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オールシーズンタイヤは「万能タイヤ」!? その実力をスタッドレスと比べてみた

■今シーズンに増してきたオールシーズンタイヤの存在感

 今シーズン(2019年-2020年冬季)、日本でも「オールシーズンタイヤ」というジャンルの商品に注目が集まっています。

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 オールシーズンタイヤとは、その名のとおり「オールシーズン(すべての季節)」で使用できるタイヤ、ということで、春/夏/秋の路面に加え、冬の雪道も走行できる性能を持っています。ヨーロッパを中心に、いま人気が高まっているジャンルになります。

 2010年から、ドイツをはじめとした欧州各国で、法律により冬季に冬タイヤ装着を義務付けられたことをきっかけとして、その需要が高まりました。2010年には需要が約300万本だったのに対し、2017年には約1500万本と、すでに市場規模は5倍以上に達しています。

 オールシーズンタイヤには、「スノーフレークマーク」という、欧州で冬用タイヤとして認証されたマークが刻印されています。オールシーズンタイヤはスタッドレスタイヤと同様「冬用タイヤ」として、日本の冬用タイヤ規制時にも走行することが可能です。

 オールシーズンタイヤの歴史は以外に古く、1977年にグッドイヤーがオールシーズンラジアルタイヤ「ティエンポ」を北米で発売しています。日本では2008年から、グッドイヤーが「ベクターフォーシーズンズ」を発売していましたが、これまではそれほど一般ドライバーに認知されていませんでした。

 昨シーズン(2018年-2019年シーズン)までは、このグッドイヤー「ベクターフォーシーズンズ」、ミシュラン「クロスクライメート」、ファルケン「ユーロウインターHS449」、そしてグッドイヤーのSUV用「アシュアランス ウェザーレディ」が日本で展開されていました。

 今シーズンはさらに、トーヨータイヤのSUV用「セルシアス」、住友ゴムがダンロップブランドで出した「オールシーズンMAXX(マックス)AS1」、そして横浜ゴムの「ブルーアース4S AW21」と、最大手のブリヂストンを除いた国産メーカーから、相次いでオールシーズンタイヤが登場しました。そのブリヂストンも、一部の店舗でテスト販売をおこなっているようです。

 横浜ゴムの担当者によると「2019年10月から11月にかけて開催された東京モーターショーのヨコハマブースで、このブルーアース4Sを展示しましたところ、来場者の方々からひっきりなしにご質問やご意見をいただきました。一般ドライバーの方々も、オールシーズンタイヤに関心が集まっていることを実感しました」とのことでした。

※ ※ ※

 オールシーズンタイヤとは、はたして「1年中タイヤ交換がいらない万能なタイヤ」なのでしょうか。スタッドレスタイヤとはどう違うのでしょうか。

 今回、北海道旭川市にある横浜ゴムの「北海道タイヤテストセンター(Tire Test Center of Hokkaido=TTCH)」にて、冬用タイヤ勉強会が開催され、スタッドレスタイヤ「アイスガード6 iG60」と、オールシーズンタイヤ「ブルーアース4S AW21」を比較試走する機会がありました。

■スタッドレスタイヤとオールシーズンタイヤ、スノー/アイス路面で乗って比較した

 まずはスノー路面を走行します。試走したときの気温はマイナス6.7度で天候は曇り。前日から降った雪のため、路面は圧雪の上にふかふかとした新雪が積もっている状態です。

 最初にスタッドレスタイヤであるアイスガード6を装着したプリウスで走行します。タイヤサイズは195/65R15 91Qです。

 当然ですが、雪道では何の苦労もなく止まり、そして曲がります。ESCをカットして走っても、横方向の滑りが穏やかでコントロール性も高く、安心してドライビングが可能です。

 次に、オールシーズンタイヤのブルーアース4Sを装着したプリウスに乗り換えます。タイヤサイズは195/65R15とアイスガード6と同じですが、91Hとロードインデックスと速度レンジが異なります。
 
 スノー路面では、スタッドレスタイヤと遜色のない走りを見せます。とくに横方向のグリップが高く、パイロンスラロームでのフィーリングもほとんどスタッドレスと変わりません。直進時でのブレーキングやゼロ発進時の前後方向のグリップは、若干スタッドレスのほうが上に感じられましたが、それでもほぼ思いどおりに制動/駆動します。

 ただ、問題はここから。アイス路面に場所を移して走行したとき、オールシーズンタイヤの弱点が明らかになりました。

 スタッドレスタイヤ装着車の場合、20km/hで進入し氷盤路面でブレーキを踏むと、ABSの作動とともにギュギュギュッと鳴きながら、だいたいブレーキを踏んでから8mくらいの距離で止まります。停止からの発進も、タイヤが滑りながらもグリップして加速していきます。

 オールシーズンタイヤは、ブレーキを踏んでもツーっと滑っていきます。ABSの介入も遅く、なかなか止まりません。同速度でアイス路面に進入しても、感覚的にはスタッドレスの倍以上滑っていく印象で、イメージした場所で止まらない「怖さ」も感じます。また停止からの発進も難しく、さらに加速してからハンドルを切っても、横方向には曲がっていかずにクルマはまっすぐに進んでいきました。

※ ※ ※

 このように、オールシーズンタイヤはけっして「1年中、どんな路面でも走れる万能タイヤ」ではなく、アイス路面では止まらないという大きな弱点を持っています。

 北海道や東北、日本海側の、毎年必ず雪の降る地域に住んでいる人には、当然、冬季にスタッドレスタイヤの装着が必要になります。

 だからといって「オールシーズンタイヤは都会に住むユーザー向け」と断定するのもまた、違います。都心でも、一度雪が降ってしまうと、日の当たりにくい路地などでは1週間くらいアイスバーンになってしまう道もあります。そういう道路の近く、とくに坂の多いところに住むドライバーには、オールシーズンタイヤはオススメできません。

 ただし、オールシーズンタイヤには「1年中履き替えがいらない」というメリットもあります。とくにマンションに住む人にとっては、交換したタイヤを保管する場所がいらないということは魅力的です。履き替え時の手間やお金もかかりません。

 現状、非降雪地域に住むドライバーで、冬もサマータイヤを履いたまま過ごしている人が多いことを考えれば、オールシーズンタイヤを選んだほうが安全ということも言えます。

 また降雪地域に住むドライバーも、サマータイヤの代わりにオールシーズンタイヤを選択するという方法もあります。そうすると、スタッドレスタイヤからサマータイヤに履き替えた直後に雪が降って困った、ということもなくなります。

※ ※ ※

 注目が集まっているとはいえ、まだ一般的にはあまり知られていないオールシーズンタイヤ。ひとことでオールシーズンタイヤといっても、商品によってサマータイヤ寄りなのか雪道性能重視なのかがあるのもまた、難しいところです。

 たとえばミシュラン・クロスクライメートのキャッチコピーは「雪も走れる夏タイヤ。天候を問わない走り、買い替え時まで続く安心感」。ダンロップ・オールシーズンMAXXは「急な雪にも慌てない 長持ち夏タイヤ」と、サマータイヤとしての性能を全面にアピールしています。

 対してヨコハマ・ブルーアース4Sは「雪に強いオールシーズンタイヤ」、グッドイヤー・ベクターフォーシーズンズは「四季を通じて安定した走りを可能にする、オールシーズンタイヤ」となります。

 タイヤは、バランスの商品です。それぞれの商品にそれぞれ特徴があります。それはオールシーズンタイヤだけでなく、スタッドレスタイヤも、そしてサマータイヤも同様です。

 決してカー用品店や自動車ディーラーだけにまかせるだけでなく、自分のカーライフをよく考え、メリット・デメリットを見極めた上で、タイヤを選びたいところです。

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