪縛
プラザ阪下名物の丸太、タイヤセクション。COMPではフルで使われており多くのライダーを苦しめた。特にCOMPで上位を狙うライダーにとってはセクションの難しさだけでなく、苦しいルールも適用された。
それは周回毎のチャレンジは1回のみという条件。失敗した場合はやり直しはできず、エスケープに回らなければならない。エスケープを回ることは大きなタイムロスになってしまうため、確実にクリアする技術が必要となった。実際、馬場や田中もここで失敗しエスケープに行った際に順位を落としている。それほど失敗した時のリスクは大きかったのだ。
その他にも目立った箇所がこちら。ここは横幅の狭い2段のヒルクライムになっており、誰かが失敗するとラインが塞がれてしまい渋滞が起こる。序盤はこの渋滞に阻まれるライダーも多く、ここをいかに早く抜けるかが鍵となった。
COMP-AからAAクラスに昇格した保坂修一は、新生GASGASとして参戦。モトクロスIAがひしめくAAクラスで5位、総合5位をマークし、その存在感を知らしめた。
「今回苦手なセクションは特に無く、タイヤや丸太も気にならなかったです。練習の時にステアや二度ぶかしをやっていたので、それが効いたのかなと思います。今年はJEC、JNCCどちらもフル参戦予定なので、次のJEC広島に向けて切り替えていきます」保坂は今年から生活の拠点を大阪に移し、ビバーク大阪でスタッフとして働きながらレースに挑戦している。
COMP-Aクラスでは飯塚翼がスタートからトップに立ち続け、順位を落とすこと無く1位でフィニッシュ。4月から社会人となる飯塚は、学生としての最後のレースに有終の美を飾った。
「今年でシェルコに乗って3年目なのですが、なかなかJNCCで勝つことができず悔しい思いをしてきました。でも、今年やっとクラス1位になれましたし、初めて総合でも1桁に入れたので本当に嬉しいです」
COMP-RからBに昇格した酢崎友哉はクラス唯一の14周で1位となった。総合リザルトでは上位にAAライダーがひしめく中で16位につけ、AAライダーにとっても新たな脅威として存在を知らしめた。
「レースの始まりと終わりで路面コンディションがかなり違ったので走りづらく、雨で流れて浮き出てた石やギャップが酷く、すぐ腕上がりしてしまいました。1周目はラインがまだできてない所が多く、どこを走るか迷う事が多かったんですが、周回を重ねる毎にラインが見え、ペースもあげやすかったです」
今回から新たにIMXクラスが新設され、川上龍司が1位をマーク。川上は2位に2周差をつけ、堂々の走りを見せつけた。
「去年初めてJNCCに出た時は、総合3位の成績で嬉しかったのですが、その時の走りがうまくいきすぎた分、今回はちょっと緊張してしまって1周目はかなり転んでしまいました。それでもクラス優勝できて一安心しています。またスポット参戦を考えているのでその時はもっと上を目指します」
COMP-RはJNCC初出場の高橋吟が1位となった。高橋は去年よりCGCやG-NETに参戦していたが、練習仲間でCOMP-Bを走る田上拓の影響を受け興味を持ち、今回の参加に至ったという。
「最終周にガス欠の恐れがあったのですが、あと1周行ける! と思って無理をしたら案の定ガス欠してしまい、めちゃくちゃ焦りました。そんなトラブルもありましたがこの順位を取れたので満足しています。次回は早めに給油するように心がけます」
FUNクラスを襲うマディコンディション
午前中に行われたFUNクラスは、前日からの雨の影響で足首まで埋まるほどのマディの中スタート。終盤になるにつれコンディションは回復してきたが、視界の悪さは変わらなかった。
丸太セクションでは渋滞ができ、ここで苦戦するライダーが多く見られた。タイヤに付いた泥が丸太に付着し滑るのだが、丸太自体も皮が剥かれツルツルになっているだけでなく、斜めに配置するという辛口な設定になっていたのだ。
そんなFUNクラスで見つけた、若手のホープがFUN-Cクラス優勝の中学生、久保櫂人だ。小学生はモトクロス、中学からクロスカントリーを始め、以前はWEXを中心に出場していたが、今回からフルサイズにマシンを乗り換えJNCCに参戦した。
「全然余裕でした、まだ走れますよ。今年の目標はクラス優勝、FUN総合5位以内を目指しています」と若さ溢れるコメント。実は久保は去年まではあまり良い成績ではなかったが、地元が近い石戸谷蓮や渡辺裕之達と一緒に練習をするようになり一気に成果が伸びたという。若手の伸び代は未知数だけに、今後の成績にも期待したい。
次戦JNCC第2戦、ビックディア広島は4月11日開催。エントリー締めきりは3月29日まで。
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