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「SPOON NSX-R GT改“マカオGP”参戦記~最終コーナーでクラッシュ!?~」中編【公道爆走王世界一決定戦in2008】

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「SPOON NSX-R GT改“マカオGP”参戦記~最終コーナーでクラッシュ!?~」中編【公道爆走王世界一決定戦in2008】

最終コーナーでガードレールにクラッシュ…マシンを直して決勝レースを走れるのか?

11月14日(金):予選

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QUALIFYING

サスセッティングが功を奏し、大幅なタイムアップを果たす

迎えた翌日。決勝でのスターティンググリッドを決める予選が、午前11時から30分間行われた。

各ドライバーとも練習走行の時とは打って変わり、コンマ1秒を削り取ってひとつでも上のグリッドを目指すため、渾身のアタックを披露。それに対してマシンが音をあげたり、ドライビングミスや、あるいは限界をわずかに超えてしまったためクラッシュしたりと波乱の様相を見せている。

そんな中、スプーンNSX-R GT改は見直されたサスセッティングがバッチリ当たり、アグレッシブ極まりない市嶋サンのドライビングもあって、前日のタイムを大きく更新。6周めにはベストとなる2分56秒台(平均速度124km/h)をマークし、練習走行でのタイムをなんと18秒も上回ることになった。

予選開始から20数分が経過し、激しいタイムアタックがくり広げられる中、ホームストレート手前のRコーナーでランエボがガードレールに激突。フロントまわりが大破して、エンジンオイルがコース上に流れたことで、予選は一時赤旗中断となった。

マジ!? モニターが映し出す衝撃のシーンに思わず絶句…

5分後、予選が再開された。残り時間を考えるとアタックできるのはあと1周しかない。さらなるタイムアップを狙って、再びコースイン。

メルコヘアピンを立ち上がりフィッシャーマンズコーナーを抜け、Rコーナーからホームストレートへと姿を現す。モニター画面を食い入るように見ながら、「あれっ? ライン取りがおかしい!?」と思った瞬間、アウト側のガードレールへと吸い寄せられていく。

そこから先のシーンは、悪夢を見ているようだった。左フロントからガードレールに突っ込み、ボディサイドをヒットしたあと、反時計回りに1回転してようやく停止。そこは、数分前にランエボがオイルをまき散らし、石灰で処理されたばかりの場所だった。

再び赤旗が掲示され、そのまま予選が終了。パドックに運ばれてきたマシンにすぐ多くのひとだかりができる。ただでさえ目立つのに、クラッシュしたとあって注目度はさらに上昇。

クラッシュのダメージは想像以上に大きかった。とくにガードレールに強くヒットした左フロント周りがひどい。バンパー、フェンダー、ヘッドライトは、誰が見ても完全にアウト。しかも、ホイールアーチとタイヤが干渉していて、このままでは動かせない状況だ。これ、直るのか…? というか、市嶋サンだいじょうぶ?

あさっての方向を向いてしまった左リヤタイヤ。「NSXって4WSだったっけ?」などと冗談を言ってる場合じゃない。サスアーム類が折れてしまっていることは明らかだ。

「フロントタイヤがオイルに取られたというより、Rコーナーに進入するときから、ちょっと挙動がおかしかったんだよね。で、最終的に4輪スライド状態になってガードレールにドカン! といっちゃったわけ。まぁ、これくらいのダメージなら決勝までに直せると思うよ。あ、ボクのカラダは問題ないからね」とのことだ。

NSX-Rを所有する強力な助っ人が登場!

マシンを直すといっても、パーツがなければ始まらない。スペアを持っているわけではないし、一体どうするのか? と思ってたら「ウチからNSX-Rを買ってくれたお客サンが香港にいるんだけど、彼に連絡したら“必要なパーツをボクのNSX-Rから外して持っていくんで使って下さい”と快く協力してもらえて。これでパーツの問題はクリアになった、と。だいじょうぶ、決勝はちゃんと走れるから」と市嶋サン。すばらしい!!

マシンをピットに運び込んで、早速各部のチェックを行う。フロント周りはバンパー、左フェンダー&ヘッドライトの交換に加え、ホイールアーチの修正も必要。また、アームが折れた左リヤサスを全交換して、ドアパネルとリヤフェンダーも鈑金しなければならない。

夜10時。必要なパーツ一式が香港から届けられた。あとは時間との戦い。城本メカ、佐藤メカだけでなくマン・オートパーツのスタッフも総出で作業を行う。

バンパーやフェンダーを取り外し、タイヤに食い込むほど変形していたホイールアーチの形状をハンマーで叩きまくって修正。幸いにも、サスペンションは無事だったようだ。

タイヤを外してみると、ナックルのリヤ側ジョイント部が破断していた。まさにポッキリ折れた感じで、クラッシュ時の衝撃の大きさも分かるというものだ。

ロワアームのナックルが差し込まれる部分も変形。一部がめくれ上がって、すでに真円ではなくなっている。「うーん…左リヤサスは全交換ですね」と城本メカ。

右が使いモノにならなくなったナックル、左がお客サンのNSX-Rから取り外して持ち込まれた左リヤサス一式。現地であっという間にパーツを調達してしまうのがスゴイ。

決勝のスターティンググリッドに並べるため、懸命に修復作業を行う城本メカと佐藤メカ。ひとまず走れる状態にまでなったのは、決勝が数時間後に迫った午前4時すぎだった。

QUALIFYING結果

予選結果は総合9位、クラス5位。トップ2台のタイムはズバ抜けているけど、3位以下はキレイに1秒間隔で並び、決勝での激しい争いが予想できる。また、下位のマシンで順位がついてないのは“各クラスでトップから110%以内のタイムを出せないと予選落ち”というレギュレーションがあるから。ただし、嘆願書の提出によって各マシンとも決勝進出を果たした。

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