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フルサイズ・ピックアップもEVに フォードF-150 ライトニングへ試乗 580psで515km

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フルサイズ・ピックアップもEVに フォードF-150 ライトニングへ試乗 580psで515km

ツインモーターの四駆で0-100km/h加速4.3秒

まず初めに、スペック表をご覧頂きたい。今回試乗したバッテリーEV(BEV)のフォードF-150 ライトニングは、どの数字を見ても従来のフルサイズ・ピックアップトラックとは一線を画している。

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最高出力は580psもあり、最大トルクは106.9kg-mと極太。車重は2989kgで、ほぼ3tだ。価格は8万5974ドル(約1220万円)と、こちらも桁違いに高い。

欧州や日本で一般的なピックアップトラックより、間違いなくサイズも大きい。全長は5910mmで、全幅は2032mm、全高は1988mmもある。

巨大なミラーを広げると2.4mを超えてしまうから、島国の一般道を気ままに運転できるクルマとはいえないだろう。アクセルペダルも優しく踏む必要がある。

既に北米で販売が始まっているF-150 ライトニングには、2バージョンが存在する。標準グレードとなるのがスタンダードレンジで、452psと106.9kg-mを発揮する。今回試乗したのは、パワフルな方のエクステンデッドレンジだ。

どちらもツインモーターの四輪駆動となり、最高出力の違いはあまり感じにくい。エクステンデッドレンジの場合、0-100km/h加速を4.3秒でこなせる。ちょっとしたスーパーカー級のダッシュ力といえる。

豪華なSUVに近いインテリア

驚異的なトルクが、アクセルペダルを傾けた瞬間から発生するが、BEVらしく扱いやすい。ボディサイズに慣れて、充分な道幅があれば、思いのほか簡単に運転できる。

商用目的で利用されるクルマとしては、ステアリングのレシオはクイック。ラダーフレームの上に載る大きなボディを軽快に操れる。手のひらへ伝わる感触は薄いけれど。

リアサスペンションには独立懸架式を採用するものの、乗り心地は先進的とまではいえない。特に広大な荷台が空の時は。SUVなら何事もなく通過できる路面の凹凸でも、F-150ライトニングはボディを揺らす。

ダッシュボードには、クロスオーバーBEVのフォード・マスタング・マッハEと共有する、縦長の巨大なタッチモニターが鎮座している。試乗車はラリアットと呼ばれる上級グレードで、内装素材にはリッチ感が漂う。

ボディは間違いなくピックアップトラックだが、5シーターのインテリアは豪華なSUVに近い。雑用をこなす実用車的な雰囲気ではない。

とはいえ、数十年も北米のベストセラーであり続けるフォードのピックアップとして、現場仕事にも問題なく使える。内燃エンジン・モデルとは異なる能力も隠し持っている。

航続距離515km 求める仕事を不満なくこなす

ラダーフレームの中央に搭載される駆動用バッテリーの容量は、131kWhもある。たくましい走りのエネルギー源というだけでなく、電動工具の電源にもなる。それを前提に、コンセントが各部に設けられている。

フロントのボンネットを開くと400Lの荷室があり、リアの荷台に積むボックスの代わりになる。テールゲートは電動で開閉もする。もし災害で停電しても、走る蓄電池として外部給電することも可能だ。

F-150 ライトニングが、英国や日本の道では大きすぎることは間違いない。しかし、このサイズの中型トラックとして考えれば、少しワイドだとはいえ、求める仕事を不満なくこなせる能力は備えている。

航続距離は515kmがうたわれる。駆動用バッテリーの電気でチェーンソーを動かしたり、荷物を積んだトレーラーを引っ張れば、もちろん走れる距離は短くなるだろう。どの程度影響があるのかは、試してみなければわからないが。

106.9kg-mの最大トルクを活かし、最大4.5tまでトレーラーを牽引できる。牽引時のドライバーを走行中に助けてくれる、トレーラーアシストと呼ばれる機能も備わる。多彩な運転支援システムの1つとして。

北米のBEV市場で存在感を示すことに成功

フルサイズのピックアップトラックが、英国へ正規に輸入される可能性は低いだろう。テスラがエッジの立ったサイバートラックを提供しようというアメリカでは、より現実的な選択肢になる。能力を存分に楽しむこともできる。

フォードはBEVの先駆者というわけではなかったが、F-150 ライトニングの登場で大きく存在感を示すことに成功した。アメリカ市場へ与える影響は、小さくなさそうだ。

フォードF-150 ライトニング・ラリアット・エクステンデッドレンジ(北米仕様)のスペック

英国価格:8万5974ドル(約1220万円)
全長:5910mm
全幅:2032mm
全高:1988mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:4.3秒
航続距離:514km
電費:−
CO2排出量:−
車両重量:2989kg
パワートレイン:ツインAC永久磁石モーター
バッテリー:131kWh
急速充電能力:−
最高出力:580ps
最大トルク:106.9kg-m
ギアボックス:シングルスピード

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みんなのコメント

3件
  • アメ車ってほんとパワー重視だよね。
    アメリカンマッスルはEVでも健在って感じ。
  • EVに変われば日本でも販売が進む。 ガソリン車だとハイオクを湯水の如く消費されるため拒否される。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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