全面改良したRAV4を国産ライバルと比較試乗
1車種で年間にグローバル100万台を売り上げるモンスター、RAV4がフルモデルチェンジ。その4WDハイブリッドモデルを中心に据えて、ライバルたちと走りを比較してみた。
【試乗】RAV4の大本命が確定! PHEVの「Zグレード」が間違いなくベストバイだった
試乗は一般道を経て高速道路をひと区間、ワインディングを1往復、そして拠点へと戻る、総走行距離約30km弱のコースを設定してみた。
トップバッターはRAV4だ。4台の基準となるその走りは、街なかでも割とシッカリ目。タイヤの剛性が高く、足まわりはしなやかに動く印象だ。PHEVモデルの静粛性を味わっているからか、荒れた路面でのロードノイズは大きめに感じたが、ダンピングはできていて乗り心地はいい。
フロントにも100kWのモーターを備えたその走りは、常用域だとほぼFWD、加速に際して後輪に駆動が加わる。そのピックアップは滑らかで、加速もリニアだ。熱効率重視の第5世代THSは、アクセル開度が大きい場面では2.4リッターエンジンの騒音を発するが、街なかで今回の最高燃費25 km/Lをマークされると、ぐぅの音も出ない。
そつない走りと高燃費でバランスのよいRAV4
続く高速道路は90km/hで巡行。路面からの入力に対し、周波数感応型ダンパーは、街なかとはまた違うスッキリとした乗り味を見せる。レーンチェンジでの応答性は正確で、収まりも上々。直線道路が中心だったためACCの操舵追従性までは確認できなかったが、じつに欠点のない快適な高速移動ができた。
圧巻はワインディングでの走りだ。タイトなコーナーでもブレーキングから姿勢を安定させて、涼しいを顔してクルッとターン。アクセルを踏み込めばリニアな加速で横Gを打ち消しながら、素早く立ち上がってくれるのである。
そこにはダンパーのパッシブ制御に加え、リヤモーターのアシストが効いている。しかしこれ見よがしなスポーティさは微塵もなく、乗り心地も至って快適である。
ちなみにワインディングを挟んでも実燃費は21km/Lというすごさだ。これで遮音性まで向上したら、PHEVモデルとの差別化が難しくなってしまうほどである。総じてRAV4は、平均点が恐ろしく高い。突出したカラーはないが、だからこその王者だと、言い切ることができるだろう。
シャシーはスポーティだが洗練度向上に期待のCR-V
ホンダのミッドサイズプラットフォームをベースに、北米好みな大柄ボディで快適性を高める「CR-V」。キャラクター的には兄弟車であるZR-Vに対してよりファミリーユースの方向性だが、その乗り味は今回試乗したなかで一番スポーティだ。人にたとえれば、「細マッチョ」(ボディサイズは大きいが)。決して乗り心地を損なう硬さではないのだけれど、たるんだところはひとつもない。
よって荒れた路面だとやや突き上げを感じるものの、ボディ剛性の高さがそれを不快にさせない。むしろ残念なのは、このスポーティなシャシーに対して、e:HEVのエンジン制御が追従しないこと。モーターそのものは、アクセルに対してリニアに反応している。しかし、とくにアクセル開度の大きな場面で、発電のために始動する2リッター直列4気筒エンジンがやや遅れて回転を上げる。結果としてCVTのようなフィーリングになっているのが残念だ。
状況に応じて可変しながらも、常時4輪へトルクを伝えるAWDの走りは、高速巡航でも安定感が高い。またワインディングでの体さばきも文句なしに一番だ。ただスポーツモードでもエンジン制御がやや遅れる傾向は残るので、ここはプレリュードばりにアップデートしてほしい。
ちなみにその燃費は16.3km/Lで2番手。全長4700mmの巨体を4WDで走らせると考えれば頑張ったと言えるが、「ホンダならもっと」という思いもある。正直、価格もライバルに対して高く、さらなる洗練が欲しいところだ。
スポーティからラギッドまでデザインでわかれる世界観
乗り心地と走りの両立で素性のよいフォレスター
トヨタのハイブリッドシステムで使われるハードを譲り受け、パワーコントロールユニットを2.5リッター水平対向4気筒の上に、トランスアクスルを縦置きトランスファーケース内に収めたフォレスター。その走りはしかし、じつにスバルらしい仕上がりとなっているのがとても魅力的だ。
フォレスターで特徴的なのは優しい乗り心地。悪路を走破するべく、最低地上高は220mmを確保。そのストロークフルな足まわりと、標準装備となるオールシーズンタイヤは、路面の凹凸をしなやかにいなしてくれる。また水平対向4気筒を核としたシンメトリカルAWDのバランスは、柔らかい足まわりや大柄なボディがもたらす重心の高さを、穏やかにコントロールしてくれる。
CR-Vと同様、プロペラシャフトを用いるAWDシステムは、後輪に常時トルクをかけることで高速巡航でも安定感が高い。また積極的にエンジンを止めてEV走行し、状況によってはFWDにもなる。ウインカーに連動するアイサイトXの制御はスムースで、追い越し加速の判断も的確だった。
ワインディングでの走りは、極めてナチュラル。ソフトな足まわりでも鼻先が素直に入るのは、前述したボディバランスとAWDの駆動配分の結果だ。
正直燃費は期待していなかったが、こまめなEV走行が効いたのか15.5km/Lをマーク。直列4気筒に比べて熱効率に劣る水平対向4気筒や、メカニカルAWDの機械的損失を、モーターとの連携で補った努力の成果だと言えるだろう。
EVさながらの滑らかさと静粛性を誇るエクストレイル
4台のなかで唯一、高速巡航時を含めてエンジンを発電機と割り切り、モーターのみで4輪を駆動するエクストレイル。日産が「e-Power」にシリーズハイブリッド方式を選ぶのは、バッテリーEVの先駆者として、モーターライドの先進性や快適性を一番のセリングポイントと見ているからだ。
そんなエクストレイルを走らせてまず感激するのは、アクセル追従性の素早さと滑らかさだ。ライバルたちも必要に応じてモーター駆動を積極活用しているが、混じりけのないエクストレイルの駆動はまさにEVと同じフィールだ。
静粛性も今回で1番高い。状況に応じて圧縮比を可変する1.5リッター直列3気筒「VCターボ」は、効率を重視した常用域においてはじつに味気ない作動音を出す。しかし、ロードノイズが大きなときにエンジンをまわしたり、アクティブ・ノイズ・コントロールで雑音を相殺する工夫によって、かなりEVに近い静粛性が得られている。
しかしシチュエーションを高速道路に移すと、街なかで快適だった乗り心地が、少し硬めに感じられる。縮み側に対し伸び側減衰力がやや強く、速度が上がると段差や荒れた路面で硬さが目立った。プロパイロット2.0が搭載されていないせいか、ACCの操舵制御もやや甘め。ちなみにハンズフリー機能はない。
4輪モーター制御「e-4ORCE」の走りは切れ味が良く、ワンペダルを交えたワインディングはキビキビと楽しい。ただし燃費が玉にキズで、12.4km/Lの値は今回のなかで最下位だった。
メーカーごとに個性を発揮燃費以外の要素も考慮したい
ファミリーユースのみならず、趣味を満喫させるギアとして、さらにはドライバーズカーとして全方位的な資質を備えるミドルサイズSUV。そこに「ハイブリッド+AWD」という条件を付け加えたとき、各車に個性が際立った。
トータルバランスに優れるのは間違いなくRAV4で、その燃費性能は圧巻のひとことだ。対してCR-Vは、ホンダらしさ溢れるスポーティなハンドリングが一番の特徴。フォレスターはクロスカントリー的な懐の深さと、意外な燃費の良さが光り、エクストレイルは来るべきEV時代へすでに片足 を踏み入れていた。
数字だけで言えばトヨタの圧勝だが、相棒に選ぶなら質感も重要だ。ぜひ燃費だけでなく、あなたの感性にフィットする1台を選んで欲しい。
※本記事は雑誌「CARトップ2026年8月号」の記事を再構成して掲載しています
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みんなのコメント
ハンパねーな…。
日本ではなかなか買えませんなぁ
受付ストップばっか
そのうち受注停止でまた買えんになるな