2025年に注目するべきアートトピックス──瀬戸芸やあいち2025、M+とコラボした国立新美術館の展覧会など

瀬戸内国際芸術祭や国際芸術祭「あいち2025」など、2025年は芸術祭が数多く開催される。さらに、後半には現代美術の大型展覧会も予定されているので、夏から～冬にかけてのアートカレンダーを更新しよう。

1.今年は芸術祭が目白押し

非日常のアート体験ができるイベントとしてますます注目される芸術祭。今年は、3年に1度開催され、瀬戸内の島々を舞台に、国内外から100万人の来訪者を集めるほどの人気を誇る現代アートの祭典、瀬戸内国際芸術祭の開催年であり、他にも日本各地で多くの芸術祭が開催される。京都市内各所で催されるKYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭は、歴史ある都市空間をめぐりながら国内外の写真を楽しむことができるイベントだ。

また、芸術祭の内容を知る上で芸術監督の存在も重要なポイントだが、西洋に偏らないアートの発展に貢献してきたフール・アル・カシミが芸術監督を務める国際芸術祭「あいち2025」は、多様性の新たな世界観を提示してくれるだろう。

フランス出身のアーティスト、フィリップ・パレーノをディレクターに迎えた岡山芸術交流2025では、街全体を作品に見立てた展示やパフォーマンスを企画する。

現代アーティスト・中村政人が総合ディレクターを務める千葉国際芸術祭2025では、市民参加型のプロジェクトを展開。作家ならではの野心的な試みに注目だ。4月から12月まで日本の各地で行われる芸術祭を目的地にして、アートな旅のスケジュールをたててみよう。

KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭会期：4月12日（土）～5月11日（日）
会場：京都文化博物館 別館、京都新聞ビル 地下1F&1F、両足院など京都市内15カ所

瀬戸内国際芸術祭2025春会期：4月18日（金）～5月25日（日）
夏会期：8月1日（金）～8月31日（日）
秋会期：10月3日（金）～11月9日（日）
会場：瀬戸内の島々と沿岸部の全17エリア

千葉国際芸術祭2025会期：4月～12月（コア期間9月下旬～11月下旬）
会場：千葉市花見川周辺エリア、千葉市動物公園、西千葉エリアなど

国際芸術祭「あいち2025」会期：9月13日（土）～11月30日（日）
会場：愛知芸術文化センター、愛知県陶磁美術館、瀬戸市のまちなか

岡山芸術交流2025会期：9月26日（金）～11月24日（月）
会場：岡山城・岡山後楽園周辺エリア

2.現代美術の大型展覧会

国立新美術館は香港の現代美術館M+との共同企画で、平成元年と東日本大震災がおこった2011年に挟まれた20年間に焦点を当てた展示を行う。東京都現代美術館の開館30周年記念展は国内外の作家の多彩な試みに期待大だ。

日本の現代美術と世界 1989-2010（仮称）会期：9月3日（水）～12月8日（月）
会場：国立新美術館 企画展示室1E

開館30周年記念展会期：8月23日（土）～11月24日（月）
会場：東京都現代美術館企画展示室 1F/B2F

3.Tokyo Gendaiが9月に移行

世界中から屈指のギャラリーが集う国際アートフェア「Tokyo Gendai」は、トークプログラムや展示企画も充実。また今年はアーティストアワード「Hana Artist Award」が新設される。

Tokyo Gendai一般会期：9月12日（金）～9月14日（日）
会場：パシフィコ横浜 C/Dホール

文・富田秋子
編集・遠藤加奈（GQ）