「R 1300 GS」の派生機種……ではない!?
2000年代以降のBMWモトラッドは、ボクサーツインGSのモデルチェンジを行ってしばらくすると、快適性や悪路走破性を高めた派生機種として「アドベンチャー」を発売するのを定例にしています。ただし、2024年秋に登場した「R 1300 GSアドベンチャー」は、必ずしも派生機種とは言えない? ……と、私(筆者:中村友彦)は感じています。
【画像】もはや別次元と言いたい!! 武骨で力強いけど軽快に走るアドベンチャーなバイクを見る
その理由は、少なくとも外観から判別する分には、2023年秋にデビューした「R 1300 GS」とは方向性が異なっているからです。
具体的には、小型軽量化とスリム化を徹底的に追及して、フレンドリーな雰囲気を獲得した「R 1300 GS」とは異なり、「R 1300 GSアドベンチャー」のデザインは武骨で角ばっていて、誤解を恐れずに言うなら「大きいことはいいことだ!」的な雰囲気があります。
2台の差異にどんな印象を抱くかは人それぞれですが、世間では「GS」に対して、「前任車と比べると迫力が足りない」、「軟弱になった」などという異論が存在するようですから、そういう意識のライダーにとって、「アドベンチャー」は最適解になり得るでしょう。
逆に考えてみると、「アドベンチャー」が漢気溢れるデザインを採用することが決まっていたからこそ、「GS」は思い切った改革ができたのかもしれません。
そんな「R 1300 GSアドベンチャー」の日本仕様(価格表記は消費税10%込み)には、ベーシックモデルのツーリング(333万5000円)、オートマチック機構を導入したツーリングASA(343万2000円)、悪路走破性を重視するスポーツ(350万円)の3タイプが存在します。当記事ではそれらの中から、市場で主力機種となるツーリングASAの乗り味を紹介します。
先代以前とは、異なる技術を導入
前述したように、「アドベンチャー」は派生機種とは言い難いモデルです。とはいえ、エンジン+メインフレームの基本設計が共通の「GS」とは異なる装備として、大容量ガソリンタンクや大型ウインドスクリーン、エンジンプロテクションバー、アンダーガード、ロングストロークの前後サスペンションなどを採用することは、既存のボクサーツインGSアドベンチャーと同様です。
ただし、リアフレームを専用設計したことや、純正アクセサリーの多種多様なバッグを取り付けるアタッチメントを各部に装備していることは、既存のボクサーツインGSアドベンチャーとは異なる要素です。
また、クラッチレバーの操作が不要になるBMWモトラッドの新しい技術、ASA(オートメイテッド・シフト・アシスタント)は、この「アドベンチャー」が初採用車になりました(2025年型からは「R 1300 GS」も選択可能)。
そして既存のボクサーツインGSアドベンチャーとの相違点としては、「GS」が先鞭を付けたメカニズム、停止時や低速走行時にシート高が自動で低くなるアダプティブ車高制御を導入したことも、「アドベンチャー」を語るうえでは欠かせない要素でしょう。
なお「アドベンチャー」のメインシートには、先代以前と同様に2段階の高さ調整機能が備わっていて(GSは廃止)、多くの人が気になるシート高は、ツーリングとツーリングASAが820/840~850/870mm、スポーツが840/860~870/890mmです。ちなみに先代の「R 1250 GSアドベンチャー」は、プレミアムスタンダードが825/845mm、プレミアムラインが890/910mmです。
試乗で感じた、2つの意外性
「R 1300 GSアドベンチャー」でさまざまな場面を走った私は、2つの点で意外な印象を抱きました。まず1つ目の意外は、武骨で迫力満点なルックスとは裏腹に、乗り味が至ってフレンドリーだったことです。もっとも既存のボクサーツインGSアドベンチャーだって、エンジンを始動して走り出してしまえば、重さや大きさが足を引っ張る場面はそんなに多くはなかったのですが……。
このモデルの優しさと従順さは、私にとっては予想外にして予想以上でした。先代と比較するなら、停止時のシート高は5mmしか低くなっていないのに、シート下がスリムに絞り込まれているので足つき性は格段に良好だと思えますし、日本仕様の車重は6kg重くなっているにも関わらず「R 1300 GS」譲りの車体寸法や構造が功を奏しているようで、ハンドリングはヒラヒラと表現したくなるほど軽快です。
言ってみれば「アドベンチャー」は、周囲から畏敬の念を抱かれそうな巨漢でありながら、ライディングのハードルが決して高くないモデルなのです。
何だか夢みたいな話ですが、長きに渡って大排気量アドベンチャーツアラー界を牽引してきたBMWモトラッドは、夢を具現化するノウハウを確立しているのでしょう。
続いて2つ目の意外を紹介すると、ASAの自動変速モードは、私が事前に想像していたほど滑らかではありませんでした。と言っても冷静に考えてみれば、ASAは既存のマニュアルミッションをベースにしているので、駆動系のすべてを専用設計しているホンダの「DCT」のようなシームレス感は望むべくもないのですが、私がこのバイクのオーナーになったら、おそらく、基本的にはギアチェンジを任意で行うマニュアルモードを多用すると思います(マニュアルモードでもクラッチ操作が不要というASAの恩恵は十分に享受できる)。
もっとも、同業者にはASAを絶賛する人が多いですし、私自身もロングツーリングに使えば見方が変わる可能性があるでしょう。
とはいえ、こういった新しいメカニズムは数年後、場合によっては1~2年後に飛躍的な進化を遂げることが珍しくないですし、ツーリングASAの購入を考えているライダーは、あまり急がずしばらくは様子を見たほうがいい(?)……と、思えなくもありません。
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