リーズナブルでスポーティがキーワード
「日本一速い男」と呼ばれた日産ワークスの元トップレーサー星野一義氏が設立、日産車に特化したチューナーズ・ブランドとして名高い「インパル」。エアロを中心に、ホイールやマフラー、サスペンションにブレーキシステムなど、日産車の走りやスタイルをグレードアップさせる多様なパーツに定評があるが、最近の大ヒット作が「選べる」エアロだ。
「日本一速い男」が最強のスカイラインに着手! インパルがイジると400Rはここまで進化する!
軽スーパーハイトワゴン「ルークス」や、コンパクトSUVの「キックス」に採用するこのシステムは、複数のパーツを組み合わせることで、外観を格段にスポーティなフォルムへ変身させることができるほか、選び方次第で外観にちょっとしたアレンジを加えることができるなど、ユーザーの好みでセレクトできるのが魅力。しかも、リーズナブルな価格も実現しているという新感覚エアロなのだ。
フロント部に3つのパーツを用意
まずはルークスの上級グレード「ハイウェイスター」用エアロ「エアロダイナミックスシステム」から紹介しよう。注目はエッジが効いてインパクトも増したフロントフェイスだ。
構成パーツは、バンパー下部に装着する「フロントアンダースポイラー(税別4万円)」、日産車独自のVモーショングリル左右に装着する「フロントフェイスガーニッシュ(左右セット・税別2万2000円)」、フロントボンネット先端に装着する「ボンネットフィン(税別2万円)」の3点。
見た目はさりげないが実質を伴うエアロ群やIMPULエンブレム
加えて、グリル上のガーニッシュには「IMPUL」のブランドロゴをあしらう「インパルエンブレム(税別7000円)」もセットされている。
面白いのは、これらは全て別々のパーツであるため、ユーザーの好みに応じて装着するアイテムを選べるということだ。購入者には「全部乗せ」ならぬ「全パーツ乗せ(装着)」を選ぶ人が多いそうだが、中にはアンダースポイラーだけを選ぶとか、ボンネットフィンだけ付ける人など様々。幅広いユーザーの好みやスタイルにマッチすることが人気を呼び、発売直後から毎日注文が殺到、現在バックオーダーをかかえるほどの売れ行きだという。
スーパーフォーミュラやスーパーGTなど、国内最高峰レースにも参戦するインパル。リアセクションには、そのノウハウを投入し、空力性能が向上するパーツも開発した。ルークス ハイウェイスターに装備された大型のリアルーフスポイラー周辺に装着するパーツ群がそれだ。
パーツには、リヤガラス後端の左右に付ける「リアサイドスポイラー(左右セット・税別2万円)」、ルーフスポイラー下部の左右に取り付ける「リアルーフサイドガーニッシュ(左右セット・税別2万2000円)」がある。
背が高い軽スーパーハイトワゴンでは、走行風がリアゲートの方に巻き込むことで、どうしても車体がぐらつく場合がある。そこで、これらパーツを装着することで、風を真っ直ぐ後方へ流し、走行安定性をぐっと向上させるのだ。もちろん、見た目のアクセントも抜群。バンパー下に装着する「リアアンダースポイラー(税別4万円)」と相まって、さりげないスポーティ感を演出する。
ちなみに、これらエアロはよりリーズナブルなセットも用意されていて、全6点を揃えたセットBでも14万9000円(税別)という価格を実現。また、全て塗装済みのため、装着時の手間や工賃が安くすむというのも人気の秘密だ。
キックス用はリヤのパーツが選べる
キックス用エアロでは、純正バンパーに装着する「リアハーフスポイラー」が注目だ。センター部と左右のサイド部が別々に分かれており、こちらも求めるスタイルや好みで選ぶことができるという特徴を持つ。
センター部(塗装済みで税別4万円)には、空力にも優れるディフューザー形状を取り入れつつ、プロテクター感も出すことでSUVらしさも演出する。
また、バンパーの左右に装着するサイド部(塗装済みの左右セットで税別5万2000円)は、ダクト風の形状によりレーシーな雰囲気も醸し出す。ユーザーは、センターのみの購入でも良し、サイド部も加えることでさらにスポーティさを増すも良しといったセレクトができるのだ。
キックス用エアロには、ほかにもフロントバンパー下部に装着する「フロントアンダースポイラー(塗装済みで税別5万8000円)」、左右サイドステップ後端に装着する「サイドステップガーニッシュ(塗装済みで税別3万8000円)も用意。
いずれも、ワンピース構造ながら、塗り分けや立体的な形状により、レーシングマシンのような様々なパーツをセットした感覚が味わえる。
なお、リアハーフスポイラーも含めたこれら4点セット(塗装済み)で税別17万5000円という、こちらもリーズナブルな価格を実現しているのも魅力だ(エアロ4点にはそれぞれ未塗装品もある)。
「選べる」という発想が生まれた理由
エアロなどインパル製パーツの開発は、現在、母体企業「ホシノインパル」の代表である星野一義氏の長男で、取締役を務める星野一樹氏が担当している。スーパーGTの現役レーサーでもある一樹氏は、かつて父がそうだったように、レースとインパルの両方に従事。レースからの経験やノウハウをフィードバックした製品も多い。
レーシーで高級感もあるデザインといったインパルの伝統を守りつつ、車種によってはリーズナブルな価格の製品を出すなど、時代のニーズを考慮した製品作りを心掛けているという一樹氏。今回出した「選べるエアロ」を開発した経緯をこう語る。
「弊社では、どんな製品でも一目で『インパルだ』と分かるデザインが必須です。それは、軽自動車のルークスやコンパクトSUVのキックスといった、比較的リーズナブルな製品を求めるユーザーが多い車種でも同じです。
例えば、エアロも、昔多かった前後をフルバンパータイプにすれば、デザインの自由度が高いため、インパルらしいスポーティで攻撃的なイメージは出しやすいでしょう。ですが、それでは価格が高くなり過ぎて、最近のユーザー、特に軽自動車やコンパクトカーに乗るオーナーの多くには響かない。ルークスのフロント部を3つのパーツに分けたり、キックスのリヤハーフスポイラーを2つに分けて選べるようにしたのも、そういったデザインと価格を両立するための工夫です」。
時代の流れに応じた発想が生んだヒット商品。しかも、全国の日産ディーラーで購入や装着ができるという、ユーザーにとって手軽で安心感が高いことも魅力のひとつだ。
現在は、2020年12月に発売されたコンパクトカーの新型「ノート」用エアロを開発中だという。次は、どんなアイデアやインパルらしさを盛り込んだ製品をリリースし、我々にカスタマイズの楽しさを提供してくれるのか、今から楽しみだ。
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みんなのコメント
母体が新車出さないから。
当時はあのアーチ型リアウィングがだっさいと思ったが今なら良いと思える。