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6輪のF1マシン「タイレル・P34 フォード」は1976年に富士を走った個体だった

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6輪のF1マシン「タイレル・P34 フォード」は1976年に富士を走った個体だった

富士スピードウェイ開催のレース終了後にタミヤが購入

1967年に登場したホンダRA273を筆頭とするF1GPマシンや各種のレーシングカー、クルマやバイクといったプラモデルやラジコンカーラインアップする総合模型メーカーのタミヤ。オートモビルカウンシル2025では、1976年のティレルP34 フォードを展示していました。車両の詳細についてお伝えします。

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空気抵抗の低減を目指すために採用したが…

この車両は1976年に富士スピードウェイにおいて、日本で初めて開催されたF1GPレース(本来ならば日本GPを名乗るべきだったが、すでに国内トップフォーミュラだった全日本F2000選手権の最終戦に日本GPのタイトルが懸けられており、こちらはF1世界選手権 in Japanのイベントタイトルで開催された)。

パトリック・デパイユのドライブで出走し、マリオ・アンドレッティのロータス77 フォードに続いて2位に入賞した個体(シャシーナンバーP34/3-2)そのものをタミヤが展示した。チーム名を「たいれる」、ドライバー名もジョディ・シェクターは「しえくたあ」、デパイユは「どぱいえ」とするステッカーをカウルに貼付して表記したことが注目された。現在でもタイレルと記憶しているオールドファンも少なくないとか。

それはともかくティレルP34 はF1GP史上初、そして史上唯一の6輪車。発表当初は前4輪機構を揶揄するような論評も見受けられたがデビュー2戦目でシェクターが4位入賞を果たした。4戦目となるスウェーデンGPではシェクターからデパイユのオーダーで1-2フィニッシュを飾ったことから評価が高まっていった。

当初は、フロントホイールを小径の4輪化することで空気抵抗の低減を目指すために採用した。しかし、後輪が大径のままであり期待したほど空気抵抗は低減しなかったようだが、前輪の4輪化は制動力がアップして、コーナリング性能も向上したようだった。

翌年は、さらなる空気抵抗の低減を目指してカウルワークを変更した後期モデルが登場。エンジンルームまでカバーしたことで空気抵抗は低減し最高速は伸びたが、小径のフロントタイヤのタイヤ開発が進まず、デビューシーズンほどの好成績は残せていない。一方、初年度の活躍からマーチやウィリアムズでも6輪車(ともに前2輪/後4輪)のテストを行ったが、いずれも実戦参加は果たせず、1983年には車両規定が改正され「車輪は4輪まで」と明文化されて6輪車は禁止されることになった。

購入した個体を参考に1/20スケールを製作

そんなティレルP34/3-2は、1976年の富士スピードウェイでのレース終了後にタミヤが購入。ティレル本社に取材を重ねるとともに、この個体を参考にしてタミヤのヒット作となる1/20スケールのグランプリコレクションの第1弾として、1976年モデルがタイレルP34シックスホイーラーとして登場。それ以降も1977年の後期モデルも含めて、いくつかのGPレース仕様をモデルにグランプリコレクションとして販売されている。

さらにスケールを変えての商品も登場するなど、ティレルP34(当初はタイレルP34)はタミヤのF1GPマシンのラインナップで重要なポジションを占めている。今回のブースでは、1976年式ティレルP34 フォードをメインに据えながら、その周囲には各種スケールで各種仕様の、バラエティに富んだティレルP34が、文字どおり“脇を固める”演出が見られた。

もうひとつ、展示で気になったのはパーツを並べるパーツパネルコレクション。これまでに2輪のロードレーサーではいくつか商品化されているが、今回のオートモビルカウンシルでは1976年のF1GP最終戦、富士仕様でのパーツパネルコレクションとして展示されていたこと。どうやらタミヤはこちらの製品化も進めている、との情報も漏れ聞こえてきた。F1GPのオールドファンやティレル・マニアなら絶対に手に入れたい逸品となるはず。期待して続報を待ちたい。

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