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【現実の環境でテスト】アウディeトロンGT 一般道/高速道路/峠道で検証

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【現実の環境でテスト】アウディeトロンGT 一般道/高速道路/峠道で検証

アウディeトロンGTの詳細

ポルシェ・タイカンを購入した時から、アウディeトロン GTの試乗をじっくりとしてみたいと思っていたが、漸く叶ったので、7月上旬から約2週間に亘って、日常生活の中で使用してみたレポートをお届けしよう。

【画像】アウディeトロンGTのテスト走行 すべての写真をみる【詳細】 全26枚

フォルクスワーゲン・グループのEV戦略の中で、ポルシェ初のEVスポーツカーであるポルシェ・タイカンとアウディの新しいフラッグシップGTであるアウディeトロンGTは、共通のシャシーから生み出されている。

しかし、実際に出来上がった車両は、それぞれのブランドの個性をしっかりと打ち出したものとなっていているのだろうか。また、明確な棲み分けはできているのだろうか。そのような疑問に答えを出すべく、インプレッションをおこなってみた。

アウディeトロンGTのボディデザインは、丸みを帯びた、ポルシェらしいデザインのタイカンに比べると、直線的でありながらもフェンダーからとCピラー辺りからの2本の柔らかなラインが立体的なボディのイメージを作り上げている。

一見すると、ドアが4枚あるとは思えないクーペスタイルだが、後席のドアも広く、着座してみると、4人の大人が不自由なく座れることが判る。

ボディサイズはほぼタイカンと同じだが、全長が25mm長く、全高が20mm高い。因みに正確な数値は、4990mm(全長)×1965mm(全幅)×1415mm(全高)となっている。

これだけサイズが大きくなれば、デザインの自由度も増し、4座のクーペでも優雅なスタイルが出来上がるのだろう。因みに後部のトランクも驚くほど広い。

どちらのデザインが良いかは、まさしく好みによると思うが、eトロンGTのスッキリしたデザインはとても好ましい。一方のタイカンは、なんでこのデザインをパナメーラに採用しなかったのだろうか、と思える良いまとまり方だ。

試乗車の外装色はケモラグレーメタリックというややグレーがかったパステル調のブルーで、一目見て感じが良いと思わせる色合いだ。

車両重量は、2280kgで、4WDのeトロンGTのほうが、後輪駆動のタイカンよりも150kgほど重い。これはフロントにもモーターを搭載して駆動しているからだろう。因みに、ギアは、フロントが1段、リアが2段となっている。

価格は税込み1399万円である。タイカンでこれに対応するタイカン4Sは1489万円であるから、90万円ほど安い。試乗車はオプション装備として、レザーフリーパッケージが30万円、1サイズアップの20インチのアルミホイール/タイヤが16万円で、このクルマにはピレリチンチェラートP7 245/45R20、285/40R20が装着されていた。

更にデコラティブパネルウォルナットナチュラルグレーブラウン、要するにウッドを使用したダッシュに10万円、ブレーキタングステンカーバイドコーティングに35万円、LEDヘッドライトやeトロンスポーツサウンド、シートヒーターなどのテクノロジーパッケージに67万円という事で、合計158万円のオプションが装着されていた。

走り始めて直ちに気が付くこと

ドライバーズシートに着座してみると、タイカンよりも立体的なダッシュボードが広がっている。ウッド素材をうまく使用して、とても落ち着いた雰囲気だ。

スイッチ類は、タイカンとは位置も操作も異なっているが、操作の基本は同じなので、すぐに慣れる。

走り始めて直ちに気が付くのは、タイカンよりもボディサイズの把握がし易いことである。タイカンはフェンダーの峰のRの形状が、外に向かってきつくなっているため、視覚的に実際よりも大きく感じてしまうが、峰の無いeトロンGTでは、その逆で、ストレスが全くない。

ステアリングはバックスキンで、フラットボトムとなっているが、これは、ある意味ギミックに過ぎず、違和感は拭えなった。通常のスポーツカーレベルのギア比では、1回転近くも回すことがあるので、タイトコーナーの脱出ではどうもしっくりこない。しかもバックスキンは意外と滑りやすいのだ。操舵力そのものは、タイカンよりはやや重めで、切り込めば切り込むだけ的確に曲がってくれる。直進性もよい。

試乗車はEスポ―ツサウンドが装備されているので、常にモーター音が耳に入ってくるが、決して大きくは無く、不快な感じはしない。モーターの出力は、定格で200kW、最高出力で390kW、最大トルク640Nmで、タイカンよりもやや高出力だ。しかし、実際に乗ってみての差異は殆ど感じられない。

アクセルを踏み込めばいくらでも鋭い加速ができるので、つい踏み込んでしまうが、これを繰り返すとかなり電費に影響してしまう。

このクルマの場合、電力回生のコントロールはシフトパドルを操作することにより、2段階に換えることができる。この操作はワンタッチなので、タイカンよりも操作性ははるかに良い。

充電/電費関連のレポート

航続距離は、カタログ上、何と534kmと記されているが、バッテリー容量はタイカンと同じ93.4kWhであるから、通常の使用では大きく変わらないのではないかと想像していたが、やはりその通りで、クルマを受け取った際に満充電にしたら、走行可能距離は425kmと表示された。

その後、川崎から甲府まで、主に中央道を走行した後に充電をしてみると、残距離は更に減り、409kmとなったから、ほぼ、タイカンと同じという結論だ。しかし、実用上は、400kmを上回れば殆ど問題はない。勿論、心理的にも。

私の場合、充電環境は整っており、日常で頻繁に往復している川崎 甲府間で、川崎のガレージにも、甲府の旅館にもポルシェの8kWの普通充電器があるので問題はない。因みに川際に戻ってきた際に、287km残の時点(約3分の2)で、通常の3kWの充電器を使ってみると、何と9時間37分かかり、一方、8kWでは3時間45分であった。

これは計算通りの結果で、やはり、このような高性能なEVには、8kWの充電器は必須だし、急速でも、最低90kW、できれば、150kWが欲しいところだ。

しかし、ポルシェ・アウディ・プレミアム・チャージングアライアンスがこの秋に延期されてしまったように、国内のインフラの整備の遅れは痛い。

最近、漸く、マンションでも、充電設備を装備する例が増えてきて、更に補助金も設定されたようだから、今後は、かなり改善されるのではないかと期待したい。

eトロンGT、ワインディングの走り

eトロンGTは、その名の通りスポーツカーというよりもGTであることを標榜していると思うが、ワインディングではどのような走りなのか、いつもの撮影場所と、昇仙峡への裏道のタイトなコーナーの連続を試してみた。

回り込んだコーナーなどでは、最初に少しだけ切っ掛けを与え、その後、リアに加重をのせて、ステアリングを切り込みながら、半ば強引にアクセルを踏み込んでゆくと、うまくバランスしてそのままの姿勢で脱出してゆく。その過程でも、コントロールしやすいのでとても楽しい。

後輪駆動のタイカンでは、後輪に荷重を載せ、リアのパワーだけで回り込んでゆく感じだが、4駆では、かなり異なると思う。

この時のセッティングはサスペンションもパワーもダイナミック・レンジにした。撮影も含めて、2時間ほど走ってみたが、この時の電力消費はほぼ、普段の倍であった。

強大なトルクなので、むしろ、ワインディングのコントロールは、内燃機関のクルマよりしやすいのではないかと思う。因みにこの後の充電時には、走行可能距離がいきなり396kmまで減ってしまったのは仕方ない。

最終の充電は、川崎のガレージで8kWの充電器を使用して行った。この時の残電力量は36%、144km走行可能な状況であった。満充電までの所要時間は8時間30分で、走行可能距離は大分復活して400km丁度となった。

2週間に亘ってアウディeトロンGTに試乗したトータルの距離は404kmとなった。偶々多忙な時期と重なり、普段よりも試乗距離は短かったが、eトロンGTについては、理解できたつもりだ。

GTの名に相応しく、高速道路のツーリングなどは、剛性の極めて高いボディと、節度がありながらも適度に柔らかいサスペンションで、非常に快適に走ることが出来る。

室内はeトロンサウンドが僅かにするだけであるから、バング&オルフセンのシステムで、好みのサウンドを聞きたくなるのも、EVならでは、である。

因みに、この間の充電回数は、4回、8kWでの充電時間は合計17.28時間となったので、消費電力は凡そ140kWh程度である。最近の電力価格を1kWh、20円とすれば、約2800円の燃料代という事になるはずだ。

仮にハイオクガソリンを使用しているスポーツカーで、平均燃費を9km/L(1L180円として)とすれば、1kmあたりの燃料代は20円となる。これに対し、eトロンGTなら6.9円で、その差は歴然としている。

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みんなのコメント

6件
  • フィスカーカルマってわかる人今いるかな?
    あれに準ずるぐらい4ドアクーペに見えないかっこいいフォルム
    アウディはクーペスタイル作るのが上手ですね
    綺麗なサッシュレスドアでハッチバックだからこその
    この綺麗で無駄のないスタイリングだと思います
    これで内燃機関だったらS7から即買い替え候補だったなぁ
  • アウディの4ドアクーペはカッコいい。
    A5とA7のスポーツバックも秀逸。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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