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毎日見ている道路の「白線」や「数字」のペイント! 施工方法に素材に滑りやすさまで「白線トリビア」をまとめたら奥深すぎた

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毎日見ている道路の「白線」や「数字」のペイント! 施工方法に素材に滑りやすさまで「白線トリビア」をまとめたら奥深すぎた

 この記事をまとめると

■普段意識することがあまりない道路の「白線」について詳しく紹介

白と黄色と破線と実線……はみ出してもいいのはドレ? 勘違いしている人も多い「道路の中央線」の種類と意味

■白線の正式名称は「区画線」や「道路標示」で、サイズなどの規定が存在する

■施行方法は「ペイント式」や「溶融式」などがあり、耐久性にも差がある

 じつは大事な「白線」についておさらい

 クルマを運転しているとき、ふだんはあまり気にとめていないのに、それがなくなったときに意外と困るのが道路に引かれた白線です。一般の道路には当たり前にあるので重要とは思っていませんが、たまに地方の山道などを走っていて白線がない区間に入ると、どの位置を走行したらいいのか迷いが生まれて、白線に頼って走っていたんだなあ、と再認識させられたりします。

 ここではその道路の白線について、すこし掘り下げてみたいと思います。

■普段「白線」と呼んでいるけど、正式名称は?

 道路に引かれた白線は、その道路の利用のガイドとなる標識、標示のなかに含まれていて、路面に引かれたものは「区画線」および「道路標示」と呼ばれます。路肩に設置される道路標識とのコンビネーションで、走行中の運転者や歩行者にできるだけ速やかに案内、誘導、警戒、規制、指示などが認識されるように工夫されています。

 基本は黒っぽい色のアスファルトとのコントラストを大きくして識別しやすいように白色が使われますが、警告や強調の目的では黄色やほかの色が使われることもあります。標示は不変のものと思っている人も少なくないかもしれませんが、使われはじめた大正時代から、交通の状況や環境の変化に合わせて細かくアップデートされて現在に至っているようです。

■白線の引き方に決まりはある?

 無造作に引いているようにも思えますが、白線や道路標示は国土交通省によってサイズや太さなどがしっかり決められています。たとえば対面通行の境界を表す白線(正式名は『車両通行帯境界線』)の場合、線の幅は法令で10~20cmとなっていて、その範囲のなかで、線の種類や、都市部か地方か、速度が低いか高いかなどによって標準値が分類されています。

 破線の場合も線の幅は実線と同じく用途ごとに決められています。基本は線の部分が5mで、間隔も5mですが、国道は線の部分が6mで、間隔は9mと違いがあります。これは想定速度の違いによるものでしょう。

 速度制限を示すペイントも決まりがあります。例えば40km/h制限の「40」の文字では、文字の長さが5m、2桁合計の幅が1.2mです。線の幅は、縦線が15cmで、横線は広く45cmとなっています。これはドライバーの目線で斜めに見たときに同じような太さになるように計算されたもののようです。

 交通の要であるがゆえに求められる要件は多い

■白線は何でできている?

 道路は重たいクルマやトラックが、グリップのいいゴムのタイヤで走っているため、摩耗しにくい素材である必要があります。そして紫外線やオイルなどへの耐性と変色しにくさ、夜間での視認性向上など、求められる要件はけっこう多いのです。

 線や文字などの単純な標示は「ペイント式」と「溶融式」と呼ばれる2種類が使われています。工事現場を通る際に施工のようすを見たことがあれば、「ああ、あの湯気を立たせながら施工しているアレか!」と思い当たる人もいるでしょう。それが溶融式です。

 溶融式の素材は、色の発色をよくする顔料や反射材、摩耗しにくさをもたせる硬質骨材などの固定成分と、合成樹脂を調合した熱可塑性化合物でできています。反射材はほとんどが細かいガラスビーズで、夜にヘッドライトが当たると白線がキラキラ光るのはこのガラスビーズが光を反射させているおかげです。

「熱可塑性」というのは、常温だと固形ですが熱すると液状になる特性の素材で、湯気が立っているのはその熱を加えているためです。トラックに搭載した粉末状の材料を溶融釜に入れ、約180度に熱して液状にして、施工機で路面に一定の厚さで塗り重ねていきます。自然に温度が下がれば固形になり、路面に定着します。

 また、環境への影響が心配される区間では、影響が少ない水性の塗料が使われるケースも増えているようです。そこに使われるのがペイント式の塗料で、溶融式と同様の固定成分を水性の合成樹脂に混ぜたものです。そして、スクールゾーン標示などの、形状や色使いが複雑なものには「溶融シート」とよばれる手法が使われているケースもあるようです。これはあらかじめシート状に加工された溶融材を、路面に設置してバーナーで炙って定着させるというものです。

■白線の耐久性

 白線は施工したあと、どれくらいきれいな状態を保つのでしょうか? 先述のように素材もいくつかにわかれていて、交通量や降雪地域など、その負担の度合いによってけっこう違いますが、平均的な交通量の道では、溶融式の線の場合は約1年で摩耗の限界を迎えるというのが目安のようです。ペイント式の塗料の場合はその半分以下となっています。思ったよりも保ちはよくありませんね。

■白線の滑りやすさ

 余談ですが、オートバイ乗りの間では雨の日には白線に載らないように走るというセオリーがあり、白線=滑るというイメージが定着しています。水に濡れたときの摩擦の具合をあらわす値である「BPN」は、アスファルトだと40BPN~70BPN、いっぽうの路面標示用塗料では40BPN~50BPNとなっていて、数値ではあまり違いが見られませんが、これは施工直後の測定値のようで、摩耗が進んだ白線の場合は数値が低くなるため、滑りやすくなるということのようです。

 ちなみに、雨でもっとも滑りやすいマンホールのフタは、BPN値20BPN~40BPNとアスファルトの半分くらいだそうです。

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みんなのコメント

3件
  • ハンセン
    ゼブラじゃないんだ。
  • tnw
    田畑数枚分の部分を縁故名前結婚者が揺るぎない温暖化と共に駆け抜けるは日本の半導体産業の暴力だと思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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