2021年から、ドイツ・ミュンヘン開催となった国際モーターショー「IAAモビリティ2021」。2030年までに全新車販売を完全電動化するメルセデス・ベンツは、2021年9月5日、GクラスのBEVモデル「コンセプトEQG」を発表した。
ベンツは、2025年までに、全てのモデルにバッテリーEV(BEV)の選択を可能にすると明言していることから、GクラスのEVモデルが市販化される見込みだ。
コロナ禍が終息したら日本でも発売!? カローラクロスGR SPORTはなぜ台湾専売なのか?
今回、発表されたメルセデス・ベンツ「コンセプトEQG」について、紹介していく。伝説のクロカンGクラスの電動化で懸念される点とは?
文/大音 安弘、写真/Mercedes-Benz
【画像ギャラリー】 (本文未掲載写真あり)ついに発表されたEV版Gクラス「コンセプトEQG」を写真でチェック!
■伝説のクロカン GクラスがついにEVへ
2021年9月7日~12日、ドイツ・ミュンヘンにて開催された国際モーターショー「IAAモビリティ2021」。
メルセデス・ベンツは、多くのBEVコンセプトを発表し、話題となった。そのなかでも、特に気になる存在といえば、伝説のクロカンGクラスの未来の姿を具現化した「コンセプトEQG」だ。
メルセデス・ベンツの電動ブランドである「メルセデスEQ」の名を冠することからも分かるように、これはEV版Gクラスのコンセプトモデルだ。そもそもGクラスEVの存在は、2018年1月に、アメリカ・デトロイトで盛大に行われた現行型Gクラスのワールドプレミアの場で、当時のダイムラーAG会長ディーター・ツェッチェ氏が、将来のメルセデスの伝統戦略の中に、Gクラスもしっかりと含まれることを明言。
世界中のGクラスファンを驚かせたことは記憶に新しいが、これまで続報はなかった。今回のコンセプトモデルは、その実現に向けた大きな一歩なのだ。
IAAで多くのBEVのコンセプトを発表された背景には、ダイムラーAGが2021年7月に公表した電動化戦略にある。2030年までに全新車販売を完全電動化するとし、2025年までには全てのモデルでBEVの選択を可能とするとしたためだ。つまり、2025年までには、GクラスもBEVが設定されるということなのだ。
■Gクラスのデザインを残しつつも近未来感あふれるエクステリア
続々とEVモデルを追加しているメルセデス・ベンツ。ついにGクラスのBEVモデル「コンセプトEQG」を発表
この流れを踏まえて、コンセプトEQGを観察してみよう。メルセデス・ベンツの本国サイトでは、コンセプトEQGを70年代に流行したSF特撮に登場する未来の乗り物として描き、紹介している。LEDを装飾に取り入れたエクステリアは、確かに近未来感に溢れている。ただ基本的なフォルムは、現行型Gクラスをしっかりと踏襲しており、誰が見ても、一目でGクラスだと分かるものだ。
伝統的なデザインのフロントマスクには、BEVらしい演出として、ラジエターグリルの代わりに、ブラックパネルグリルを装着。クロームメッキの代わりに、ライティングによるモールデザインが施され、グリル内部には、3Dに映る星のイルミネーションが輝く仕掛けだ。シンプルなデザインとなるが、このブラックパネルグリルは、市販済みのEQCやEQAにも見られるBEVを主張する演出だ。
典型的な丸型ヘッドライトや大きく張り出したホイールアーチは健在
この他にもEVらしいアイテムとして、リアドアのスペアホイールカバーを代わりに、ロック付きの収納ボックスを装備。この中には、電源ケーブルを収めておくこともできるという。そのため、ウォールボックス充電器を彷彿させるデザインとしたようだ。またルーフには、Gの文字をデザインしたユニークなルーフラック、足元には専用デザインの22インチアルミホイールが装着されている。
しかし、見た目がGクラスらしいだけでは、コンセプトEQGに価値はない。そこで限定的に明かされたメカニズムの情報について紹介すると、ボディ構造は、強固なラダーフレーム構造で、床面には駆動用バッテリーを搭載。フロントアクスルには、独立懸架のサスペンションを、リアアクスルにはモーターを組み込むために新開発したリジットアクセスを採用することで、Gクラスに相応しいオフロード性能を有するシャシーとして設計されているという。
ちなみに現行型Gクラスも、フロントが独立懸架のダブルウイッシュボーン式、リアがリジット式となる。フル電動となる4WDシステムは、それぞれの駆動輪の近くに4つの電気モーターを配置。
それぞれのモーターを独立制御することで、オンロード及びオフロードでもユニークな走行特性を実現させるとしている。また駆動力を強化する変速操作が出来る2段ギアボックスも備えているようだ。
また設計上のメリットとして、ラダーフレームに組み込まれたバッテリーによる低重心化や発進時から最大トルクを発揮できるモーター特性は、強力な牽引力と制御性に優れるため、オフロードカーに最適だとしている。それ以外、走行性能や航続距離、装備などスペックについては一切、公表されていない。
運転席周りのデザインは現行型Gクラスを踏襲している。量産車でどう変化するのか注目
インテリアの写真もコクピット周りのものが1点のみをお披露目。それによると、内装は全く現在のGクラスと同様だ。確認してみると、中央に配置された3つのデフロックスイッチの表示が消えていることから、これらのスイッチの役目は変化しているのだろう。公式リリースによれば、コンセプトEQGは、ほぼ量産段階に近い形で提案したものとしている。
■EVモデルでもGクラスのオフロード性能は保持されるのか
BEV化されても、「キング・オブ・クロカン」としての地位を守り続けることができるか
近い将来登場するBEVのGクラスは、現行型Gクラス同様、開発の最終テストとして、オーストリア・グラーツ近くにあるシェークル山にある厳しいオフロードコースで実力が試される。この難攻不落のコースでのテストをクリアできなければ、Gを名乗ることは出来ない掟。つまりBEVのGクラスは、他のGクラスと同等、もしくはそれ以上の悪路走破性能を保持するものを目指しているのだろう。
BEV化されたGクラスのオフロード性能は、エンジン車と同等以上を目標としているのは確かで、如何なる悪路も物ともしないだろう。しかし、その一方で、緊急時の充電や、重量が路面に影響を及ぼすような悪路など、クロカンとしての求められる要求を全てクリアできるのかが懸念される。
これらの疑問に対して、メルセデス・ベンツが如何なる回答を用意してくるのか、続報を注視したい。何しろGクラスの電動化は、クロカンの将来像を示すものでもあるからだ。またダイムラーAGは、Gクラスの電動4WD技術が、他のメルセデスSUVにも影響を与えることを示唆している。
ただ単なる移動手段ではなく、厳しい環境に耐えるクロカンとして愛用しているユーザーには、今のうちにエンジン車のGクラスを新車で手に入れようと考える人も少なくないはずだ。
しかし、現状は、それも難しい。世界的な需要増でGクラスは供給不足に陥っているため、入手困難となっている。今の時点では、現在のGクラスが魅力的に映るのが正直のところ。ぜひ、その気持ちが揺らぐほどのBEVのGクラスを我々に提示して欲しいものだ。
【画像ギャラリー】 (本文未掲載写真あり)ついに発表されたEV版Gクラス「コンセプトEQG」を写真でチェック!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
「ノーマルタイヤで立ち往生」に国交省ブチギレ!?「行政処分の対象です」2年連続で大量発生…「スタックの7割が夏用タイヤ」今年も緊急警告
まるで「“ミニ”フェアレディZ」!? 全長4.1mの日産「コンパクトクーペ」が斬新すぎる! 短命に終わった「NXクーペ」とは?
スバル新型「プレオ」発表に期待の声! “約100万円”の「コスパ最強」軽セダンは実用性バツグン! スバルらしい「水平対向エンジン×MT搭載」を求める声も!
トラックの頭と積荷が載ったトレーラーの知られざる接続部! 最後のロックはあえて「手動」にしていた
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
これに乗ってる人は街乗りの人ばかりだから良いんじゃない
間違っても山には行かない方がいいよ
山中で電欠になったら洒落にならん
Gに求めるのはネオクラシックなカッコ良さ
中身は別として、そこがGの人気の一番の要因
バカ売れしてる現行ジムニーも同じ
クロカンしない人でもネオクラシックなデザインに惹かれて購入してる人が多いはず
EV化するにしてもそこは押さえるべき