運営元:外車王SOKEN
著者 :木谷 宗義
ユーザー数8300万人!外出自粛要請のいまこそ、オフ会の代わりにLINEによるオンライン飲み会を
1990年代前半まで、アルファロメオというメーカーのクルマは、ほんの一部のカーマニアのためのクルマでした。
なぜって、手頃な価格の「155」は左ハンドルのMTしか設定がなく、上級モデルの「164」はスポーツセダンを求めるにはちょっと違う。しかも、まだ「輸入車はよく壊れる」と言われていたころのクルマ(しかもイタリア車)だから……。
そんな敷居の高いアルファロメオを一気に身近にしてくれたのが、1997年に登場、1998年に日本上陸を果たした「156」です(イチゴーロクって読みます)。
そんな古いイタリア車、大丈夫なの?と思われるかもしれませんが、中古車マニアーズ的には“そんな古いイタリア車”だからこそ、オススメしたいのであります。
■アルファロメオ史に残るヒット作
156は世界的にもヒットしたモデルで、21世紀に向かうアルファロメオの方向性を決めたモデルであるといっても過言ではありません。
ヒットの背景には、走りのバランスのよさや高まった信頼性などなどいくつもの理由がありますが、その最大の要因はカーデザイナー、ウォルター・デ・シルヴァ(のちにゴルフ7なども手がける)による流麗なデザインにあるでしょう。
▲リアのドアノブをサッシに組み込むデザインは156が走り
1980年代の日本車も顔負けのカクカクスタイルだった155から一変して、曲線美という言葉がピッタリなグラマラスでスリークなスタイリングは、ドイツ車にもフランス車にも決して真似のできない気品と色気を兼ね備えたものでした。日本でも発売直後から、ヒット。最初の1年で2500台以上を販売する実績を残しています(とはいえ、ゴルフより1ケタ少ないところがイタリア車です)。
しかし、日本でのヒットはそのスタイリングだけが要因ではありません。冒頭の155を思い出してみてください。155には“左MT”しかなかったことを……!
そう、156では、ついに右ハンドルのATが登場したのです。
「2.0ツインスパーク」と「2.5 V6」の2グレードで導入されたこのクルマは、以前の155とは異なり全車右ハンドルで発売。どちらもMT(2.0が5速、V6が6速)のほか、2.0ツインスパークには「セレスピード」と呼ばれる2ペダルMTが、2.5 V6には「Q-SYSTEM」と呼ばれるATが設定されました。
▲インテリアはクラシカルな雰囲気を残すデザインとされた
念願の“右ハンAT”登場により、それまでアルファロメオに手を出せなかった人たちの手にわたり、さらにデザインに惹かれてアルファロメオを知った人たちもこぞって買い……と、販売面では絶好調(似た理由でプジョー206も売れましたね)。価格が359万円~と、BMW 318i(これもMTがあった)より安かったのも、追い風となったことは間違いないでしょう。
2000年頃の景色を知っている人なら、156が決して珍しいクルマではなかったことを覚えているのではないでしょうか?
■売れたクルマだけにタマ数が多い
では、なぜ中古車マニアーズ的に注目なのか? それはやっぱり“売れたクルマ”だから。タマ数が多ければ、たとえ生存率は低くても、残る数は多いというもの。しかも、最終モデルでも15年以上が経過した今、程度の悪いクルマは減り、大事にされてきた個体だけが残っていくタイミングにきていると言えます。
中古車情報サイトを見れば、10万キロを大きく超えるような走行距離すうの個体も少なくありませんが、これは“それだけ走ってくることができた実績”と見るべき。もちろん、消耗品の交換タイミングはあるかもしれませんが、20年前後も生き残れただけの信頼性を持った個体だとも言えるのです。
▲「アルファスポーツワゴン」というワゴンボディもラインナップ
もちろん、古ければ古いほど、そして多走行であれば多走行であるほど、内外装のヘタりや痛みはあるでしょう。この時代のイタリア車の宿命ともいうべき、内外パネルのベタつきは避けられません。でも、“運転することの楽しさ”がアルファロメオを所有する最大の喜び。内外装のヤレは許してあげたいところです。
詳しい人ならば、セレスピードの故障を気にするかもしれません。たしかに、決して信頼性の高いシステムではありませんが、壊れるものはとっくに壊れています(笑)。いま生き残っているのは、幾多のトラブルを乗り越えてきた“整備済み品”である場合も多いですし、予防や修理に実績を持つショップもたくさんあります。それにセレスピードが怖ければ、MTやトルコンATのV6を選べばいいのです(V6サウンドもたまらなくイイ!)。それよりも、センサー類や電装系、エアコンなど心配のほうが大きいかもしれません。
ちなみに、156のモデルライフは「ツインスパークと2.5 V6」の初期モデル、「JTSとV6」の中期モデル、「JTSとV6のジウジアーロ顔」の後期モデルの大きく3期にわけられます。さらに、3.2リッターのスペチアーレなGTAというモデルも設定されました。
▲ジョルジェット・ジウジアーロによる後期型フェイス
信頼性というのは新車時のことであって、20年も経ったら関係ない!というのが中古車マニアーズ的な考え方。どれが絶対的に信頼性が高いとか低いということはなく、どれもメンテナンス状況次第なので(しいて言えば直噴のJTSか)、その個体の整備歴やショップさんの信頼度で選ぶことが失敗しない道でしょう。
▲3.2リッターエンジンを搭載する156GTA
■この先こんな身軽なセダンは生まれてこない!
現行世代の「ジュリア」や「ステルヴィオ」も、アルファロメオらしいスポーティで軽快なハンドリングを持つモデルであることは間違いなくて、それはそれで欲しくなる魅力がたくさんあるのですが、全長4430mm×全幅1755mm、車重1300kgという156のような小型軽量なセダンが生まれてくることは、もうないでしょう。しかも、NA(自然吸気)エンジンとなれば、さらに難しいはず。
▲見ても乗っても濃厚イタリア車!
20世紀アルファロメオの集大成とも言うべき156は、これからも色褪せることのない名車であると言えるのです。特に、1979年の「アルファ6(セイ)」に由来するV6エンジンの官能的なサウンドは、マニアーズならシビれること間違いなし(20世紀の無形文化財といったら大げさ?)。
中古輸入車は15年前後で底値を迎え、20年が経つと上昇。30年が経過するとヴィンテージ価格になっていく、というのが定説です。今、156は底値を過ぎて希少価値が出てくるころ。そういう意味でも、中古車マニアーズ的に外せない1台なのです(ハッチバックの147もあるけどね)。20世紀の香り漂うアルファ156で濃厚イタ車ライフ、なんともマニアーズでいい選択ではありませんか!?
[画像/アルファロメオ・ライター/木谷宗義]
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
「すごい多重事故…」 関越道で「トラックなど3台が衝突」発生! 2車線が一時通行規制で「通過時間70分」の大渋滞 圏央道も混雑
“45年ぶり”マツダ「サバンナGT」復活!? まさかの「オープン仕様」&斬新“レトロ顔”がサイコー!ワイドボディも魅力の「RXカブリオレ」とは?
「運転席の横に“クルマが踊っている”スイッチがありますが、押したら滑りますか?」 謎のスイッチの意味は? 知らない「使い方」とは
「すごい衝突事故…」 東富士五湖道路が一時「上下線通行止め!」 ミニバンが「横向き」で“全車線”ふさぐ… 富士吉田で国道も渋滞発生中
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
ついにその瞬間がやってきた!!!!! シビックベースの70年代風GTカー[ミツオカM55]が限定100台800万円で販売!!!!! 即売必至か?
「前を走るパトカー」“追い越し”て大丈夫? 抜かす派VS抜かない派で賛否両論!? 「やっちゃダメ」な要注意項目とは
トヨタ「和製スーパーカー」がスゴイ! 約500馬力「直6」風エンジン搭載&“スケスケ”な超ロングノーズ仕様! ワイドでカッコイイ「FT-1」とは?
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
音がいいし、走りが楽しい、また美しい車
V6spiderに買い換えました
こちらも申し分なし
ハンドリングもクイック、大き過ぎず良いサイズ感で、
今は亡き愛犬といつもドライブしていました。