レースの借りはレースで返す。フェルシュホー、戦略武器に逆転V。宮田莉朋16位｜FIA F2ジェッダ フィーチャーレース

　サウジアラビアのジェッダ市街地サーキットで開催されたFIA F2第3戦。4月20日（日）のフィーチャーレースではリチャード・フェルシュホー（MPモータースポーツ）が勝利を収めた。

　前日のスプリントレースとは異なり、タイヤ交換義務のある28周のフィーチャーレース。予選最速となったアストンマーティン育成のジャック・クロフォード（DAMS）がポールポジションにつけ、フロントロウ2番手にウイリアムズ育成のヴィクトー・マルタンス（ARTグランプリ）が並んだ。

　グリッド2列目にはレオナルド・フォルナローリ（インヴィクタ・レーシング）とウイリアムズ育成のルーク・ブラウニング（ハイテック）。レッドブル育成のアービッド・リンドブラッド（カンポス）、マクラーレン育成のアレクサンダー・ダン（ローディン）がその後ろにつけた。

　上位ドライバーの多くはオプション（スーパーソフト）タイヤを選択した一方、スプリントレースの勝利をタイムペナルティで失ったフェルシュホーは、プライム（ハード）タイヤで9番手からスタート。第1スティントを長めに走る戦略を採った。なお、宮田莉朋（ARTグランプリ）は16番手からの出走となった。

　まだ日が高く気温29度、路面温度50度と厳しいコンディションの中フィーチャーレースがスタートすると、クロフォードが蹴り出しよくホールショットを決める。その後ろにマルタンス、フォルナローリ、ブロウニング、ダンと続いていった。宮田はスタートで13番手までポジションを挙げ、セバスチャン・モントーヤ（プレマ）とポジション争いを展開した。

　レース序盤には3番手争いが白熱し、コースオフもありペースを落としたフォルナローリをブラウニングが6周目のホームストレートで抜き去ると、ダンもそれに乗じてオーバーテイクを完了。そのフォルナローリなど多くのオプションスタート勢はその周の終わりにピットに入り、プライムタイヤに切り替えた。

　首位クロフォードや3番手につけていたブロウニングらが7周目終わりにピットイン。2番手マルタンスはそこから1周遅れてタイヤを交換し、クロフォードの前でコース上に戻ることができた。オーバーカット成功だ。

　既に温まったタイヤでクロフォードが迫る中、マルタンスにとっては運良く、一時的にバーチャル・セーフティーカー（VSC）出動となった。

　VSCはコース上にデブリが散乱していたことが原因で、11周目解除されると、クロフォードがターン1でアウト側からマルタンスに仕掛け、ターン2で抜き去ることを狙ったものの、ここではマルタンスが踏ん張りポジションを守った。

　しかしクロフォードはその周の最終コーナーを加速重視で抜け、ホームストレートでマルタンスを攻略した。

　その2台の4秒後ろにはフォルナローリ。タイヤ交換後、ブラウニングとダンが激しいポジション争いを繰り広げる隙を突き、序盤の借りを返した。

　リバース戦略のフェルシュホーは、ライバルが先にピットインを済ませる中、クリーンエアーで快走。23周終わりにピットへ戻りオプションタイヤに履き替えると、クロフォードとマルタンスの間でコースに戻った。

　フェルシュホーはマルタンスを早々に振り切ると、クロフォードを猛追。27周目にDRSの圏内まで接近し、最終コーナーで後方にピタリとつけると28周目に入るホームストレートで抜き去って首位に立った。

　フェルシュホーはそのままファイナルラップを周り、トップチェッカー。前日の忘れ物を自らの手で取り返した。2位にクロフォード、3位にマルタンスというトップ3だった。

　宮田は最終的に16位という結果となった。

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朝起きたら失格になってるパターンにならないことを祈る