5月9日(木)から12日(日)にかけて、2024年のWRC世界ラリー選手権の第5戦として『ラリー・ポルトガル』が開催される。
第4戦クロアチア・ラリーから3週間が経ち、第11戦ラリー・チリまで続くグラベルラリー(未舗装路)連戦の最初の大会である『ラリー・ポルトガル』の開幕が近づいてきた。今大会は、1973年のWRC初年度からシリーズに含まれてきた歴史あるイベントだ。高速域と荒れた路面の両方で実力が試される第5戦を前に、各陣営からドライバーたちの声が届いている。
グラベルのWRCポルトガルにトヨタが4台エントリー。オジエとロバンペラが今季初の両出走へ
■Mスポーツ・フォードWRT
●アドリアン・フルモー(#16 フォード・プーマ・ラリー1)
「ラリー・ポルトガルは本当に有名で圧巻のラリーなんだ!道路はすべて山のなかにあるのでとても難易度が高いし、通常は気温がかなり高くなって非常に厳しいコンディションになる。マシンにとってもクルーにとっても、本当に過酷だ」
「自分はポルトガルは4回目になるが、ラリーとして本当に気に入っている。とくにジャンプスポットもある“ファフェ”のパワーステージを終えたところを、たくさんのファンが観ているときは最高だ。楽しめる雰囲気を期待しているし、また良い結果を出せるよう願っている」
●グレゴワール・ミュンスター(#13 フォード・プーマ・ラリー1)
「イベント前のテストはうまくいった。先週に二日間のテストを行ったんだ。ポルトガルはサルディニア(ラリー・イタリア)とよく似ている。僕たちは他のライバルたちと比べるとあまり経験がないので、少々トリッキーになるだろう」
「昨年のラリーで、最初のステージでマシンを横転させるという僕の素晴らしいアイデアのせいで、ステージに関する僕たちの知識は不足している。だからポルトガルとサルディニアの両方で多くの経験を積み、自信を持ってシーズン後半のグラベルラリーに進むよう努めていくよ」
■ヒョンデ・シェル・モービスWRT
●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)
「ポルトガルでの成功は、いつも同じ要素にかかっている。一貫性、優れたセットアップ、そして走行中の自信が必要だ。路面コンディションや出走順も、僕たちのパフォーマンスに大きな違いをもたらす。雨が降れば速くなるし、ドライのときは苦戦することになるだろう。誰もがステージを熟知しているからね」
「イベント前のテストではマシンに満足できたし、とても滑りやすいコンディションでもプッシュできるセットアップに集中した。正確なセットは、すべてのコーナーを攻めるのに必要不可欠だが、同時にトラクションも必要だ。僕の目標は、金曜日と土曜日はパフォーマンスを最適化し、日曜日に最大限のポイントを獲得することだ。もちろん表彰台の最上段でのフィニッシュにも集中していくよ」
●オット・タナク(#8 ヒョンデi20 Nラリー1)
「クロアチアを終えて、より過酷なグラベル(舗装路)に戻るのは最高だ。ポルトガルは本当に楽しめるイベントで、とても速いラリーだ。シーズンのこの時期は暖かくなり始めるから、ポルトガルはクルマとタイヤにとって非常に厳しいラリーのひとつだ」
「ステージの1回目はスムーズだが、2回目はとても荒れる。1回目と2回目のループの差が際立っているのは、柔らかい路面が轍だらけになるからだ。すでにイベント前のテストは終わっている。まだやるべきことはあるが、激しくプッシュすることを本当に楽しみにしている」
●ダニ・ソルド(#6 ヒョンデi20 Nラリー1)
「マシンに戻れてとても嬉しい。とくにポルトガルは、ドライバーと観客のどちらにとっても特別なラリーだ。気温やステージの地形の特徴から、特別な挑戦になるだろう。ポルトガルで好結果を出すには、適切なセットアップを行うことが鍵になる。次の週末に激しくプッシュできるよう完璧を期すために、イベント前のテストで多くの作業を行った」
「今シーズンはパートタイム参戦者が多く、とても競争が激しいので面白くなるだろう。この種のグラベルでうまく走るには、出走順も重要な要素になる。後ろの方では、クリーンなラインの至るところで激しいプッシュが見られるだろう。僕の頭にある最終的な目標は優勝だが、この週末はチームのためにできるだけ多くのポイントを獲得したいと願っている」
■TOYOTA GAZOO Racing WRT
●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)
「シーズンは、次々とラリーが続く忙しい時期に突入し、この後しばらくはグラベルに焦点を移して取り組むことになる。ポルトガルはハイスピードで流れるようなコーナーが続くセクションもあり、とてもいいラリーになるはずだが、最近は路面が荒れやすく、とくに金曜日に走行する南側のクラシックなステージの何本かはさらに難しくなっている」
「他のグラベルラリーと同じように、今回も出走順が大きな要素になると思うが、このラリーは天候にも大きく左右されることもある。なので、その時々のコンディションでベストな仕事をすることに集中し、最大限の成果を得られるように努力するのみだ」
●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)
「大好きなラリー・ポルトガルをとても楽しみにしている。ファンがとても多く雰囲気も素晴らしいうえ、ステージのキャラクターもナイスだ。この二年間、ポルトガルでは素晴らしい成功を収めてきたので、自分と相性がとてもいいラリーだと思っているよ」
「もちろん、今年も目標は優勝だが、決して簡単なことではない。トップドライバーたちはみんなステージを熟知しているので、通常ペースは非常に速く、かなりの接戦になるかもしれない。自分たちの出走順は有利に働くと思うけれど、雨が降ると状況が大きく変わる可能性もあるので、天気がどうなるのか注視する必要があるだろう」
●セバスチャン・オジエ(#17 トヨタGRヤリス・ラリー1)
「一年ぶりにポルトガルに戻ることになり、わくわくしている。ポルトガルにはいい思い出がたくさんあるが、ラリーが北部ではなく南部で開催されていた時のほうが、より多くの良い思い出があるように思う」
「とはいえ、ポルトガルの雰囲気はいつだって素晴らしいし、今回も楽しみだよ。自分たちは出走順が不利になることはないだろうし、もしかしたら有利に働くかもしれない。ただ、時々強い雨が降ることもあるので、そう言い切るにはまだ早すぎるかもしれないね。グラベルに出場するのは久しぶりだが、先週は満足のいくテストができたので、ラリー本番が楽しみだよ」
●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)
「これから数戦続くグラベルラリーを楽しみにしていますし、自分にとって良いイベントになるという自信もあります。とくにポルトガルは好きなラリーですし、ステージもよく知っています。また、自分たちのクルマもきっと高い競争力を発揮してくれるはずです」
「このラリーは、多くのジャンプで知られる“ファフェ”のような有名なステージもありますが、石がおおく転がる非常にラフなステージもあり、とくに金曜日のステージはかなり荒れています。それでも、調子が良いようであれば、できる限りプッシュするつもりです。今回はマニュファクチャラー選手権ポイント獲得ドライバーではなく、その点に関してはプレッシャーを感じなくて良いので、ただ速く走り、ベストを尽くすことだけに集中することができます」
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