フェニックス・レースウェイで開催された2025年NASCARカップシリーズ第4戦『シュライナーズ・チルドレンズ500』は、チームメイトであり兄貴分でもあるデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング(JGR)/トヨタ・カムリXSE)をサイド・バイ・サイドのバトルで撃破し、クリストファー・ベル(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)が破竹の3連勝を達成。アトランタ、サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)に続く1マイル“トライ”オーバル制覇に加え、ベルにとってはフェニックスでの春のイベント連覇となっている。
第2戦はハイバンクのスーパースピードウェイ、第3戦は短縮版ながらGPロードコースと、まるで異なるトラック特性を制してアトランタに乗り込んできたトヨタ陣営JGRだが、この第4戦のレースウイークを前に、もうひとつのうれしいニュースが飛び込んできた。
伝統の開幕戦『デイトナ500』にて、ワンメイク供給部品(スポイラー)を改造したとしてチェイス・ブリスコ(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)の19号車にポイント剥奪の重いペナルティが課されたが、この裁定に対する控訴にてJGR側が勝訴。選手権ポイント100点の喪失と、プレーオフポイント10点、さらにチームへの10万ドルの罰金と、クルーチーフであるジェームズ・スモールの4戦出場停止が含まれた処分が、正式に取り消されることとなった。
この水曜の判定に際し、ブリスコも「キャリア最大のポイント獲得日!」と自身のSNSに喜びの報告を投稿した。「僕らは戻ってきた! 真面目な話、証拠を提示する選択肢を与えてくれたNASCARに感謝し、すべてをまとめるために数え切れないほどの時間を費やしてくれたジョー・ギブス・レーシングの全員に大いに感謝している」
その一方、同じくデイトナにて併催戦となったARCAメナーズ・シリーズに参戦したキャサリン・レッグが、新たにライブ・ファスト・モータースポーツの78号車シボレー・カマロZL1で、晴れてカップシリーズ・デビューのときを迎えた。
「ミスを最小限に抑える仕事をしたい」と、ほぼぶっつけ本番の状況でフェニックスに到着したレッグ。「誰でもミスはするけれど、トラブルを避け、敬意を示し、自分がこの場にふさわしいことを証明したい。それができれば、もっと多くのことをする機会が得られると思う」
この新契約は約10日間でまとまったというが、本来なら前戦COTAでのカップ初参戦が彼女のキャリアを考慮しても最適解だったはず。しかし今回の時間枠で話をまとめることは「不可能だった」ことから、NASCARは1マイルのフェニックス参戦を承諾。レッグもデビュー前にシボレーでシミュレーター作業に励み、ピットストップ練習のためヘンドリック・モータースポーツ(HMS)の本拠敷地内で繰り返しNext-Gen車両をドライブ。またリチャード・チルドレス・レーシング(RCR)とカウリグ・レーシングが準備作業の大部分をサポートした。
「こうしたオーバルでNext-Gen車両を走らせた経験はないけれど、非常によくサポートしてもらい、可能な限り準備ができたと感じている。でも正直言って、私が最後尾以外でフィニッシュできれば、それは私たちにとっての勝利ね。なぜなら、私にはこのフィールドの誰よりも経験がないから。誰かが『土曜日は国際女性デイだ』と言ってきたけど……あぁ、目立たないように走りたかったのに!(笑)」
迎えた週末。走り出しのフリー走行ではスパイア・モータースポーツの僚友であるマイケル・マクドウェルと、話題を集めるカーソン・ホセヴァーのふたりがワン・ツー発進で好調さを披露したが、予選ではウイリアム・バイロン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)がジョーイ・ロガーノ(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)を抑え、自身通算14回目のポールウイナーとなる。
そのまま決勝ステージ1を制したバイロンに対し、ロガーノは厳しいレース展開にさらされると、15周目のリスタートでイエローラインを下回ったためペナルティを受け後退。ステージ2、ステージ3ともに、より柔らかいコンパウンドを採用するオプションタイヤを装着して挽回を期したものの、後半ではトップ10ポジションを挽回するまでのスピードが得られない。
一方で予選11番手だったベルにとっては圧倒的な一日となり、通算6名のドライバーにより17回のリードチェンジを記録し、10回のコーションフラッグが出された日曜は、312周中106周でリードラップを刻むことに。
勢いに乗りステージ2も制したベルだが、フィニッシュまで残り8周の時点で僚友タイ・ギブス(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)が機械的なトラブルに見舞われ、ターン3でウォールに激突。ここで最後のコーションが発動し、勝負は残りあと2周で再開となる。
終盤にようやくトラックポジションを回復していたハムリンが隣に並び、移籍組で奮闘のジョシュ・ベリー(ウッド・ブラザーズ・レーシング/フォード・マスタング)とカイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)は2列目から勝負に挑むと、カムリXSEの2台はターン2からサイドドラフトの攻防を展開。ハムリンがターン4でハイラインを周り、ボトムを突っ切ったベルが最終コーナーまでにわずかに先行。最後の加速勝負に加わったラーソンも抑え込み、2021年にそのラーソンが記録して以来、このNext-Gen時代では初の3週連続勝利を成し遂げた。
「なんてことだ! 赤いタイヤ(オプション)を履いて『よし、残り20周か30周、イエローは出ないでくれよ」と思っていたら、それが2回も起きた。あとはリスタートで誰が抜け出せるかだけだったよ」と終盤の苦しい状況を振り返ったベル。
「どちらも抜け出せなかったが、ゴールラインに近づくまで本当に激しくレースした。これでJGRがワン・ツーだ、スゴいだろう?」
序盤に単独スピンを喫していたデビュー戦のレッグは、その後もジョシュ・ベリーと接触して姿勢を乱し、ダニエル・スアレス(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)を巻き添えにレースを終えることに。
また、併催のNASCARエクスフィニティ・シリーズ第4戦『GOVX 200』は、延長戦の最終ラップで劇的なオーバーテイクを披露したアリック・アルミローラ(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタGRスープラ)が、アレックス・ボウマン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)をわずか0.045秒差で退け通算8勝目を飾っている。
https://www.youtube.com/watch?v=ivCtZT8tlFk
https://www.youtube.com/watch?v=G_JSj6Z7xV8
[オートスポーツweb 2025年03月11日]
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