2025年10月16日から10月19日にかけて(現地時間)、世界ラリー選手権(WRC)第12戦「セントラル・ヨーロピアン・ラリー」がドイツ、チェコ、オーストリアのヨーロッパ3カ国のターマック(舗装路)を舞台に開催される。2024年WRCシーズンも、このセントラル・ヨーロピアン・ラリーと、ラリー・ジャパン、ラリー・サウジアラビアの残り3戦。チャンピオン争いは佳境を迎える。
2戦連続のターマックラリーでタイトル争いに変化?
南米大陸を舞台に行なわれた前2戦、ラリー・デル・パラグアイとラリー・チリで、トヨタのセバスチャン・オジェが連勝。2位にも連続してチームメイトのエルフィン・エバンスが入り、トヨタはマニュファクチャラーズポイントでヒョンデに125点の差をつけ、今回のセントラル・ヨーロピアン・ラリーを終えた時点で120点以上のリードを維持することができた場合、2戦を残して5年連続となるマニュファクチャラーズタイトルを確定する。
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一方で、ドライバーズタイトル争いは激しさを増しており、首位オジェと、2位エバンスとの差はわずか2ポイント。3位のカッレ・ロバンペラ(トヨタ)は、首位のオジェと21ポイント差とやや厳しい状況にあるが、トヨタの3人の争いはまだまだ結末はわからない。ヒョンデはオジェと43点差で4位にオイット・タナック、5位に58点差で昨年のチャンピオンであるティエリー・ヌーヴィルと、首位からやや離されているが、まだ逆転チャンピオンの可能性は残されている。
【参考】2025年 WRCマニュファクチャラーズランキング(第11戦終了時)
1位 トヨタ 572
2位 ヒョンデ 447
3位 Mスポーツ フォード 157
【参考】2025年 WRCドライバーズランキング(第11戦終了時)
1位 S.オジェ(トヨタ )224
2位 E.エバンス(トヨタ)222
3位 K.ロバンペラ(トヨタ)203
4位 O.タナック(ヒョンデ)181
5位 T.ヌーヴィル(ヒョンデ)166
6位 勝田貴元(トヨタ)94
7位 A.フルモー(ヒョンデ)86
タイトル争いの予想を難しくしているのが、今週末のセントラル・ヨーロピアン・ラリー、11月のラリージャパンと、シーズン終盤に2戦連続でターマックラリーが開催されること。5月の第5戦ラリー・ポルトガルから9月の第11戦ラリー・チリにかけて、グラベル(未舗装路)ラリーが7戦続いたが、ここから戦況が大きく変わることもありえる。
エバンスは昨年のセントラル・ヨーロピアン・ラリーでは総合2位を獲得、ロバンペラは一昨年のセントラル・ヨーロピアン・ラリーのウイナーであり、4月に開催されたターマックラリーの第4戦「ラリー・イスラス・カナリアス」では圧勝している。また、タナックは昨年のセントラル・ヨーロピアン・ラリーでオジェを破って優勝を飾った。
シーズンも残り3戦、すべてのドライバーが全力で戦うことになり、激しく、過酷なラリーにあるのは間違いない。
ステージはターマックだが国ごとに路面のキャラクターは大きく異なる
そんな中で行われる第12戦「セントラル・ヨーロピアン・ラリー」は、2023年に初めてWRCとして開催。ドイツ、チェコ、オーストリアの3カ国を舞台とする斬新な試みのラリーとして大きな注目を集めた。
ステージは全てターマックとなるが、かなり広い地域をカバーするため、国ごと、地域ごとに道や路面のキャラクターは大きく異なるのが特徴だ。開けた場所にあるセクションもあれば、木々の下を走行する狭いセクションもあり、グリップレベルは刻々と変化し、コーナーのインカットにより泥濘化しやすい場所も多い。
またそれに加え、この時期のヨーロッパは天気がとても変わりやすく、雨や泥、そして落ち葉などによって路面は所々非常に滑りやすくなることが予想される。特に朝方は冷え込むので、こうしたコンディション下ではミスが起きやすくなる。
昨年はオジェとの戦いを制したタナックが優勝
昨年のセントラル・ヨーロピアン・ラリーは、初開催だった前年以上にダーティで滑りやすい路面にアクシデントが続発、勝敗の行方が二転三転する荒れた展開となった。
ラリー序盤はトヨタのセバスチャン・オジェがリードするも、すぐにターマックラリーでは有利な先頭スタートを活かしてヒョンデのティエリー・ヌーヴィルが追いつき逆転。ヌーヴィルが首位で金曜日を終えたが、翌土曜日は一転してタナックとオジェが猛追。僅差の三つ巴となる中、ヌーヴィルが2度のコースアウトを喫して後退し、オジェとタナックの勝負は日曜日に持ち越された。
その最終日、今度はオジェがまさかのコースアウト。挽回を期すオジェは最後まで攻めたが、残り2ステージのところで再びコースオフを喫してリタイアとなった。タナックはオジェ脱落後、慎重な走りに徹して無難にまとめてトップフィニッシュ、2位にトヨタのエルフィン・エバンス、3位にはヒョンデのティエリー・ヌーヴィルが入った。
【参考】2024年 WRC第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリー 結果
1位:O.タナック(ヒョンデ i20N ラリー1)2h37m34.6s
2位:E.エバンス (トヨタ GRヤリス ラリー1)+7.0s
3位:T.ヌーヴィル(ヒョンデ i20N ラリー1)+39.8s
4位:勝田貴元 (トヨタ GRヤリス ラリー1 )+1m21.0s
5位:G.ミュンスター(フォード・プーマ ラリー1 ) +3m41.9s
6位:N.グライジン(シトロエン C3 ラリー2)+9m17.6s
7位:O.ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2)+9m34.1s
8位:F.マレス(トヨタ GRヤリス ラリー2) +11m41.5s
9位:M.マルチュク(シュコダ・ファビアRSラリー2)+12m10.6s
10位:K.カエタノビッチ(シュコダ・ファビアRSラリー2)+12m20.3s
ドイツをスタートしてオーストリアでフィニッシュするステージも
今年のセントラル・ヨーロピアン・ラリーのサービスパークは、ドイツ南東部バイエルン州のパッサウに置かれ、10月16日(木)にパッサウのバート・グリースバッハ周辺でシェイクダインが行なわれた後、午後からデイ1として同エリアで競技がスタート。「ゴルフ&テルメ」という12.83kmのステージをSS1、2として2回走行し、パッサウのサービスでデイ1は終了。
競技2日目の17日(金)はパッサウのサービスパークを起点に、3カ国のステージをミッドデイサービスを挟むことなく各2回走行。日中にはチェコの「カプリツェ」に設定されたタイヤフィッテイングゾーンで、簡易な整備作業が実施される。
競技3日目となる18日(土)のデイ3はドイツで1本、チェコで2本の計3ステージを、クラトヴィ(チェコ)でのタイヤフィッテイングゾーンを挟んで各2回走行。6本のステージの合計距離は103.64kmと、4日間で最長の距離を走行する。
ラリー最終日となる19日(日)のデイ4は、ドイツとオーストリアが舞台に。SS15とその再走ステージSS17「ビヨンド・ボーダーズ」は、その名が示すように今年も国境を越えるステージとなる。また、SS16の再走となるオーストリア国内でのSS18「ミュールタール2」は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に設定されている。
ラリーは4日間で18本のステージを走行し、その合計距離は306.08km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は、1457.55kmが予定されている。
トヨタは、オジェ、エバンス、ロバンペラがワークスとしてエントリー。一方のヒョンデは、ヌーヴィル、タナック、フルモーの布陣でのぞむ。勝田 貴元は4台目のトヨタ GRヤリス ラリー1 をドライブ、母国ラリーである第13戦ラリージャパンに向けて、セントラル・ヨーロピアン・ラリーはパフォーマンスをベストな状態に高めるための重要な一戦となる。
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