コロナ禍 派手な新車情報が相次ぐ
text:Kenji Momota(桃田健史)
【画像】マスタング・マッハ1とは何者か? 過去にもあった【歴代モデルを比較】 全65枚
日本市場向けでは、トヨタ・ハリアーやダイハツ・タフトが、今年(2020年)6月の発売を前に人気が上昇している。
ハリアーについては6月上旬にサーキットでのプロトタイプ試乗会が開催され、ネット上には関連記事が多数見受けられる。
こうした足元での量産の動きとは別に、5月後半になって、今年秋以降での発売予定の新型車関連ニュースも増えてきた印象がある。
例えば、レクサスはISのティザー画像を公開し、6月10日にはオンラインでのビックマイチェンと見られる発表が行われる。
トヨタでは、9月発売予定のGRヤリスに関するラインナップの全容が明らかになった。
そのほか、フォードがマスタングに往年のマッハ1復活を公表した。
いずれも、新型コロナウイルス拡大の影響が感染者数や感染者数の増加率の上でピークを過ぎたとの報道がなされ、それにより社会活動が再開に向けて動き出したタイミングでの発表となっている。
各モデルとも、当初計画していた発表のスケジュールからは大幅に遅れており、世の中の流れを鑑みて、同じようなタイミングになったといえる。
別の見方をすると、これら3モデルには共通点があるように思える。
そこには、世界的な市場回復に向けたメーカー各社共通の思惑があるのではないだろうか。
最近デビューしたモデル 三車三様
では、3モデルそれぞれについて見ていこう。
レクサスIS
レクサスISは7年ぶりのモデルチェンジとなるが、フルモデルチェンジなのか、それともビックマイナーチェンジなのか?
どちらにしても、新ISの方向性としてはさらに尖ったセダンで間違いない。
ISは第二世代以降、GSと顧客がかぶり始め、さらに新型ESにISから顧客が流れるようになった。GS廃止決定を受けて、ISの使命は走りのパフォーマンス性のさらなる進化に他ならない。ISは次世代レクサスの攻めの姿勢の筆頭だ。
トヨタGRヤリス
GRヤリスは、トヨタの企業としての攻めの姿勢を象徴する逸品だ。
トヨタとして、実戦を踏まえたハイパフォーマンス量産車の在り方を、豊田章男社長らトヨタ幹部がかなり前から検討していたふしがある。
そうした考え方が加速したのは、スバル(当時の富士重工)と共同で86/BRZの製品企画を本格化させたころだといえる。
2015年の東京モーターショーでは、豊田社長がスバルブースを訪れ、STIのコンプリートカーS207の前で開発担当者と話し込んでいた。
実戦で培われた技術ブランドについて、スバルのモノづくりの姿勢を讃えていた。
この時すでに、世界戦略車ヤリスによるWRC復活は決まっており、つまりはGRヤリスの基本構想もあったに違いない。
次に、マスタング・マッハ1だ。
リーマンショック後と同じ攻め方か?
マスタング・マッハ1は1969年に導入された、当時のトップグレードだ。
現行マスタングでは、シェルビーGT350R/GT500など超ハイパフォーマンス系がカタログモデルとしてラインナップしている中、マッハ1はマスタングのヘリテージ(実績に基づく歴史)を象徴するために導入が決まった。
最近のマスタングといえば、EVのマッハeに注目が集まっており、フォードとしてはマスタングというブランド全体の中で、様々な形ので尖った商品揃えを進める意向だ。
こうしたIS、GRヤリス、そしてマッハ1に対して、メーカーとしてはリーマンショックの後と同じような展開になれば……という期待があるのではないだろうか。
2008年、アメリカを震源として世界へと広がった緊急危機(日本でいうリーマンショック)で、アメリカ市場は1700万台規模から1000万台規模へと一気に落ち込んだ。
そこから立ち直る際、最初に需要が戻ってきたのが、富裕層が支持するプレミアムブランドやハイパフォーマンス系モデルだった。
このパターンが、ウィズコロナでも起こり得ると、メーカー各社が考えるのは自然なことだと思う。
ただし、ここへきて、人種差別に関する住民運動が全米規模に拡大しており、アメリカを中心とした経済回復のシナリオが変わる可能性もある。
3モデル もう1つの共通点がある
視点を変えると、今回取り上げた3モデル登場の時期について、いまがハイパフォーマンス系モデルの大きな時代の変わり目だ、といえるかもしれない。
IS、GRヤリス、マッハ1は、世の中のスーパーカーとは異なり、庶民でも少し背伸びをすれば手が届く価格帯にある。
本来、ハイパフォーマンスカーは、スカイラインGT-R/インプレッサWRXランサーエボルーションなど大衆車をベースに開発されることが多かった。
この法則に、GRヤリスとマッハ1は当てはまる。
また、ISもレクサスとしてはエントリーセダンモデルであり、トヨタ車との部品共有性も高く、特にFシリーズがハイパフォーマンス系となる。
こうした領域のハイパフォーマンスカーは、ユーザーにとってコスパが高いが、メーカーにとしてはどうせ販売台数があるていど限られているなら、いまの時代、もっとハイグレードなスーパーカー級の方が収益性が高いと考えるだろう。
さらに、パワートレインの本格的な電動化の波は避けようにない。ISも近い将来、UXのようにEV化されても不思議ではない。
いまが、時代の変わり目なのか?
コロナ禍で、自動車産業界はこれから、様々な市場の変化に直面する中、IS、GRヤリス、マッハの動向に注目していきたい。
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みんなのコメント
リアの写真出てるけど、左右のランプの間をLEDで繋いだだけかも…
あとは、現行のブサイク顔がどう修正されるかだね。
サイズだけGSに近づけようと、前後のオーバーハング伸ばしたりしたら観るも無残になるけど…大丈夫かな?