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KTM、再建に向けて巨額の融資を獲得。債務支払い期限に間に合わせる……MotoGPプロジェクトの今後は依然不透明

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KTM、再建に向けて巨額の融資を獲得。債務支払い期限に間に合わせる……MotoGPプロジェクトの今後は依然不透明

 KTMは5月20日に再編に向けて必要としていた融資が承認されたことを発表。これによって昨年から続いていたKTMの経営危機は去り、再建計画のさらなる推進が進みそうだ。

 KTMは親会社ピエラー・モビリティAGを含めて深刻な財政危機に見舞われており、2024年11月には自主破産し、再建に向けた取り組みが進められてきた。

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 再建プランでは負債の30%となる約6億ユーロ(940億円)が現金で5月末までに支払われることとなっていたが、その支払に向けた融資計画が遂にまとまった。

 5月20日に行なわれた臨時の投資家向け発表には、こう記されている。

「ピエラー・モビリティAGとKTM AGは必要とされる契約締結を条件に、融資コミットメントを獲得した。これによりKTM AG、KTM Components GmbH、KTM Forschungs、Entwicklungs GmbHの再編計画を遂行するための割当額が、2025年5月23日までに予定通り履行される」

 この巨額の融資計画を取りまとめたのは、KTMの大口株主であるバジャージ・オートだ。彼らは経営危機が明らかになったあと、既に1度資金を融通していたが、再び救済のために金融機関と共に手を差し伸べたことになる。

 バジャージ・オートもこの件について反応。上場企業であるため、情報開示に一定の法的要件が科されているが、現時点ではバジャージ・オートは適切な時期に必要な情報を開示すると示すに留めた。

 5月19日時点で『ウワサの検証』という題でバジャージ・オートが言及しており、この通知が「2025年5月18日、19日に主要メディアで報じられた様々な報道に関するもの」であり、「当社の100%子会社が海外の金融機関から5億6600万ユーロの融資を受けたこと、並びにその融資がKTM AGの再編資金として使われるのではないかという憶測に関連している」と述べた。

 バジャージ・オートはさらにこう続けている。

「当社の100%子会社であるバジャージ・オート・インターナショナル・ホールディングスBV(オランダ法人)(以下『バジャージ・オートBV』)は、KTM AGの再編計画に参加するため、さまざまな選択肢を交渉、検討中となっている。なお、同再編計画はKTM AGの債権者によって承認された計画に基づいている。バジャージ・オートBVによる再編参加及びその関連契約については現在最終調整段階にあり、必要な情報は追って適切に開示される予定だ」

 今後はこの融資による債務返済が完了するかどうかを見極める必要があるが、レース部門、特にMotoGPプロジェクトの今後については不明なままだ。

 また別の可能性としては、KTMの危機が収束した後、チームがMotoGP参戦を目指す他メーカーへ売却される可能性もあるだろう。現時点では将来がどうなるかは誰にもわからないため、状況を注視する必要がありそうだ。

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