現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > いよいよスーパーGT第2戦富士決勝でフルコースイエロー(FCY)導入へ。その流れをおさらい

ここから本文です

いよいよスーパーGT第2戦富士決勝でフルコースイエロー(FCY)導入へ。その流れをおさらい

掲載 更新
いよいよスーパーGT第2戦富士決勝でフルコースイエロー(FCY)導入へ。その流れをおさらい

 5月4日(火・祝)に富士スピードウェイで開催されるスーパーGT第2戦『たかのこのホテル FUJI GT 500km RACE』。長丁場の500kmレースとなるが、今回の一戦では、これまで導入に向けてテストが繰り返されてきたフルコースイエロー(FCY)がいよいよ実戦で導入される。決勝日を前に、フルコースイエローの仕組みをおさらいしておこう。

 海外でも多くのレースで導入されているフルコースイエロー。スーパーGTでも2016年には導入に向けた検討が始まり、2019年には2020年導入に向けた動きがスタート。2020年はスポーティングレギュレーションにも明記されていた。ただ、プロフェッショナルなシリーズであることから、厳格に速度管理を行うためのシステムが導入されたが、国内では電波法の壁もあり、2020年は開催された富士、鈴鹿、もてぎでテストが繰り返されてきたものの、実際の運用には至っていなかった。

「お客さんがいるなかで、新型BRZで優勝する姿を見せたい」と井口卓人【第2戦GT300予選会見】

 そんななか迎えた今回のスーパーGT第2戦富士ではついに運用がスタートすることになる。公式練習時にFCYのテストも行われたが、問題なく運用が確認できたという。もし第2戦の決勝レース時にアクシデントが発生した場合、その“出番”が来ることになるが、実際の運用時の流れを確認しておこう。

 まず決勝レース時、車両が危険な場所で停止したとき、またはマーシャルがコース付近で作業しているとき等の安全上の理由が発生した際、フルコースイエローがレースコントロールから宣言される。

 宣言はレースコントロール無線を通じて全チームに通達され、計時モニターおよび車内に設置されたディスプレイに、FCYまでの10秒のカウントダウンがスタートする。また宣言後、ただちに全ポストにFCYボードが提示される。この時点から追い越しが禁止され、ドライバーは周囲の安全を確認し、カウントダウンの間に減速の準備を始めることになる。

 FCYボード提示の約10秒後、全ポストでイエローフラッグが振動表示される。この時点からコース上での走行速度は上限80km/hに規制され、システムによる監視が開始される。なお、すでに導入されているスーパー耐久では区間のタイムで監視されるが、スーパーGTではシステムによる監視で、上限80km/hをオーバーしたり、カウントダウンに減速が間に合わない車両がいたことはFCY解除後にデータでチェックできるという。

 FCY運用時は、不要に遅く一定しない動き、あるいは他のドライバーに危険を及ぼす恐れがあるような方法でドライブされている車両は大会審査委員会に報告される。

 また、FCYボードが提示されてからポストでグリーンフラッグが振動表示されるまでの間、すべての競技車両はピットレーンに進入することはできないが、ピットレーン出口は開放されたままとなる。ホームストレート上を走行中の車両は、ピットからコースインする車両が、ピットレーン出口の第2セーフティーカーラインに到達するまでは追い越すことが認められる。従わなかった場合は、60秒以上のペナルティストップとなる。

 FCY導入後も安全上の問題が解決しない場合は、セーフティカーが導入される場合があり、一方で問題が解消された場合、フルコースイエロー解除が宣言される。解除宣言が行われた後すべての監視ポストでグリーンフラッグが振動表示され、速度規制の解除、オーバーテイクが可能となる。

 今後、このFCYはすべてのコースで導入を目指しているというが、2020年にレースが行われなかったオートポリス、スポーツランドSUGOではまずはテストを行う必要があり、各レースの公式練習で行われることになりそうだ。

 なお富士スピードウェイで言えば、ほぼ全体で上限80km/hの走行が可能だが、ダンロップコーナーではそれ以下に車速を落とさなければコーナリングができないという。また、上限80km/hで全車が走行するものの、いかに最短距離で走り、またコーナリング中に車速を落とさないようにするかなど、“小ワザ”もそれぞれあるという。

 レース中にアクシデントがあった際の有利・不利をなくすことができるフルコースイエロー。これまで導入に向けては、GTアソシエイションはじめ多くの関係者の努力があったことをお伝えしておきたい。できれば導入されないままレースが終わることを期待したいが、いざ導入された際には上記の流れを思い出していただければ幸いだ。

関連タグ

こんな記事も読まれています

フェルスタッペン、アメリカでの3戦で使用するスペシャルヘルメットを発表。ライトブルー基調に
フェルスタッペン、アメリカでの3戦で使用するスペシャルヘルメットを発表。ライトブルー基調に
AUTOSPORT web
テスラ モデル 3、新グレード「パフォーマンス」を追加…最高速度262km/h
テスラ モデル 3、新グレード「パフォーマンス」を追加…最高速度262km/h
レスポンス
ハコスカなんて偏平率82%よ! 昭和の時代は薄っぺらいタイヤが履けなかったって知ってた?
ハコスカなんて偏平率82%よ! 昭和の時代は薄っぺらいタイヤが履けなかったって知ってた?
ベストカーWeb
10年目にして一新! マツダ「ロードスター」は事実上のモデルチェンジ!? ドライビングファンは現代版ロータス「エラン」でした
10年目にして一新! マツダ「ロードスター」は事実上のモデルチェンジ!? ドライビングファンは現代版ロータス「エラン」でした
Auto Messe Web
フォルクスワーゲン、「Polo GTI」誕生25周年記念限定車「Edition 25」を発売開始
フォルクスワーゲン、「Polo GTI」誕生25周年記念限定車「Edition 25」を発売開始
月刊自家用車WEB
テスラ モデル3に爆速モデルが登場! 0→100km/加速タイムはなんと3.1秒だ!!
テスラ モデル3に爆速モデルが登場! 0→100km/加速タイムはなんと3.1秒だ!!
Webモーターマガジン
トヨタの大きなカクカク「最新SUV」発売! ゴツさ満点&快適車中泊な仕様も登場!? 新250のアイテムとは
トヨタの大きなカクカク「最新SUV」発売! ゴツさ満点&快適車中泊な仕様も登場!? 新250のアイテムとは
くるまのニュース
[カーオーディオ・プロショップに行こう♪]プロなら、使い勝手の良い「サブウーファーボックス」を作れる!
[カーオーディオ・プロショップに行こう♪]プロなら、使い勝手の良い「サブウーファーボックス」を作れる!
レスポンス
新しいマツダのセダン、EZ-6登場!──GQ新着カー
新しいマツダのセダン、EZ-6登場!──GQ新着カー
GQ JAPAN
【ドゥカティ】ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京で開催されたイベント「Ducati Day 2024」のレポートを公開
【ドゥカティ】ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京で開催されたイベント「Ducati Day 2024」のレポートを公開
バイクブロス
ノーマルシビックに羽根を授ける! モデューロが新たな実効空力テールゲートスポイラーを公開!
ノーマルシビックに羽根を授ける! モデューロが新たな実効空力テールゲートスポイラーを公開!
ベストカーWeb
楽天市場お買い物マラソンで MAXWIN のドラレコなどが最大20%OFF!
楽天市場お買い物マラソンで MAXWIN のドラレコなどが最大20%OFF!
バイクブロス
日産自動車、北京モーターショーで4車種の新エネルギー車のコンセプトカーを公開
日産自動車、北京モーターショーで4車種の新エネルギー車のコンセプトカーを公開
月刊自家用車WEB
FIA F2バルセロナ・インシーズンテストがスタート。初日はマクラーレン育成ボルトレートが最速
FIA F2バルセロナ・インシーズンテストがスタート。初日はマクラーレン育成ボルトレートが最速
AUTOSPORT web
高速道路でクルマが故障! 「謎の△」無いと罰金6000円!? 使い方わからない人も多い「三角表示板」とは
高速道路でクルマが故障! 「謎の△」無いと罰金6000円!? 使い方わからない人も多い「三角表示板」とは
くるまのニュース
こんないいクルマあるなら日本で売ってよスズキさん! 乗りたい欲が抑えきれない「海外専売モデル」4台
こんないいクルマあるなら日本で売ってよスズキさん! 乗りたい欲が抑えきれない「海外専売モデル」4台
WEB CARTOP
あえて今、「マニュアル車」という選択肢! “電動化時代”におけるその存在意義とは
あえて今、「マニュアル車」という選択肢! “電動化時代”におけるその存在意義とは
Merkmal
マツダ「CX-80」を世界初公開! 最上級3列シートの新型SUV、日本での発売はどうなる?
マツダ「CX-80」を世界初公開! 最上級3列シートの新型SUV、日本での発売はどうなる?
くるくら

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村