この記事をまとめると
■都市部の事業者を中心にいすゞのエルガEVが導入されつつある
ついに日本のEVバスが配備完了! バスオタライターが早速「エルガEV」に乗りバスして感じた一歩先行く性能とは
■地方ではコロナ禍の影響もあって車両の更新ができない事業者が多い
■現在リビルトパーツで車両を延命する事業者が増えている
都市部の大手事業者を軸にBEVバスの導入が進む
都市部を中心に、一般路線車タイプのBEV(バッテリー電気自動車)バスが街なかで営業運行している姿を以前よりは目にするようになっている。中国系メーカー車両が中心のなか、日の丸BEVバスといってもいい、いすゞ エルガEV(日野ブルーリボンZEV)の納車がはじまったことも大きいのかもしれない。
ただし、このまま保有台数すべてをBEVバス化するといった動きではないようだ。事実、車庫ごとなどで数台ずつ導入し、お試し的に使いながら、本格導入するかどうかの検討をしよう……という動きを見せる事業者がほとんどだ。
2025年5月23日(金)に兵庫県・神戸市内で開催された2025バステクフォーラム会場内にも、最新のBEVバスが多数出品されており、訪れたバス業界関係者が興味深く実車をチェックしていた。
いままでICE(内燃機関)バスでは、都市部を中心とした大手事業者が環境負荷低減性能の高い新車を購入して、次の車両入れ替えを行う際、いままで大手事業者が使っていたバスを地方の中小や零細事業者が中古車として購入することで、段階的に環境負荷低減性能の高いバス車両を全国に広く普及させようと、補助金交付などを用意して取り組んできた。
バスマニアの末席にいる筆者も、地方の零細事業者のバスに乗ったときには、「もともとはどこの車両だったのかな」と探るのが楽しみである。北関東のある事業者のバスに乗って車内の様子をうかがうと、関西地方の事業者で使われていた車両であるのが濃厚となり、なんだか意味もなくウキウキしたこともある。
いまある車両を有効活用する業者が増えている
ところが、多くのバス事業者では、新型コロナウイルスが感染拡大したときに受けたダメージ(利用者の大幅減による収益源)が癒えていないところがほとんどであり、中古車であろうがなかろうが、そもそも車両更新ができない事業者も多数いるようだ。そのため、BEVバスのラインアップが充実する一方で、リビルトパーツ関連業界も盛り上がりを見せているのである。
前述したバステクフォーラムでも、リビルトトランスミッションを扱う会社が初めてブースを構えたほか、リビルトパーツだけではなく中古バス車両を販売する業者や、セルモーターやオルタネーター、ターボチャージャーなどの各種パーツのリビルトを請け負う業者も出展していた。ほかにも、インジェクターやDPF(排気ガス中に含まれる煤などの粒子状物質を除去するための装置)の洗浄ビジネスも、予想していたよりニーズがあるとのこと。
車両の継続使用が増えたのを受け、リビルトエンジンの販売を新たに始める業者もいるとも聞いている。
つまり、「車両更新をするほど余裕がないので、延長して使用するために現有車両に手を加えよう」という動きも目立ってきているのである。
このような車両更新をせずに延長して使用する動きは、タクシーでも同じだ。東京など都市部ではトヨタJPNタクシーが目立っているものの、地方部ではトヨタ・クラウン系(コンフォートやその時代のセダン)がまだまだ現役で走っている。
働き手不足解消は自動運転で……という話も最近は多い。導入後は確かに人件費も減るかもしれない。しかし、初期導入コストが負担できなければ話にならないことはもちろん、果たして初期導入コストを捻出できるタクシーやバスといった旅客運輸業者がどこまでいるのか? そこの解決には補助金交付などが必要ともなるが、それでもどこまで導入に前向きになる事業者が出てくるのか。
いまのBEV車両導入や現有車両の使用延長といった話を聞くと、我々が描きがちな、街なかのバスやタクシーがすべてBEVになり、そして自動運転になるという風景は、技術の進化だけでは解決できない問題があることも物語っているように見える。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
もはや「郵便」はオワコン? 日本郵便「赤字383億円」の現実――デンマークはもうすぐ事業撤退、今後どうなる?
ロシア軍が誇る「世界最大級の自走砲」が返り討ちに “撃ち負ける瞬間”を上空から捉えた映像が公開
1リッターで“30km”以上走れる! トヨタ新「“5人乗り”セダン」がスゴイ! 新車約220万円から買える「全長4.4m級」モデル! 大口顔もイイ「カローラ」何が変わった?
ホンダの世界初「新型エンジン」公開に反響殺到! 伝統の「赤ヘッド」&“V型3気筒”に「絶対面白いでしょ!」「名機の予感!」「やっぱりホンダ最高」の声も! “超進化”した新型「すごいエンジン」に大注目!
ダイハツ「リッター60km」走る“軽セダン”に大反響!「マジで買いたいクルマ」「長距離通勤に最適!」の声も! 4人乗りで「超・低燃費」を実現した“究極エコカー”「UFE-II」コンセプトとは!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
しかも補助金目当てのザル法になりかねない。実用化はまだまだ先だろ。万博輸送で走らせるいすゞエルガも走行距離なんて一応複せいぜい6キロ強。一日中走らせても路線バスのような距離を走らないからね。
まだどのような不具合出るかわからない。
5年はかかるだろう。夢のような事言う前にハイブリッドバスを普及させた方が良い
しない限り、そう何台も同時に充電できないのでは?
という気がするのだが?
それに乗用車と違って長期間使用するものだから、
途中でバッテリーも交換しないといけないだろうし
それらを考慮すると、本格的に入れ替えるということは
どのバス会社においても難しいのではないか?