「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は「ダイハツ ブーン ルミナス/トヨタ パッソ セッテ」だ。
ダイハツ ブーン ルミナス/トヨタ パッソ セッテ(2008年)
「プチバン」とも呼ばれる、コンパクト ミニバンの販売が好調だ。これ1台で何でもこなすオールマイティ性の高いスタイルに、ダウンサイジングの風潮やイニシアル&ランニングコストの低減を意識すると、確かにこのカテゴリーが台頭してくる。もちろん、現在のトップランナーはホンダのフリードだ。
●【くるま問答】ガソリンの給油口、はて? 右か左か、車内からでも一発で見分ける方法教えます(2020.01.21)
そこにまた、いかにも売れそうな1台(2台?)として登場したのが、このルミナスとセッテ。当然だがベースとなったのはブーンとパッソ。したがって企画も製作もダイハツが担当し、トヨタへはOEM供給となる。
そもそもこのクルマが生まれた経緯は、軽から普通車への移行組に向けてのフォローから始まっている。じつは、その移行組は月に4500台ほどあるそうで、そのうち必要に迫られての3列シートへの乗り換えは27%に及ぶ。こうしたニーズは、軽が持つコンパクトさのメリットは維持した上で、でも3列シートが必要というもので、けっして大きなミニバンが欲しいワケではない。つまり、ウィッシュやストリームでも大きすぎるというのだ。
スライドドアにしなかったのも、それが理由のひとつ。とにかく、サイズも価格も抑えるためだ。そしてもうひとつは、ファミリーっぽさを極力払拭したいということにあったのである。これはターゲットとなる「アラサー&アラフォー」世代の声によるもの。「独身の友だちや子供のいないお隣の奥様はカッコいいクルマに乗っている。私だって所帯じみたファミリーカーよりもカッコいいクルマに乗りたい!」という本音に応えたものなのだ。
クルマを企画する段階で、きっちり実際のユーザーが見えているために、その要望にも確実に応えていこうと努めている。したがってユーティリティ面も、女性の日常生活に必要な装備がふんだんに盛り込まれている。たとえば、狭い街中で使うことを考慮した5.2mの最小回転半径。セパレートかベンチかを、グレードによって選択できる1列目シートという具合だ。
ちなみにこのシート配列は、かなりの重要課題。ウオークスルーは前後と左右どちらが優先かというのは、子供の年齢を含めたライフスタイルによって、ずいぶん変わってくるからだ。そして言うまでもなく、2列目以降もうまくレイアウトされている。2列目のスライド量は大きめに、3列目の足元は2列目のシート下にきちんと収まるなど、フル乗車でも無理せず座れるような絶妙な配置だ。さらに基本的には3列目は普段はたたんでおくことを前提に作られているので、ラゲッジスペースはその状態で考えた方がいい。
パワー的にはフル乗車+フル積載でもまったく問題なし。ストップ&ゴーの多い一般道でも、むやみにアクセルを踏み込まずとも「スルスル~ッ」と加速していってしまう余力に、少々ビックリさせられたほど。形状的に横風も受けるし、タイヤサイズも小さいので、高速でカッ飛ばすというわけにはいかないが、それくらいゆとりがあると思ってもらえばいい。
一方で乗り心地に関しては、5名乗車を標準に設定してあるため、1~2名だと路面によっては少しハードに感じられる。逆に7名乗車でも底づき感はなく、1クラス上のクルマのような重厚感やドッシリ感が伝わってくるくらいだ。つまり、いちばん不安要素を払拭したい場面で、しっかり感が感じられる設定になっているということなのだろう。3列ミニバンとしてのミニマムサイズを追求したルミナスとセッテ、いかにも売れそうなクルマだ。
■ダイハツ ブーン ルミナス CX 主要諸元
●全長×全幅×全高:4180(4195)×1695×1620mm
●ホイールベース:2750mm
●車両重量:1190kg
●エンジン種類:直4 DOHC
●排気量:1495cc
●最高出力:80kW<109ps>/6000rpm
●最大トルク:141Nm<14.4kgm>/4400rpm
●トランスミッション:4速AT
●駆動方式:横置きFF
●10・15モード燃費:21.0km/L(19.6)
●タイヤ:185/55R15
●当時の車両価格<税込み>:173万5000円(186万5000円)
( )内はパッソ セッテS
[ アルバム : ブーン ルミナス/ パッソ セッテ はオリジナルサイトでご覧ください ]
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
四国と関西をつなぐ「紀淡海峡大橋」はいつできる? 新たな本四連絡橋で関西圏に環状道路網の誕生なるか。
既存モデルの新車の「バックカメラ」が5月から義務化されます 本当にバック事故対策になるのでしょうか?
ホンダ 新型「プレリュード」まもなく復活!? 次期型“流麗クーペ”は「デートカー」それとも「スポーツカー」? 歴代初の「タイプR」登場はあるのか
かつて全盛だった「ステーションワゴン」なぜ人気低下? 国産ワゴンは絶滅寸前!? それでもワゴンが良い理由とは
ホンダのスゴい「新型軽バン」発売延期! 「100万円台」なるか 斬新「前後2人乗り」で注目も! 6月に価格発表、どんな声集まる?
みんなのコメント