■2020年に価格高騰! 25年ルール適用でアメリカに流出しそうな旧車とは
アメリカではクルマは右側通行で、右ハンドルの乗用車での走行は危険とされ輸入は認められていません。
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しかし、中古車を輸入する際に「25年ルール」と呼ばれる「クラシックカー登録制度」があり、生産から25年以上経過している車については排出ガス検査もなく、右ハンドルのクルマでも登録できます。
そのため、日本製スポーツカーがアメリカで大変な人気となり、なかでも日産「R32型 スカイラインGT-R」の中古車は安かったため、大量にアメリカへ渡り、いまでは異常なほど価格が高騰しています。
スカイライン以外でもJDM(Japanese Domestic Market)と呼ばれる日本専用車が人気です。
そこで、1995年に製造され、2020年に25年ルールの対象となるクルマのなかから、アメリカで人気となりそうなモデル5車種をピックアップして紹介します。
●ホンダ「DC2型 インテグラタイプR」
全車DOHCエンジンを搭載し、スポーティなイメージで1985年に発売されたホンダ「クイントインテグラ」は、アメリカでもアキュラ「インテグラ」として販売されていました。
国内でも2代目からは「インテグラ」のネーミングになり、1993年に3代目へモデルチェンジしました。しかし、丸型プロジェクター4灯式ヘッドライトのデザインは好みが分かれ、国内では不人気となってしまったことから、1995年のマイナーチェンジで国内仕様は横長の一体薄型ヘッドライトに変更されました。
また「NSXタイプR」で高い評価を得た「タイプR」を、インテグラにも展開。レーシングカーのテイストと圧倒的なドライビングプレジャーを得られる、究極のFFスポーツモデルを目指した「インテグラタイプR」が登場します。
エンジンは1.8リッター直列4気筒DOHC VTECを搭載し、最高出力200馬力を発揮。自然吸気エンジンとしては当時世界最高峰のリッターあたり111馬力を誇りました。
日本仕様と北米仕様のタイプRはフロントフェイスのデザインが異なるため、JDM車を好むマニアたちから人気となることは間違いありません。また、4ドア版も輸出されていないので、人気が出るでしょう。
すでにインテグラタイプRはアメリカで異常な価格高騰が始まっていますので、日本の中古車の争奪戦が起こるのではないでしょうか。
●日産「R33型 スカイラインGT-R」
1993年に登場した「R33型 スカイライン」は、3ナンバーサイズとなり室内空間は広く、コーナーリング性能も高められていました。
そして1995年に高性能エンジンと4WDシステム「アテーサE-TS」を先代から継承した「R33型 スカイラインGT-R」が発売されました。
搭載されたエンジンは、2.6リッター直列6気筒DOHCツインターボで最高出力280馬力を発揮。タイヤの進化やブレーキ性能の向上、サスペンションセッティングの最適化により、走行性能が向上。
R32型GT-Rと同様に日本国内専用モデルだったため、間違いなくアメリカのカーマニアたちは狙っていると思われます。
しかし、すでに高騰が始まっており、物件数も減っていますが、2020年にはさらなる価格高騰があるかもしれません。
また、R32型GT-Rの価格が高騰したことや中古車流通数が減ったことで、2リッターエンジンを搭載するR32型の「GTS-t」グレードも価格が上がっているため、R33型でも同様の現象が起こる可能性が高いです。
現在はお買い得モデルとなっているR33型の「GTS25」グレードは、いまが狙い目かもしれません。
●トヨタ「AE111型 カローラレビン/スプリンタートレノ」
1995年のモデルチェンジで登場したトヨタ「AE111型 カローラレビン/スプリンタートレノ」は、先代のAE101型から大幅に軽量化された車重と、スーパーストラットサスペンションのセッティングが煮詰められたことにより、気持ち良くドライブできるFFスポーツクーペです。
搭載されたパワーユニットは、先代まで存在した170馬力を発揮するスーパーチャージャー仕様が消滅し、代わりに165馬力を誇る1.6リッター直列4気筒DOHC20バルブエンジンがトップグレードに採用されました。
最後のFR駆動のレビン/トレノである「AE86型」は、すでに価格高騰が顕著ですが「AE92型」以降のFFモデルは、まだ価格高騰していません。
しかし、スカイラインGT-Rと同様に、安いからこそ人気が出て、価格高騰の可能性があります。またレビン/トレノの最終モデルでもありアメリカには輸出されていません。気になる人は海外への流出が始まる前に手に入れておいたほうが良いでしょう。
■JDM人気で価格高騰しそうなセダンとは!?
●三菱「ランサーエボリューションIII」
1992年に「戦うクルマ」としてデビューした「ランサーエボリューション」は、世界ラリー選手権への参戦を目的に開発され、その名前の通り進化を続けました。
第1世代の2代目「ランサーエボリューションII」ではエンジンの出力向上だけでなく、ハンドリングが向上し曲がりやすい4WDへ進化しました。
そして、1995年に登場した第1世代の3代目となる「ランサーエボリューションIII」では、ターボの改良や、圧縮比の見直しによりピックアップの良い高回転型エンジンとなります。
4G63型直列4気筒ターボエンジンの最高出力は270馬力まで高められ、フロントバンパー開口部の拡大によるクーリング性能の向上や、エアダムとリアスポイラーが大型化されるなど、大きなダウンフォースを得られるように改良されました。
このランサーエボリューションIIIをベースにしたマシンで、世界ラリー選手権では優勝を重ね、1996年にはドライバーのトミ・マキネンが初のドライバーズタイトルを獲得するなど、第1世代のランサーエボリューションの完成形とも呼ばれています。
ランサーエボリューションIIIはアメリカには輸出されておらず、JDM車両としてさらに人気が高まると思われます。
●トヨタ「10代目 クラウン」
1995年に10代目となるトヨタ「クラウン」が発売されました。9代目から大きく異なる点として、シャシが完全なモノコックになり、ホイールベースが延びて室内スペースは拡大し、車重は9代目から100kg以上軽量化されます。
ボディは4ドアハードトップがメインで、4ドアセダンは主に法人向けのモデルとして販売。
重厚なイメージのフロントフェイスと太いCピラーが特徴で、スマートなイメージと力強さが共存するデザインとなっていました。
搭載されたエンジンは、ガソリンはすべて直列6気筒DOHCで、最高出力は2リッターが135馬力、2.5リッターが180馬力、VVT-i付3リッターが220馬力で、97馬力を発揮する2.4リッター直列4気筒ディーゼルターボの4種がラインナップ。
クラウンは一部地域への輸出があったのみで、ほぼ国内専用車という位置付けです。ほかのJDM車両とは趣が異なりますが、あえてレクサスとは違うトヨタの高級車を欲しがる層からは人気が出そうです。
※ ※ ※
前述のとおり、スカイラインGT-Rの価格高騰はアメリカへの流出からでしたが、まだ25年ルールが適用されないR34型も尋常ではない価格高騰が続いています。
R32型に引きずられて高騰したと思われますが、人気があると欲しくなるのは仕方ないことで、ほかにもアメリカと関係なく、高騰している旧車もあります。
新車価格を上まわるような価格になってしまうと、さすがに手が出せません。いったいいつまで、旧車の価格高騰が続くのでしょうか。
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GT-Rは高騰して、なんちゃってが増えるかもしれないね