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機能優先のデザインがカッコイイ! 国産クラシックSUV5選

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機能優先のデザインがカッコイイ! 国産クラシックSUV5選

■昭和の時代に誕生した国産クロカン車を振り返る

 ここ数年で世界的に人気が高まったクルマといえばSUVです。とくにステーションワゴンやコンパクトカーに近いドライビングフィールのクロスオーバーSUVが爆発的に増えています。

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 そんなSUVの原点はピックアップトラックをベースにしたステーションワゴンタイプのモデルや、本格的なクロスカントリー4WD車(以下、クロカン車)です。

 トヨタは日本時間の2021年6月10日に、14年ぶりに刷新された新型「ランドクルーザー」を発表しましたが、国産メーカーは古くからクロカン車を数多く輩出しており、それらのクルマは現在も世界中で活躍しています。

 今ではクロカン車も広義のSUVに含まれ、国内モデルは以前と比べて減ってしまいましたが、一定の人気を保っている状況です。

 そこで、1960年代から1970年代に登場した魅力的な国産クロカン車を、5車種ピックアップして紹介します。

●三菱「ジープ」

 クロカン車の源流は第二次世界大戦で使用された軍用車ですが、まさにそんなルーツを持つのが三菱「ジープ」です。

 ジープは米軍の軍用車を1953年に三菱がノックダウン生産したことから始まり、1956年に民生用として発売されました。

 ボディバリエーションはソフトトップのオープンタイプを基本にメタルトップのバンタイプがあり、ホイールベースはショート、ミドル、ロングに分かれ、トラックと同様の頑丈なラダー(はしご型)フレームにボディを架装する構造です。

 ジープのアイコンともなっているのがフロントフェイスで、特徴的な縦格子の鋼板プレス製グリルに丸目2灯ヘッドライトはシリーズ共通となっています。

 足まわりはストローク量の長い前後リーフスプリングのリジッドアクスルを採用し、悪路での優れた路面追従性と高い耐久性を両立。

 エンジンは直列4気筒のガソリンとディーゼルが設定され、歴代モデルでは複数の排気量が用意されるなどさまざまなニーズに対応し、最終型では2.7リッター直列4気筒のインタークーラー付きターボディーゼルが搭載されました。

 また、快適装備というとヒーターとラジオくらいでパワーステアリングも設定されておらず、乗り心地や静粛性、高速性能は考慮されずオフロード性能にのみに特化していました。

 そして、1990年代の終わりに、排出ガス規制や衝突安全基準の強化への対応が困難なことから生産終了が決定され、1998年に「最終生産記念車」を発売したのを最後に、ジープは一度もフルモデルチェンジすることなく長い歴史に幕を閉じました。

●スズキ「ジムニー」

 現在、軽自動車では唯一無二のクロカン車であるスズキ4代目「ジムニー」は、日本のみならず世界的(「ジムニーシエラ」に相当するモデル)にも高い人気を誇っています。

 その始祖である初代ジムニーは、1970年に誕生しました。ラダーフレームにボディを架装し、同社の軽トラック「キャリイ」のものをベースとしたエンジンを搭載。

 乗車定員は3名、最大積載量250kg(2名乗車時)の商用車登録で、当初はオープンモデルのみでしたが、マイナーチェンジでバンが追加されます。

 空冷2サイクル360ccの2気筒のエンジンは最高出力25馬力ですが、2サイクルエンジンならではの太い低速トルクと車重600kgと軽量な車体だったため、街中や山道では十分なパワーでした。

 トランスミッションは4速MTのみとされ、パートタイム式4WDシステムを介して、16インチと大径のラグタイヤ(悪路用タイヤ)を駆動します。

 また、初代ジムニーはオプションでPTO(パワー・テイク・オフ)装置が装備でき、エンジンの出力を外部に供給することで、ウインチやポンプ、農業用機械などを動かすことが可能でした。

 サスペンションは耐久性の高いリーフスプリングを採用した前後リジットアクスルで、乗り心地よりも信頼性を重視。

 高い悪路走破性から土木・建設の測量や林業のパトロール、山間地での荷物の運搬など、さまざまな状況下で使える「プロの道具」として高い評価を得るだけでなく、手軽にアウトドアを楽しめるレジャーカーとして、一般ユーザーにも人気となりました。

 なお、コンセプトや基本的なメカニズムのレイアウトは変わらず、現行モデルの4代目にも受け継がれています。

●トヨタ「40系 ランドクルーザー」

 前述のとおり、トヨタが誇るクロカン車であるランドクルーザーの最新モデルが発表されましたが、その始まりは1951年に誕生した「ジープBJ型」です。

 その後、車名をランドクルーザーに変え、1960年に誕生したのがジープBJ型から数えて3代目にあたる「40系 ランドクルーザー」です。

 ボディバリエーションはホイールベースによってショート、ミドル、4ドアロングに分けられ、オープンタイプとメタルトップの車体を設定。海外向けではさらにロングホイールベース化されたピックアップトラックもラインナップされました。

 ボディ構造はラダーフレームにボディを架装して、高い強度と耐久性を誇り、外観では大きく張り出した左右のフロントフェンダーが特徴的です。

 搭載されたエンジンは、発売当初は3.9リッター直列6気筒ガソリンのみで、1973年に3.6リッター直列6気筒ディーゼルエンジン、1974年には3リッター4気筒ディーゼルエンジンを追加し、幅広いニーズに対応。

 40系 ランドクルーザーは1984年まで24年間も生産され、今も「ヨンマル」や「Forty(フォーティ)」のニックネームで呼ばれるなど、クラシックSUVのなかでも人気のモデルです。

■現在まで続くステーションワゴン系SUVの元祖とは?

●日産「パトロール」

 かつて日産は、国内で本格的なクロカン車である「サファリ」シリーズを販売していましたが、2007年に国内販売を終えています。

 このサファリの前身が1951年に誕生した初代「パトロール」で、外観は三菱ジープと非常に近いモデルでした。

 そして1960年に外観を一新した2代目が登場。ホイールベースが2200mmのショートボディと、2500mmのロングボディがあり、ソフトトップ、ハードトップ、バン、ワゴンと多くのバリエーションを展開しました。

 構造は他のクロカン車と同様にラダーフレームと前後リーフリジッドサスペンションとし、レバー操作で2WDと4WDを切り替えるパートタイム式を採用。

 エンジンは4リッター直列6気筒OHVガソリンのみで、最高出力は130馬力と平凡ですが最大トルクは30kgmと十分にトルクフルです。

 2代目パトロールは、1960年の登場からサファリがデビューする1980年までの20年間生産された、超ロングセラーモデルでした。

 なお、現在も海外専用モデルのクロカン車にパトロールの名は使われており、日産車のなかでも、もっとも長く引き継がれている車名です。

●スバル「レオーネ エステートバン4WD」

 SUVにはいくつかのタイプが存在しますが、ステーションワゴンをベースにしたSUVの先駆者となったのがスバル「レガシィ アウトバック」です。

 北米で1994年にスバル「アウトバック」の名で発売されるとヒット作となり、いまでは世界各国のメーカーも同様のモデルを展開しています。

 このアウトバックのさらに先祖といえるモデルが「レオーネ エステートバン4WD」で、1972年に誕生しました。

 その誕生までの経緯は、1971年に東北電力から巡回用に乗用車タイプの4WD車がほしいとのリクエストが発端で、スバルは「ff-1・1300Gバン」をベースにしたバンタイプの4WD車を開発。

 僅かな台数が生産されたff-1・1300Gバン4WDの技術を応用して開発されたのがレオーネ エステートバン4WDで、軍用車の流れを汲むクロカン車とは異なる世界初の量産乗用4WD車といわれています。

 レオーネ エステートバン4WDは悪路走破性を重視しており、最低地上高を210mmに設定。一方でモノコックシャシにサスペンションはフロントがストラット、リアがセミトレーリングアームの4輪独立懸架とするなど、乗り心地や走行安定性を考慮していました。

 エンジンは77馬力を発揮する1.4リッター水平対向4気筒OHVを搭載し、トランスミッションは4速MTのみ。駆動方式はパートタイム式4WDです。

 積雪地帯や山間部の生活の足としてレオーネ エステートバン4WDは人気となり、まさに後の「生活四駆」や、悪路走破性が高いクロスオーバーSUVのルーツといえるモデルです。

※ ※ ※

 前述のとおり今も北米で人気のアウトバックですが、国内向けはすでに生産を終えてしまいました。

 この北米向けアウトバックに、2021年3月30日、オフロード性能を高めた新バージョンの「アウトバック ウィルダネス(Wilderness)」が登場しました。

 最低地上高は標準モデルの8.7インチ(約220mm)から9.5インチ(約240mm)まで高められ、オフロードタイヤを装着。外装も実用的かつワイルドさを強調するパーツでドレスアップされるなど、かなり本格的なオフロード車といえます。

 残念ながら日本での販売はまったくの未定ですが、SUV人気が高い今ならかなり人気となりそうです。

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