飛行機の中でWi-Fiが使えるようになったのはいつ頃から?
航空機内でのWi-Fi接続によるインターネット利用は、今や乗客にとって不可欠なサービスになっています。
【画像】飛行機の機内Wi-Fiはもうすぐ超高速ネットが使えるようになる!? その歴史を写真で振り返る(15枚)
しかし、使ってみると日常の通信速度よりもはるかに遅いことに気付きます。
そんな中で航空各社はこの課題を解決しようとさまざまな対応策を取り始めています。今回はこの機内Wi-Fiの現状と今後について解説します。
今から10年とちょっと前まで、ドアが閉まると必ず指示されていたのが、携帯電話の電源を切ることです。
機内Wi-Fiが当たり前になった今では信じられないことかもしれませんが、これは携帯電話の通信による計器類への影響を防ぐことが目的でした。
しかし、乗客にしてみれば1時間程度の国内線なら我慢はできても、10時間を超える国際線となればこの間は外部との通信が一切できなくなり、ひたすら寝るか映画を見るかの選択を強いられていたのです。
もちろん、これをメリットとして捉える人も一定数はいたと思います。
普段から仕事に追われて休む間がない人にとって、この隔絶した空間はこの上ない地福の時間だったのかもしれません。しかし、多くの人にとっては外部とつながらない悶々とした時間を過ごすことになっていたのです。
それが大きく変わり始めたのは、2010年頃に米系航空会社で機内Wi-Fiサービスが提供され始めてからです。
これをきっかけに2012年7月には日本航空(以下:JAL)も国際線機内でのインターネット接続サービスを開始。その後、2014年3月には全日空(以下:ANA)も追随し、他の航空会社も次々と機内Wi-Fiサービスを導入。これにより、有料ではあるものの、機内でのネット接続が一気に普及する時代となったのです。
じつは機内Wi-Fiによるネット接続は、それよりも前、2004年にボーイング社がサービスを提供したことがありました。
日本ではJALもANAも国際線の一部路線でこのサービスを利用し、たとえばJALは有料サービス「JAL SkyOnline」として、東京(成田)-ロンドン線で提供を開始したのです。しかし、当時はスマートフォンもない時代で利用率は上がらず、ボーイング社はわずか2年でサービスを終了。これが世に広まることはありませんでした。
それから6年が経ち、この間にiPhoneが登場するとスマートフォンは人々の日常生活にすっかり浸透し、地下鉄を含め移動中でもネットとつながることが当たり前の時代へと大きく変化しました。特に長時間のフライトとなる国際線でのネット接続を求める声はますます高まっていたというわけです。
機内Wi-Fiには国際線も国内線にも大きな課題が
そして、この機内Wi-Fiの導入は国内線でも進みます。
2014年7月、JALが日本国内で最初に対応し、ANAもこれに追従する形で2016年1月からスタートさせました。ただ、当初はJALもANAも国際線と同様に有料でのサービスとなっており、その料金も時間や距離に応じて課金され、さらにはスマートフォンとタブレットでは料金が違うなど、決して使いやすいものではなかったと記憶しています。
そんな利用者の声が反映されたのか、2017年7月、JALは国内線の機内Wi-Fi接続を無料で楽しめる「ずっとWi-Fi無料宣言!」を発表。ANAも2018年4月から無料化に踏み切り、ここから国内線での機内Wi-Fi無料の時代が始まったのです。
この背景には、北陸新幹線との競合があったと言われています。北陸新幹線は2015年に長野-金沢間が開業し、この影響で東京-小松など北陸方面への乗客減少が見られ、機内Wi-Fi無料化はその対策の一環だったというわけです。
もちろん、北陸新幹線にも無料Wi-Fiは備えられていましたが、長野-金沢間はトンネルが多く、開業当初は通信ができない時間帯がほとんどという問題がありました(現在は改善済み)。そのため、JALもANAも搭乗中はずっとインターネット接続ができるとして、ビジネスマンなどにそのメリットをアピールしたのです。
しかし、機内Wi-Fiには国際線も国内線も大きな課題を抱えていました。通信速度が極めて遅い上に、特に国際線ではエリアによっては接続が不安定になるといった現象が発生していたのです。
私もこれは実感していて、北に行くほど通信状態が不安定になりやすいように感じました。たとえば、北米へ向かう途中のベーリング海上空に差しかかると、決まって接続ができなくなる時間が増えていったのです。
さらにウクライナ戦争の影響で今はロシア上空を飛行することができなくなり、ヨーロッパへ向かうときはこのベーリング海から北極圏を経由するルートを通ります。すると北へ向かうほど衛星との仰角の関係から電波が捉えにくくなり、14時間のフライト中で4時間ほどはつながりにくい状況が生まれているのです。
ではどうしてこのような問題が発生してしまうのでしょうか。
近い将来 超高速Wi−Fiも実現か
そもそも、機内Wi-Fiの仕組みは大きく2種類あります。
ひとつは人工衛星を使うもので、この場合は機体の上部にアンテナが取り付けられ、高軌道の静止衛星を介して地上と通信することでインターネットへ接続されます。海上での移動が多い国際線ではこの方法が一般的ですが、日本は国内線でも海上での移動が多いためにこの方法が採用されています。
もうひとつは地上に設置された基地局と直接通信する方法で、この場合、アンテナは機体の下側に取り付けられます。
大陸を移動することが多い、たとえばアメリカ国内線ではこの方法が採用されていますが、この方法では海上を移動するフライトの設定はできなくなります。そのため、日本ではこの方法を採用する例はありません。
それぞれにメリット/デメリットがあるわけですが、やはり使い勝手の面で不便を強いられているのは高軌道の静止衛星を使う方法でしょう。衛星を介して通信するためにどうしても通信速度が遅くなる上に、静止衛星から離れる北極圏では通信がほぼできない状態が続いてしまう傾向にあるからです。
こうした状況を改善する方法として期待されているのが、スペースX社が提供する低軌道衛星によるインターネットアクセス「スターリンク(Starlink)」です。
これはスマートフォンで地上局の電波が圏外になっても通信ができるというサービスとして生まれ、日本ではauがこれを無料で使えるプランを用意したことで注目を集めました。実は、このサービスを機内Wi-Fiでも活用することで、通信速度の改善や北極圏での安定した通信に役立てようという動きが始まっているのです。
米軍がスターリンクを使って北極圏で9か月間にわたるテストを行った結果、信頼できる通信システムであることを証明したとの報道もあり、機内Wi-Fiでの期待値は極めて高くなっていると言って間違いないでしょう。
また、2024年2月には、現在Wi-FiサービスをJALに提供している米インテルサット社が、同社の静止衛星とパートナー企業の低軌道衛星を組み合わせてネットワークを構成する「マルチオーピット」による北極圏での実験に成功しました。
JALは2026年より同社が導入を予定する「ボーイング737 MAX」にこの方式を採用することを発表。これによりJALは、これまでにない広いカバー率と低遅延性を乗客に提供できるとしています。
実は、JALは2024年10月より、これまでのWebサイト閲覧やメールなどのテキスト通信の利用に加えて、YouTubeなどストリーミング配信の動画視聴サービス利用を可能にしています。これは日本の航空会社では初めてのことで、こうした対応は乗客にとっても大きなメリットをもたらしたと言えるでしょう。
今後はスターリンクなど低軌道衛星の活用により、飛行機で移動中でもあっても日常とさほど変わらない超高速でのネット接続が可能になるかもしれません。
これが実現すれば、飛行機での移動がこれまで以上に楽しく快適になっていくことは間違いなく、そんな進化を遂げていく機内Wi-Fiには大いに期待したいと思います。
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みんなのコメント
助詞(格助詞)の使い方が不適切。
「サービスの利用 “が” 」としたいのであれば、その後の結びの文章は「可能になっています」とするべきであり、「可能にしています」と結びたいのであれば「サービスの利用 “を” 」とするべき。
“乗り物オタク” の個人ブログではなく、広告を掲載したWEBサイトの記事の “売り物の文章” であるのだから、日本語の基本的な文法ぐらいしっかり学んで身に付けて頂きたい。
機外カメラと搭乗機の運航状況を見せといてくれんかな
ボイスレコーダーまで聴きたいとは言わんから