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【フルモデルチェンジ】トヨタ新型アクア 価格/サイズ/内装が判明 バイポーラ型電池に進化

掲載 更新 3
【フルモデルチェンジ】トヨタ新型アクア 価格/サイズ/内装が判明 バイポーラ型電池に進化

はじめに 2代目アクアとは

text:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)

【画像】トヨタ・アクア 新型と従来型【じっくり見る】 全73枚

7月19日。トヨタが、新型アクアを発表した。同日から発売を行う。

アクアは、トヨタのハイブリッド専用コンパクトカーだ。2011年、東日本大震災があった年にトヨタ自動車東日本(当時の関東自動車工業)の岩手工場で初代アクアは誕生。

以来ほぼ10年、マイナーチェンジは何回か行われたが、人気を持続してロングセラーとなった。今回フルモデルチェンジされた新型は、2代目となる。

アクアのライバルは、日産ノート、ホンダ・フィット、マツダ2、スズキ・スイフトといった他社のコンパクトカーはもちろんだが、同じトヨタのヤリスが最大のライバルかもしれない。

しかし、新型アクアのチーフエンジニアである鈴木啓友氏は「ヤリスは“操る楽しみ”を求めるユーザーに、アクアはダウンサイザーや“上質感”を求めるユーザーにと、棲み分けをしている」と語っている。

登場以来、グローバルで約187万台(北米向けプリウスCを含む)を販売し、約1240万トンのCO2削減に貢献したアクア。

新型はその役割を発展させ、駆動用蓄電池に、バイポーラ構造のニッケル水素電池を世界初搭載。バッテリー出力を従来型に比べて約2倍とするなど、「さらに次の10年を見据えたコンパクトカー」としてやって来た。

では、その概要を紹介していこう。

新型アクア 外観

新型アクアのボディサイズは、全長4050×全幅1695×全高1485mm(FF)、ホイールベースは2600mm。

従来型と全長・全幅は同じ。全高は後述するTNGAを採用した関係で30mm高く、ホイールベースは50mm延長されている。

コンパクトなサイズはそのままにホイールベースを延長し、リアシートの居住空間・荷室空間を拡大して利便性を向上した形だ。

ちなみに、プラットフォームを共有するヤリスは、全長3940×全幅1695×全高1500mm、ホイールベースは2550mm。つまり、アクアのほうが少し長くて低いプロポーションとなり、ホイールベースも50mm長い。

新型の基本的なスタイリングは従来型を踏襲しており、またキックアップしたサイドウインドウや縦型のリア・コンビランプなど、ディテールも従来型から引き継がれている部分は多い。

そのスタイルは遠目に見ても「アクアだ!」と分かるだろう。デザインのコンセプトは「ハーモテック(知性・感性を刺激する、人に寄り添う先進)」で、上質・シンプル・クラスレスなものとされている。

前後に伸びやかなモノフォルム・シルエットのキャビンと、左右に張り出したリアフェンダーの組み合わせで、アクアらしいスマートかつ動感のあるエクステリアとしている。外装色は、シンプルでクリーンな質感の新色「クリアベージュ」をはじめ、上質感のある全9色を設定した。

新型アクア 内装

インテリアもエクステリア同様、クラスレスで上質なデザインとされている。

Aピラーを細くし、ワイパーの位置を下げ、三角窓を拡大し、ドアミラーを後方に配置するなど、良好な視界を確保している。

操作系・視認系は機能をひとくくりに集約し、シンプル・クリーンかつ上質な空間を表現。また、ソフトな合皮巻きのオーナメントやアームレスト、便利で快適な合皮パワーシートなどを採用することで上質なイメージに。

また、左右に液晶デジタルメーター、中央に4.2インチのマルチ・インフォメーションディスプレイを配したメーターパネルを全車に標準装備。ヘッドアップディスプレイもZには標準で搭載される。

ほかにも、ボックスティッシュなどを収納できる助手席アッパーボックスを装備し、センターコンソールには充電ケーブルを格納できるスライド式トレイを採用。便利でスマートな収納を実現している。

さらに、操作性・視認性に優れた10.5インチ大型ディスプレイオーディオをトヨタのコンパクトカーとして初採用(Zに標準装備、GにOP)した。

ホイールベースの延長により居住性が向上し、前後席の空間は20mm広げられている。ラゲッジスペースも容量は従来型とほぼ変わらないが、バックドアの開口長を75mm拡大したり、最大荷室幅を広げるなど、実用性を大きくアップしている。

新型アクア シャシー

シャシーは、TNGA(GA-B)プラットフォームをベースに、骨格結合構造の最適化や超高張力鋼板の採用などにより、ボディの軽量化・高剛性化を両立した。

サスペンションも新しくなり、フロントはマクファーソンストラット式。リアは二輪駆動(FF)がトーションビーム式、四輪駆動(E-Four)がダブルウイッシュボーン式を採用している。

ショックアブソーバーにはレクサス車などでも使われているスイングバルブ式を採用し、快適な乗り心地、優れた操縦安定性など、ひとクラス上の走りを追求した。

またTNGAの採用や吸遮音材の最適配置、エンジンノイズやロードノイズの低減、室内に入ってくる排気音の遮断、エンジン制御の改善でエンジン音を低減することなどにより、静粛性も向上。

高速走行時の会話明瞭度は、従来型より15%向上しており、乗車時・停車中の車内騒音は従来型より1dB改善されている。

新型アクア パワートレイン

新型アクアは従来型と同様、パワーユニットはハイブリッドのみ。1.5Lの直3ダイナミックフォースエンジンと電気モーターを組み合わせるが、駆動用車載電池にバイポーラ型ニッケル水素電池を世界初採用した。

これは、集電体の片面に正極、もう一方の面に負極を塗った「バイポーラ(Bipolar:双極)電極」を複数枚積層させてパックにした電池で、トヨタが豊田自動織機と共同開発したもの。

従来型のニッケル水素電池より集電体などの部品点数が少なくなるのでコンパクト化でき、従来型電池と同等サイズの場合、より多くのセルを搭載することが可能になる。

また、通電面積が広くシンプルな構造のため、電池内の抵抗が低減し、大電流が一気に流れるようになり出力を向上。従来型アクアに搭載のニッケル水素電池に比べ、約2倍の高出力を実現した。

そのため、従来型より加速はスムーズになり、EV走行領域も拡大し、車速が40km/hくらいまでモーターのみでの走行が可能に。エンジンでの走行領域が縮小したことにより、燃費も従来型より約20%向上し、上級グレードのZ、Gで33.6km/L(WLTC)を達成した。

エンジン/モーターはヤリスのものとパワースペック(発生回転数)も含めて基本的に同じだが、走行モードを「パワー+」にすると、アクセルペダルを緩めるだけで回生によって減速度を増大させ、滑らかに減速する「快感ペダル」をトヨタで初採用。ただし、アクセルペダルの操作のみで完全停止までできる「ワンペダル」とはならない。

それでも、同乗者に配慮した自然な減速感を追求し、アクセルとブレーキの踏みかえ頻度を抑え、ドライバーの負担を軽減しつつ意のままの走りを実現した。

駆動方式はFFに加え、アクア初のE-Four(モーターを1基追加し、後輪をモーターで駆動する)も設定された。

新型アクア 装備

安全装備では、最新の「トヨタセーフティセンス」を標準装備。

交差点での右左折時の事故に対応範囲を拡大したプリクラッシュセーフティ、全車速追従型レーダークルーズコントロール、同一車線内の中央を走行するよう操舵支援するレーントレーシングアシスト、ペダル踏み間違い時の急加速を抑制するプラスサポートなど、最新の予防安全機能を搭載する。

さらにハンドル操作、ブレーキ、アクセル、シフトチェンジなど、駐車時における全操作を車両が支援する「トヨタチームメイト・アドバンストパーク」、従来の前後進行方向に加え、新たに側方の静止物を検知対象とし、警報・ブレーキ制御で接触回避を支援する「パーキングサポートブレーキ」といった、ミライなどの上級車に搭載される技術を、トヨタのコンパクト車では初採用。

運転時・駐車時など、幅広いシーンでドライバーを支援する。

また、アクセサリーコンセント(AC100V・1500W)と非常時給電モードを全車に標準装備した。

これは、停電など非常の際に、車両駐車状態で「非常時給電モード」にすることによって、電気ポット/ドライヤーなどの家電製品が使用可能な非常用電源として活用できるもの。

ガソリン満タンでエアコンなどの負荷がない場合、スマートフォンなら約5000台の充電が可能で、一般家庭なら(400W使用時)約5日分の電力を供給することができる。

もちろん、普段の走行時にはアクセサリーコンセントからだけでなく、車内のUSB端子を通じてスマートフォンなどの電子機器を充電することもできる。

新型アクア 価格/発売日

新型アクアの車両本体価格は、下記のとおりとなっている。

発売日は7月19日。店頭発表は、7月24日(土)、25日(日)に行われる。

生産工場は、トヨタ自動車東日本の岩手工場で、月販目標台数は9800台と発表された。

アクアB(FF):198万円
アクアB(E-Four):217万8000円
アクアX(FF):209万円
アクアX(E-Four):228万8000円
アクアG(FF):223万円
アクアG(E-Four):242万8000円
アクアZ(FF):240万円
アクアZ(E-Four):259万8000円

新型アクア スペック

トヨタ・アクアG(FF) 主要諸元

価格:223万円
全長×全幅×全高:4050×1695×1485mm
ホイールベース:2600mm
車両重量:1130kg
パワートレイン:1490cc直3+モーター
最高出力(エンジン):91ps/5500rpm
最大トルク(エンジン):12.2kg-m/3800-4800rpm
最高出力(モーター):80ps
最大トルク(モーター):14.4kg-m
トランスミッション:電気式無段変速機
燃費(WLTCモード):33.6km/L
駆動方式:前輪駆動
燃料:ガソリン
タンク容量:36L
タイヤサイズ:185/65R15

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みんなのコメント

3件
  • シフトに疑問。
  • 売れそう。代替え需要や新規でも。
    欲しそうに思わせるクルマじゃないと
    売れない。それは装備だったり総合的
    コ・ス・パだったり。86みたいにクルマ好きが
    求める要素はなくても世の中の大多数が日常の足としてクルマに求める中身をトヨタはよくわかっている。かつてのカローラ2とかターセルとかコルサとかあの辺りのクルマだよね。日産もこういうクルマが造れたらちょっとはよいけど抱き合わせ高額オプションクルマしか売らないんだから仕方ないね。いまどきacc ついてないクルマなんて。
    下手したら軽自動車にもついてるんじゃない?
    バブル時期のサニーとカローラの圧倒的なクルマの魅力差からずっと企業ブランドは変わらない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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