「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、アウディ RS5だ。
アウディ RS5(2010年)
アウディを代表するミドルセダン、A4のクーペバージョンとしてA5がデビューしたのは2007年。そのA5をベースに、4.2LのV8エンジンを搭載した高性能プレミアム スポーツクーペ「RS5」が、いよいよ日本にもやって来た。
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アウディの高性能車製作部門である、子会社のクワトロ社(編集部註:現在はアウディスポーツ社)が手がけたRS5は、ハニカムメッシュのフロントグリルやエアインテークが大型化されたバンパー、速度感応式のリアスポイラーなどがA5との識別点だが、いかにもアウディの高性能マシンらしく、これ見よがしなエアロパーツなどは装着されていない。
注目すべきは、パワートレーンだ。S5用のものを徹底的にチューンした4.2LのV8 FSIエンジンは、ピストンもコンロッドも、そしてクランクシャフトも素材から異なる。テーマは軽量化と高出力。4163ccのV8エンジンとしては異例の216kgという軽量値を達成しながら、12.3の高圧縮比とコモンレールユニットによる120バールの高燃圧で、最高出力450psと最大トルク430Nmを発生する。
最高許容回転数も8500rpmに上げられ、とくに4000~6000rpmで最大値を発生するトルク特性は圧巻だ。アクセルペダルを踏んだ瞬間、わずかな振動を伴いながら1810kgの車重を感じさせない豪快な加速を開始する。
V8エンジン+Sトロニックはアウディ初の組み合わせ
エンジン出力やシフトポイント、ステアリング特性を変える「ドライブセレクト」をダイナミックにセットすると、アクセルペダルを踏みこんだ時の咆哮は豪快で、しかも快感もの。もちろんコンフォートにセットしておけば、プレミアムなグランドツアラーとしての姿を見せる。
たとえばコンフォートで5速 60km/h走行している時にダイナミックに切り替えると、一気に3速まで落ちる。この二面性こそがRS5を大人のプレミアムクーペに仕立て上げているといってもいいだろう。トランスミッションはパドルシフト付き7速SトロニックのDCTに進化して、10・15モードで7.8km/Lの燃費達成に寄与している。
サスペンションのセッティングもRS5専用だ。乗り心地は一般的なレベルで言えば、もちろん硬め。とはいえ低速で走っていても不快な突き上げは少なく、とても19インチの35偏平タイヤを履いているとは思えない。
ハンドリングは素直に尽きる。ステアリングを切り込んだ瞬間、ノーズがスッとインに入っていくのは、エンジン軽量化で重量配分を最適化したことに加え、後輪へのトルク配分を85%まで増やした新クワトロ4WDシステムに負うところも大きい。これに後左右輪のトルク配分を制御するスポーツデフが組み合わされているから、コーナー立ち上がりのトラクションは強烈だ。
このRS5、残念ながら日本への導入は100台。車両価格は1204万円なり。となれば、オーナーになる幸運を射止められる人は、ごくわずかなのである。
■アウディ RS5 主要諸元
●全長×全幅×全高:4650×1860×1375mm
●ホイールベース:2755mm
●車両重量:1810kg
●エンジン種類:V8 DOHC
●排気量:4163cc
●最高出力:331kW<450ps>/8250rpm
●最大トルク:430Nm<43.8kgm>/4000-6000rpm
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:フロント縦置き4WD
●10・15モード燃費:7.8km/L
●タイヤ:265/35R19
●当時の価格<税込み>:1204万円
[ アルバム : アウディ RS5 はオリジナルサイトでご覧ください ]
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