英日独“One Team”のニューフェイス
2024年12月7日にブラジル・サンパウロで開幕するFIAフォーミュラE世界選手権で、今季よりFIAフォーミュラE世界選手権にチャレンジする「ローラ・ヤマハABTフォーミュラEチーム」が初陣を迎えます。
【画像】FIAフォーミュラE世界選手権の初陣を迎える「ローラ・ヤマハABTフォーミュラEチーム」を画像で見る(3枚)
ヤマハFormulaE開発グループリーダーの梅田泰宜氏は「オーガナイザーやライバルチームの皆さんからも、我われニューフェイスの参入は歓迎されていると感じています。
イギリスの名門ローラと、F1やMotoGPなど世界の頂点で戦ってきた日本のヤマハ、そしてフォーミュラEでの豊富な経験を持つドイツのABT(アプト)というタッグに、ある種の敬意と注目をいただいているという印象です。周囲からの期待に、あらためて身が引き締まる思いです」とコメント。
同社は、電動パワートレインのマニュファクチャラーとして、モーターとインバーター、そしてギアボックスのパッケージの開発を担い、同チームに供給する計画となっています。
フォーミュラEでは、全チームに同一のシャシー(車体)とタイヤの使用が義務付けられているため、パワートレインの性能や制御はチャンピオンシップにおいてもとりわけ大きなポイントのひとつです。
このプロジェクトを統括する原隆氏(ヤマハ AM開発統括部長)も、「フォーミュラEは、極めて厳しく繊細で、かつ高次元の世界です。
厳格な各種制限の中で開発のスピード感も求められるこのチャレンジは、当社が目指す2050年カーボンニュートラルの実現に向けたブースターにもなるだろうと考えています。
“なぜヤマハが四輪のレースに?”と尋ねられることも多いのですが、それこそが私たちが参戦する目的であり、モチベーションにもなっています。
フォーミュラEの“厳格な制限”。それはバッテリーの容量にも見て取れます。たとえばF1やMotoGPでは、レース中は常にほぼフルパワーで戦うのに対し、フォーミュラEに搭載されるバッテリーはおよそ半分のエネルギーに制限されています。
つまり、「1」のレースを「0.5」のエネルギーで賄わなくては完走さえできないということです。だからこそ、エネルギーマネジメントの技術が勝負どころ。私たちの会社にとって高めていきたい技術領域のひとつです」と述べました。
開幕に先立ってスペインで行われたプレシーズンテストでは、ゼイン・マロニー選手が全体の13番手(22台中)のタイムを記録。
「ここまで手応えも感じてはいますが、先行するライバルたちの本当の力は開幕戦までわかりません。私たちはシーズンを通して進化と成長を続け、できる限り早く表彰台を狙える位置まで進んでいきたい」と、梅田氏は、引き締まった顔つきで意気込みを語りました。
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