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上質な移動空間──新型三菱自動車アウトランダーPHEV P Executive Package試乗記

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上質な移動空間──新型三菱自動車アウトランダーPHEV P Executive Package試乗記

一部改良を受けた三菱自動車の新しい「アウトランダーPHEV P Executive Package」に、『GQ JAPAN』ライフスタイルエディターのイナガキが乗った! 注目のヤマハ製オーディオ&居住性の特徴とは?

新型三菱自動車アウトランダーPHEV P Executive Packageの特徴

新時代のフラッグシップ──新型三菱自動車アウトランダーPHEV P Executive Package試乗記

1.内外装2.S-AWC(Super All Wheel Control)の恩恵3.ヤマハ製オーディオ1.内外装

三菱自動車が誇る電動SUVの頂点であり、ブランドのフラッグシップモデルとして君臨し続けるのがアウトランダーPHEVだ。

2013年に世界初のSUVタイプのプラグインハイブリッドEVとして産声を上げて以来、常に電動化技術と四輪制御技術の先駆者として市場を牽引してきた。今回は、ラインナップの中でも最上級の装備と質感を誇るグレード「P Executive Package」の7名乗車仕様を連れ出した。

まずボディサイズに目を向けると、全長4720mm、全幅1860mm、全高1750mmで、まさに“威風堂々”の開発コンセプトを体現する堂々たる体躯を誇り、2705mmのホイールベースがゆとりある室内空間と直進安定性を約束する。

車両重量は2180kgと、大容量の駆動用バッテリーやツインモーター4WDシステムを搭載した“重量級”であるが、後述する強靭なパワートレインと高度な四輪制御技術によって、運転席に座るとその重さを感じさせない軽快な走りを披露した。

パワートレインの中核を担うのは、熟成が重ねられた4B12型の2.4リッター MIVEC DOHC 16バルブ 4気筒エンジンだ。このエンジンは主に発電機としての役割を果たし、駆動の主役はあくまで前後に配置された強力なモーターである。駆動方式は三菱が世界に誇るツインモーター4WDを採用しており、アクセルを踏み込んだ瞬間に大トルクが立ち上がり、シームレスで圧倒的な加速力を生み出す。

エクステリアに目を向けると、ボディカラーは有料色である「ホワイトダイヤモンド」が選択されており、オプション価格は¥77,000。光の当たり方によって真珠のような深みのある輝きから、ソリッドで硬質な白まで様々な表情を見せる。

インテリアに足を踏み入れると、そこには日本の伝統美とモダンな機能性が融合した空間が広がっている。

内装色とシート素材の組み合わせは、温かみと高級感を兼ね備えたブリックブラウンと、しっとりとした手触りを誇るセミアニリンレザーの組み合わせだ。ドアを開けた瞬間に芳醇な革の香りが漂い、キルティング加工が施されたシートに腰を下ろすと、上質なソファかと錯覚した。

2.S-AWC(Super All Wheel Control)の恩恵

システムを起動すると、内燃機関の始動音は一切せず、完全な沈黙とともに巨大なデジタルメーターが目覚める。アクセルペダルを静かに踏み込むと、2180kgの車重をまったく意識させない、モーター駆動ならではの滑らかで力強い無音の加速が始まる。

市街地は、複雑な交差点やストップアンドゴーが連続し、時には狭い路地を抜けなければならない環境であるものの、ツインモーター4WDシステムと車両運動統合制御システム「S-AWC(Super All Wheel Control)」の恩恵を感じることとなった。

前後のモーターによるミリ秒単位の緻密なトルク配分と、ブレーキ制御によるアクティブヨーコントロール(AYC)が連携し、ステアリングの操舵に対して遅れなく車体がイン側へと向きを変える。交差点を曲がる際のロールは極めて自然かつ最小限に抑え込まれており、運転席のみならず後席のパッセンジャーの頭部の揺れもほとんど発生しない。

試乗時、同乗者も路面の段差やカーブでの横揺れを気にしておらず、終始リラックスして会話を楽しんでいる様子がはっきりと確認できた。

3.ヤマハ製オーディオ

アウトランダーPHEVは全車にヤマハ製オーディオを標準装備しているが、その音響体験は単なる“高音質な車載ステレオ”の域を凌駕し、移動空間そのものの価値を書き換えるほどのインパクトを持っている。

試乗中、首都高速道路をクルージングする際、車内の静粛性が高いレベルに保たれていることに驚かされた。エンジンが始動してもその音や振動は遠くで微かに感じられる程度であり、ロードノイズや風切り音も良く遮断されている。この高い静粛性こそが、ヤマハオーディオの真価を最大限に引き出すための良きキャンバスとなっている。

車内全体に緻密に配置された専用設計のスピーカー群は、単に高出力で音を鳴らすのではなく、それぞれの乗員の耳に届くまでの距離や、ガラス面やレザーシートによる反射、吸音率に至るまで計算し尽くされた高度なデジタル信号処理(DSP)によるチューニングが施されている。

今回の試乗においては、本システムの真の実力と懐の深さを測るべく、アプローチの異なる3つのジャンルの楽曲を再生し、音響特性を考えた。選曲は、中村紘子によるモーツァルトのピアノ協奏曲、小野リサのボサノバ、そして最新のダンスボーカルグループであるONE N' ONLYのポップスナンバーである。結論から言えば、このシステムはそれぞれのアーティストが持つ際立った個性と楽曲の緻密な世界観を、物理的制約の多い車内空間で見事に描き出してみせたのである。

まず車内に響かせたのは、日本が世界に誇る稀代のピアニスト、中村紘子によるヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの『ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 KV.491』。モーツァルトが遺したピアノ協奏曲の中でも数少ない短調の作品だ。ここでヤマハのオーディオシステムは、世界有数の楽器メーカーであり、名だたるコンサートホールの音響設計を手掛ける同社ならではの「空間再現力」と「アコースティック楽器の質感描写」を見せつけた。

楽曲がスタートした瞬間、ダッシュボードの奥に広大なサウンドステージが展開され、オーケストラを構成する弦楽器、管楽器のそれぞれの位置関係が手に取るようにわかるほどの明確な定位感に驚かされる。打鍵の瞬間のアタック音、グランドピアノの巨大な共鳴板が震える響き、そして音が空気に溶けていくような美しい余韻……それらが、ロードノイズや風切り音が遮断されたPHEVの静寂なキャビンの中に、まるで目に見えるかのような解像度で浮かび上がる。

次に、ボサノバの第一人者である小野リサの楽曲をセレクト。このシステムがいかにして“空気感”を表現するのだろうか。その答えは、息を呑むほどの生々しさと、どこまでも心地よいリラックス空間の創出であった。

とりわけ素晴らしいのはボーカルの定位と質感だ。小野リサの歌声がフロントガラスの中央、まさに手の届きそうな位置に浮かび上がり、ナチュラルで柔らかな質感のまま耳に届く。原音に忠実であろうとするヤマハのフィロソフィーを大いに感じられた。長時間のドライブであっても聴き疲れしないだろう。

そして最後、ダンス&ボーカルユニット、ONE N' ONLY(ワンエンオンリー)の最新ポップスナンバーを再生した。EDMを基調とした攻撃的でタイトな重低音と鋭いシンセサイザーの電子音、そして複数人のメンバーによるボーカルリレーと分厚いコーラスワークが特徴だ。このようなアグレッシブで情報量の多いサウンドをどうまとめるのだろう。

曲がかかるとアウトランダーPHEVの車内は瞬時にして熱狂的なライブフロアへと変貌を遂げた。まず驚いたのは、低音域の圧倒的な制動力。車両ドアの剛性の高さと緻密なデッドニングが功を奏し、重低音がソリッドかつハイスピードな打撃として乗員の身体を揺さぶる。

中高音域のクリアさも特筆に値する。複雑に交差する電子音が空間のあちこちから飛び交い、メンバーそれぞれの声質の違いやラップの息継ぎなど、複数の音の要素が見事に分離して聴き取れる。ヤマハ独自の高度なデジタル信号処理(DSP)技術によって音の交通整理がなされており、立体的でエネルギッシュな音像がダッシュボード上に展開される。

クラシックの荘厳なオーケストラから、ボサノバのアコースティックで親密な響き、そして最新ポップスのパワフルで緻密な電子音に至るまで、ベクトルが異なる音楽のどれひとつとして妥協することなく、それぞれのアーティストが楽曲に込めた情熱や空気感を描き分けたのがヤマハのオーディオシステムだった。

楽器を作り、音場を設計し、音楽そのものを深く知るヤマハ・ブランドの血が通ったチューニングと、高い静粛性を誇る三菱アウトランダーPHEVの強靭なボディが、互いのポテンシャルを最高地点で引き出し合った結果生み出された空間なのである。

▲次のページ:「新時代のフラッグシップ」

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文:GQ JAPAN 稲垣邦康(GQ)
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みんなのコメント

4件
  • tondemo310
    試乗記やのうて音楽紹介記事やな。
  • sarah
    >まず車内に響かせたのは、日本が世界に誇る稀代のピアニスト、中村紘子によるヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの『ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 KV.491』。

    冗談も程々にせい
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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