今や新車においてMT車は絶滅寸前となっている希少な存在。現在進行形となっている電動化によってハイブリッド車や電気自動車が増えると、MT以前にトランスミッションが不要となっていくこともあり、いずれMT車がなくなるのはほぼ確実である。
いっぽう、現在の日本車ラインナップを見ると、スポーツモデルを中心にMT車はまだそれなりに設定されているのに加え、スポーツモデルではないMT車も探せば意外にある。本稿では、そんな魅力ある非スポーツモデルのMT車をピックアップしてみた。
警察マニア予備軍以外、誰得!? 細かすぎる覆面パトカーの見分け方
文/永田恵一、写真/MAZDA、TOYOTA、SUZUKI、DAIHATSU
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■トヨタ C-HR ターボ車
C-HR S-T GRスポーツ(6MT)/エンジン:1.2L直4ターボ、最高出力:116ps/5200-5600rpm、最大トルク:18.9kgm/1500-4000rpm、価格:278万2000円
TNGA-Cプラットホームを使い1.2L・4気筒ターボを搭載する3ナンバーボディとなるカローラ、カローラツーリング、カローラスポーツ、クーペルックのミドルクロスオーバーとなるC-HRには、いずれも6速MTが設定される。
この4台の6速MTにはスタートとシフトダウン時のブリッピング、坂道発進の際のブレーキサポートをしてくれるi-MTが装備されるので、運転が優しいことも魅力だ。
しかし、カローラ系の1.2L・4気筒ターボ+6速MTは、アクセル操作に対するレスポンスが非常に鈍く、「スポーツモードにして普通のレベル」という印象があったことがあり、この中からはそういった違和感のなかったC-HRを勧める。
C-HRのターボ+6速MT車は、動力性能自体こそ1.8リッターNA並と普通だが、いつでもMTの楽しさを楽に味わえる点は魅力だ。
なお、C-HRのターボ+6速MT車を買うなら、標準系は2019年秋のマイナーチェンジでショックアブソーバーがマイナーチェンジ前のザックスから日本製に変更され、ハンドリングと乗り心地がマイナーチェンジ前より退化しているので、サスペンションが適度に引き締められた「GRスポーツ」がお勧めだ。
■マツダ6/CX-5ディーゼル
マツダ6 XDプロアクティブ(6MT)/エンジン:2.2L直4ディーゼルターボ、最高出力:190ps/4500rpm、最大トルク:45.9kgm/2000rpm、価格:356万4000円
マツダ6とCX-5に搭載される2.2Lディーゼルターボエンジンは、「速い、静か、低燃費」と三拍子揃った魅力的なエンジンである。
このディーゼルターボをさらに楽しめるのがそれぞれに設定される6速MTで、具体的には早めにシフトアップして強大な低速トルクを、アクセルを深く踏んだ際には速さをと、表情豊かなエンジンをより濃厚に味わえる。
さらにディーゼル車は同じ段数でもATよりMT車の燃費が伸びる傾向にあるので、エコで楽しいという点もこの2台の大きな魅力だ。
■スズキ アルト
アルト VP(5MT)/エンジン:0.66L直3NA、最高出力:49ps/6500rpm、最大トルク:5.9kgm/4000rpm、価格:73万7000円
軽セダンのアルトのベーシックグレードとなる「F」には5速MT(86万3500円)が設定される。
最近読者の方が所有するこのクルマに乗せてもらったのだが、610kgという車重の軽さにより、駐車場内でクラッチをつないだ瞬間から笑みが止まらず、無駄なギアチェンジをしながら普通に街乗りしているだけで、現在GRヤリスとBRZを持つMT好きの筆者は楽しくて仕方なかった。
アルトのMT車が楽しいのはMTということだけでない。アルトの標準車は低価格車ながら内外装に安っぽさがないどころか気持ちが明るくなる雰囲気を持つことも大きい。そのためアルトFには、現在41歳の筆者が30代はじめに乗っていた初代トゥインゴに教えられた精神的な豊かさを思い出させてもらった。
なお、アルトFのMTは新車が品薄になっているという情報もあり、欲しいなら即自分のものにすることを強く勧める。
■スズキ ジムニー&ジムニーシエラ
ジムニー XLスズキセーフティサポート装着車/エンジン:0.66L直3ターボ、最高出力:64ps/6000rpm、最大トルク:9.8kgm/3500rpm、価格:165万4400円
軽自動車とその登録車版となる本格オフローダーのジムニー&ジムニーシエラは孤高の存在で、登場から3年が経っても未だ長い納車待ちとなっている。
ジムニー&ジムニーシエラには5速MTと4速ATがあり、4速ATはイージードライブだが、ジムニー&ジムニーシエラともに動力性能に余裕がないクルマなので4速ATだと動力性能がスポイルされるのは否めない。
5速MTであれば2速と3速のギア比が離れているためシフトアップのエンジン回転によっては失速感があることがあるものの、ジムニー&ジムニーシエラ本来の動力性能が得られ、10万円以上の価格差に加え燃費の向上というメリットも大きい。
さらにジムニー&ジムニーシエラは、シートを含めた乗り心地の悪さを大きな理由として、ある程度以上の時間乗ると疲れるクルマなのも事実だが、「このクルマを走らせているのは自分なんだ!」という運転する手応えが非常に濃厚なのも、5速MT車を勧める理由の1つだ。
■スズキ キャリイ&エブリイ/ダイハツ ハイゼット&ハイゼットカーゴ
軽トラック&軽1BOXバンは、クルマの原点のような存在だけに、MT車だと動力性能と燃費の向上に加え、「クルマを操っている」という楽しさや手応えも濃厚なため、MT車を強く勧めたい。
また、軽1BOXバンであればキャンピングカーにするのも可能なくらい車内のスペースが広く、それに加えて軽商用車は若年層の任意保険も安いので、若い人がはじめてのクルマとして軽1BOXバンを買い、車中泊の旅をするといった使い方をするのも楽しいだろう。
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みんなのコメント
今は亡きミラバンは最高の車だった。
復活してくれないかなあ・・・
メーカーが造らないなら自分たちで。とのチューニングショップが増えてます。