2月13~16日に行われた2020年WRC世界ラリー選手権第2戦スウェーデンでTOYOTA GAZOO Racing WRTが優勝したことを受け、トヨタ自動車社長である豊田章男チーム総代表がコメントを発表。チームのワークスドライバーをねぎらうとともに、勝田貴元、ヤリ-マティ・ラトバラにも言葉を贈った。
スウェーデンとノルウェーを舞台に争われるラリー・スウェーデンは、本来であればシリーズ唯一のフルスノーイベントだが、2020年は暖冬により雪不足に見舞われたため、例年とは違った景色と路面コンディションのなか争われた。
そんなラリー・スウェーデンには合計で5台のトヨタ・ヤリスWRCが出走。このうちワークスチームの3台ではエルフィン・エバンスが優勝、カッレ・ロバンペラが総合3位、セバスチャン・オジエが総合4位と3台すべてがトップ4に入った。
またTOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムとしてラリー・スウェーデンに臨んだ勝田は、総合9位で完走し、第1戦モンテカルロに続いて2戦連続でのトップ10フィニッシュを飾っている。
そして、今大会にはプライベーターとしてトヨタの元ワークスドライバーであるラトバラも、同じく元トヨタワークスドライバーのユホ・ハンニネンをコドライバーに従えて出場した。
しかし、ラトバラのマシンには競技初日にトラブルが出てしまいリタイア。競技2日目以降に出走することなく、2020年シーズン初戦を終えている。
これらヤリスWRCドライバーに対し、豊田チーム総代表がコメント。ワークスドライバー3名の戦いをねぎらうとともに、勝田とラトバラ、さらには2019年までトヨタに所属していたオット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)にも言葉を贈った。
豊田チーム総代表のコメント全文は次のとおりだ。
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豊田 章男(チーム総代表)
例年とは異なる雪のないスウェーデンで、エバンス/マーティン組が我々の新チームに今季初優勝をもたらしてくれました。エルフィン、スコット、優勝おめでとう。
エルフィンはチーム加入当初、エストニアの工場に来てメカニック達と遅い時間までヤリスの使い方や整備の仕方を勉強してくれていました。仕事の後は、その仲間達とボーリングに行くなどして、早くからチームに溶け込んでくれていました。
こんな新メンバーがチームと一緒に成績を残してくれたこと、本当に嬉しく思います。ありがとう。
また、ロバンペラ/ハルットゥネン組が、チームメイトのオジエ/イングラシア組とわずか3秒差の熾烈なバトルを制して3位表彰台を獲得してくれました。貴重なポイントを獲得し、ファンも沸かせてくれた4人の選手の走りにもお礼を言いたいと思います。
勝田選手は、攻めると決めたSSではタイムをしっかり残しつつ、全ての道を走りきってくれました。ひとつのステージで普段から仲の良いタナック選手よりも早いタイムを出せたことは、今後の大きな自信につながったことと思います。引き続きがんばれ!
今回のスウェーデンでは、ひとつだけ残念なこともありました。今はヒュンダイのタナク/ヤルヴェオヤ組が2位に入ってくれたことで、彼らと約束していた”私が上からシャンパンをかける”というシチュエーションが早くも実現されてしまいました。
しかし、このせっかくのチャンスに、私はスウェーデンにいれませんでした。残念です。ただ、正直に言えば、スウェーデンでのシャンパンファイトは寒すぎます。暖かくなる次戦以降に、またその舞台が整えられればと思います。
TOYOTA GAZOO Racingのみんな、引き続き優勝をお願いします! そして、オィットとマルティンも引き続き頑張ってください。
一戦ごとに、選手たちは、ヤリスのドライブを一層楽しんでくれていっているように思います。次戦以降も更に熱い走りをしてくれると思いますので、ファンの皆さま、引き続き、応援をよろしくお願いいたします。
追伸
スウェーデンでは、ラトバラ選手がハンニネン選手をコ・ドライバーにしてヤリスWRCでプライベート参戦してくれていました。WRC再参戦を果たした2017年のオリジナルメンバーの二人です。
ラトバラ選手は“トヨタの一員でいられて嬉しい、ヤリスに再び乗れて嬉しい”と言ってくれていたと聞きました。二人がヤリスを選んでくれたこと、私も本当に嬉しいです。
しかし、今回は、車両トラブルによりリタイアとなってしまいました。もっとヤリスを楽しんでもらいたかったのに申し訳ない気持ちです。
次は、ラリー・イタリアでの参戦を計画してくれていると、マキネン代表からも聞きました。万全な状態でヤリスを提供できるよう、しっかり準備しておきます。次は思いっきり走ってください。
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