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中国で日産「シルフィ」なぜ人気? 日本ではパッとしないのに中国で爆売する理由

■販売台数は衰え知らず。中国で圧倒的な人気を誇る、日産「シルフィ」

 クルマは、販売される国や地域によって人気のモデルが大きく異なります。なかでも、日産「シルフィ」は中国で絶大な人気を誇るセダンモデルで、2018年には年間で48万1216台も販売しています。

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 対する日本市場では、月販/年間ともに50位まで公表されている販売台数ランキングに名前を連ねていません。なお、2018年年間販売台数の50位はレクサス「NX300h」の8712台となり、シルフィは年間で5000台にも満たないといわれています。

 なぜ、これほどまでシルフィの人気に差があるのでしょうか。

 世界の自動車業界情報を提供しているマークラインズ株式会社によると、中国におけるシルフィの年別販売実績は、2016年が36万7979台、2017年は40万5854台、そして2018年は前述の48万1216台(前年比18.57%)です。

 また、2019年上半期(1月から6月)では、21万2317台(前年比+0.8%)と、驚異的な売上を年々伸ばし続けています。

 日本の人気車種と比較すると、2018年度の国内販売台数のランキングトップは、普通車では日産「ノート」が13万6324台、軽自動車ではホンダ「N-BOX」は23万9706台となり、2倍から3倍程度の差です。

 2019年4月に開催された上海モーターショーでは、新型シルフィが発表されて大きな話題となりました。

 以前までは、北米においてスポーティなデザインが好まれる一方で、中国ではギラギラとした豪華なデザインが好まれるのがこれまでのセダンの定説でしたが、日産デザインの特徴といえる「Vモーショングリル」と呼ばれるフロントグリルを大きく変更され、従来のセダンのイメージよりもスポーティな雰囲気に変更されています。

 パワートレインは、1.6リッターガソリンエンジンにCVTを組み合わせたもので、プラットフォームは、新設計のものが使われた結果、従来モデルでも特徴的だった広い後席足元空間はさらに拡大されました。

 中国と日本のシルフィ人気について、日産は次のように話します。

――中国で人気の理由を教えてください。

 2006年に中国市場への投入以来、シルフィは中国の家族をターゲットとして、業界をリードする空間の快適性、燃料効率、信頼性でニーズを満たしています。

 さらに、マーケティングによってシルフィのコアアドバンテージを強調することで、中国の家族層においてユニークな製品の位置づけを確立しました。

 これらの理由から、シルフィは中国での自動車市場の激しい競争のなかで支持いただいております。

――日本で中国ほどヒットしていない理由とは?

 2019年8月までの累計で、初代ブルーバードシルフィ(初代G10型)からの累計は29万1277台です。3代目のシルフィ(B17型)からの累計は3万7172台になります。

 中国では、セダンが人気なのに対して、日本では市場の3割から4割を軽自動車が占めております。また、独立したトランクスペースを持たず、より空間効率が優れているSUVやミニバンが人気を高めていることも要因のひとつと考えられます。

■ヒットのワケは、「中国文化との関係」と「日産のブランド力向上」

 初代「ブルーバード シルフィ」は、2000年に登場しました。その後、2代目(2005年)、3代目(2012年)とフルモデルチェンジを繰り返し、3代目ではブルーバードの名が外れてシルフィと車名に変わりました。

 3代目モデルは、中国をはじめとしたアジア圏以外でも世界的に広く販売されているモデルとなり、北米市場などでは「セントラ」として、オセアニア市場では「パルサーセダン」、台湾市場では「スーパーセントラ/セントラエアロ」として販売されています。
 
 中国でのシルフィ人気の理由には、「中国文化との関係」と「日産のブランド力向上」の2点が大きなポイントとされています。

「中国文化との関係」とは、中国には家族や親戚を大事にするという文化が強く浸透しており、これにシルフィがヒットしている、という点です。

 家族など多人数でクルマを利用する際は、機能性とデザイン性の両立がポイントとされています。シルフィは、広い後部座席や高い収納性があると同時に、端正な見た目や高級感のある内装と、機能とデザインを両立しているため、ユーザーの満足度が高く人気を博しているといわれています。

 もうひとつの「日産のブランド力向上」とは、中国市場において日産の製品が売り上げを伸ばしている点です。中国市場での日産製品の販売台数は、2015年では約90万台、2016年には100万台、2018年は110万台と、年々数字を伸ばしています。メーカーとしての信頼度や人気が高まったことも、シルフィの人気により拍車をかけている状況です。

※ ※ ※

 2018年、日産はニッサンブランドとして初めて中国市場に投入する電気自動車として、電気自動車「リーフ」の技術を採用して開発された「シルフィ ゼロ・エミッション」の生産を開始。ベース車は旧型モデルですが、将来的には新型モデルに代わるといいます。

 なお、日本への導入について、日産は「現時点で日本への導入は決定していません」と説明しています。しかし、電気自動車と新型モデルの登場によって、中国をはじめとした世界的なシルフィ人気は今後も続きそうです。