現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【4代目へ一新】アウディA3セダン TFSIへ試乗 アウディらしいコンパクト

ここから本文です

【4代目へ一新】アウディA3セダン TFSIへ試乗 アウディらしいコンパクト

掲載 更新 2
【4代目へ一新】アウディA3セダン TFSIへ試乗 アウディらしいコンパクト

述べ58モデルへと拡大したアウディ

text:Matt Prior(マット・プライヤー)

【画像】A3サルーンとドイツ製ライバル 全79枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


2001年は、17種のモデルを販売ていたアウディ。2020年には、58モデルを抱えるブランドへと成長している。新しいアウディA3サルーンもその1台。あらゆるモデルレンジの隙間を、埋めようとしているのだろう。

全長は4495mmへと成長し、トランクの広さは425Lに。かつてのA4へ並ぶ実用性を獲得したといえる。

最新のA3サルーンも、いってしまえば5ドアハッチバックのA3スポーツバックに、トランクリッドを付けたモデル。フォルクスワーゲン・グループのMQBプラットフォームを土台とする。

リア・サスペンションが、A3共通で独立懸架式となるのが特長。英国での価格は2万8380ポンド(380万円)から。上級グレードなら4万ポンド(536万円)に届く。

今回の試乗はドイツで、クルマは左ハンドルの35 TFSI。英国や日本へ導入されるモデルとは異なることは、ご了承いただきたい。

スポーティな見た目のSラインで、18インチのホイールを履く。インテリアはエディション1と呼ばれる装いで、より上級な仕立てになっていた。

35に搭載されるのは、1.5Lの4気筒ターボ・ガソリンエンジン。生み出す最高出力は149psだ。トランスミッションは7速デュアルクラッチATで、電圧48Vによるマイルド・ハイブリッドを搭載する。一方でMTを選ぶと、マイルド・ハイブリッドは省かれる。

精錬されたアウディらしい淡白さ

ベースモデルでも装備は充実。デュアルゾーン・エアコンにモニター式のデジタルメーター、10.1インチのインフォテインメント・システム用モニターを備える。スマートフォンとのミラーリングも可能だ。

ありがたいことに、アウディはエアコンの操作をモニターに組み込んでいない。一方で車線維持支援システムは標準でオンのままで、切り替えはモニター上でしか行えない。

マルチメディア・インターフェイス(MMI)はタッチモニター式となったことで、やや混雑した見た目の印象が軽減されている。センターコンソールからは、大きなシフトノブも姿を消している。

そのかわり光沢の強いパネルが全体を覆い、空間を有効に活用できているとも思えない。ロータリー・コントローラーの方が、インターフェイスとしては便利だとも思う。

インテリアのデザインは角張った造形が目立ち、先代より個性を増している。ランボルギーニ・ウラカンにインスパイアされたのだろうか。知覚品質に優れ、素材の選択も良い。車内下部には、硬質なプラスティックも用いられているが。

前席は広々としており、人間工学的にも良好。以前のA3より改善されている。後席は頭上スペースが狭い。リアシートの実用性を重視するなら、スポーツバックを選んだ方が良いかもしれない。

A3セダンの運転体験は、精錬されたアウディらしい、淡白さがある。目立つ部分がないものの、不満もない。

タイヤは、17インチから19インチまで、グレードによって選べる。試乗車はSラインで、18インチの225/40というサイズのタイヤを履いていた。

アウディを堅実に表現したクルマ

アダプディブダンパーを装備し、硬い設定でも柔らかい設定でも、乗り心地は充分に良い。試乗車は前輪駆動だったが、高速道路での安定性は高く、郊外の道でも機敏に走る。

ステアリングは、車線維持支援システムの介入があった時に感触が変化するが、基本的には正確で反応に優れる。それ以外の動的性能も、合理的で滑らかで、よく煮詰められている。期待通りといえるだろう。

駆動系統の仕上がりも好印象。目立って反応に優れるわけではないが、滑らかだ。スターター・ジェネレーター(ISG)を搭載し、アイドリングストップからの再始動もスムーズ。高速道路でアクセルを放した時も、エンジンはストップする。

ただし昔のMT車でクラッチを切った時のように、完全な滑走状態にはならない。ISGは運動エネルギーを電気エネルギーとして回収するためだ。

以前のレポートでは、ブレーキのフィーリングの悪さが指摘されていたが、筆者は気にならなかった。

全体としては、目新しい体験ははない。それでも輝く4リングスのブランドとして、日常的な扱いやすさの中に、優れた技術が搭載されている。新しいA3も、アウディを堅実に表現したようなクルマだと思う。

アウディA3セダン 35 TFSI エディション1(欧州仕様)のスペック

価格:3万2490ポンド(435万円)
全長:4495mm
全幅:1816mm
全高:1425mm
最高速度:231km/h
0-100km/h加速:8.4秒
燃費:16.7km/L
CO2排出量:136g/km
乾燥重量:1395kg
パワートレイン:直列4気筒1498ccターボチャージャー+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力:149ps/5000-6000rpm
最大トルク:25.3kg-m/1500-3500rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック

こんな記事も読まれています

アストンマーティン代表、ストロールへの裁定は厳しいと語る「しっかりと理解されないまま判定が下された」/F1第5戦
アストンマーティン代表、ストロールへの裁定は厳しいと語る「しっかりと理解されないまま判定が下された」/F1第5戦
AUTOSPORT web
ヨシムラSERTが転倒後に追い上げ優勝、3ART綿貫も3位。TSR、Étoileは無念のリタイア/EWC第1戦ル・マン24時間
ヨシムラSERTが転倒後に追い上げ優勝、3ART綿貫も3位。TSR、Étoileは無念のリタイア/EWC第1戦ル・マン24時間
AUTOSPORT web
ホンダの「V8スポーツカー」!? 500馬力超えの「FRマシン」! “NSX後継機”目された「HSV-010」とは
ホンダの「V8スポーツカー」!? 500馬力超えの「FRマシン」! “NSX後継機”目された「HSV-010」とは
くるまのニュース
アルファ・ロメオ 車名に "ケチ" つけた政治家へ苦言「名前より雇用守る努力をせよ」 中国企業に危機感
アルファ・ロメオ 車名に "ケチ" つけた政治家へ苦言「名前より雇用守る努力をせよ」 中国企業に危機感
AUTOCAR JAPAN
「彼は僕を見てさえいなかった」リカルド、接触時のストロールのオンボード映像を見て激怒/F1第5戦
「彼は僕を見てさえいなかった」リカルド、接触時のストロールのオンボード映像を見て激怒/F1第5戦
AUTOSPORT web
ハースのヒュルケンベルグが10位「最大限の結果を出した。重要な1点」小松代表は「完璧なレース」と喜ぶ/F1中国GP
ハースのヒュルケンベルグが10位「最大限の結果を出した。重要な1点」小松代表は「完璧なレース」と喜ぶ/F1中国GP
AUTOSPORT web
アロンソ「セーフティカーで戦略変更も、良いレースに。1周でいいからトップを走りたかったけどね」/F1中国GP
アロンソ「セーフティカーで戦略変更も、良いレースに。1周でいいからトップを走りたかったけどね」/F1中国GP
AUTOSPORT web
乗って納得の「ロープライス実力派」 ホンダWR-Vは背伸びしない、等身大のパートナー
乗って納得の「ロープライス実力派」 ホンダWR-Vは背伸びしない、等身大のパートナー
AUTOCAR JAPAN
ハミルトン「極端なセットアップ変更が、かつてないレベルのアンダーステアを引き起こした」メルセデス/F1中国GP
ハミルトン「極端なセットアップ変更が、かつてないレベルのアンダーステアを引き起こした」メルセデス/F1中国GP
AUTOSPORT web
経験を信じたWRTとリスクを避けたマンタイ。雨中のタイヤ選択がLMGT3上位の明暗分ける/WECイモラ
経験を信じたWRTとリスクを避けたマンタイ。雨中のタイヤ選択がLMGT3上位の明暗分ける/WECイモラ
AUTOSPORT web
レクサスが新たな「小さな高級車」展示! 全長4.2m級でも上質さ健在!? 「LBX」の実車見たユーザーの反響は? in 菅生
レクサスが新たな「小さな高級車」展示! 全長4.2m級でも上質さ健在!? 「LBX」の実車見たユーザーの反響は? in 菅生
くるまのニュース
【カーコーティング技術を住宅設備に】総合家庭用品メーカー「レック」と「KeePer技研」が共同企画した家庭用水まわりコーティング剤が販売開始
【カーコーティング技術を住宅設備に】総合家庭用品メーカー「レック」と「KeePer技研」が共同企画した家庭用水まわりコーティング剤が販売開始
driver@web
先行ピットインを決めたディクソンが逆転勝利。初参戦プルシェールは11位完走/インディカー第2戦
先行ピットインを決めたディクソンが逆転勝利。初参戦プルシェールは11位完走/インディカー第2戦
AUTOSPORT web
ランボルギーニと「ザ・ホワイトストライプス」が20年の時を経てコラボした理由とは? アナログからデジタルへ時代を超越した芸術作品でした!
ランボルギーニと「ザ・ホワイトストライプス」が20年の時を経てコラボした理由とは? アナログからデジタルへ時代を超越した芸術作品でした!
Auto Messe Web
併走するクルマへの目潰しでしかないのにナゼやる? 斜め後ろに「白色ライト」を点灯して走行するトラックは法令違反だった!!
併走するクルマへの目潰しでしかないのにナゼやる? 斜め後ろに「白色ライト」を点灯して走行するトラックは法令違反だった!!
WEB CARTOP
愛車の履歴書──Vol35. 益若つばささん(後編)
愛車の履歴書──Vol35. 益若つばささん(後編)
GQ JAPAN
ジャガーに新しい可能性を見た──新型F-PACE試乗記
ジャガーに新しい可能性を見た──新型F-PACE試乗記
GQ JAPAN
便利な「ドライブレコーダー」 まさかの「バッテリー上がり」招く可能性も!? 「駐車監視」の注意点とは
便利な「ドライブレコーダー」 まさかの「バッテリー上がり」招く可能性も!? 「駐車監視」の注意点とは
くるまのニュース

みんなのコメント

2件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

355.0528.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

76.0458.0万円

中古車を検索
A3(セダン)の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

355.0528.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

76.0458.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村