毎年鮮やかなペインティングと確かなカスタマイズ力で、魅力的なクルマを展示する花壇自動車大学校のブース。通算12台目となる今回は、初の軽自動車&EVがベース車両となった。一体どんな仕上がりになったのか。花壇らしさが溢れるエクステリアのペイントに注目しながら見ていこう。
文/写真:佐々木 亘
なにやら自動車大学校がとんでもない[EV]を制作したらしい…
【画像ギャラリー】eKがこんなになるなんて誰が想像できるのよ!! 花壇自動車大学校さんお見事です!!(10枚)
■メインの作業が「修理」から「カスタム」へ
今までとは違った「スタートライン」
例年、面白そうな中古車を入手してレストア作業から入るカスタムカー作りだったが、今年は三菱自動車工業からeKクロスEVをオートサロン出展車両として提供してもらった花壇自動車大学校。
そのため、いつものような溶接や修理の作業はだいぶ少なくなり、その時間をカスタマイズに全力投球できたという。
ベース車両が軽自動車でEVという、過去にないクルマになったことで、生徒たちには一瞬戸惑いがあったようだが、それも最初だけ。作業をしていくうちにどんどんと愛着が湧いていき、カスタマイズのアイディアも数多く出た。
テーマは「町にも溶け込むアクティブな車」に決まり、eKクロスの持つ可愛らしさや力強さを損なわずに、タフなイメージを追加するようなカスタムに仕上げている。例年とは違う経験をした生徒たちは、卒業生たちとはまた違う、強みを手に入れたようだった。
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■EVだからこその苦労
EVで挑戦することの難しさ。もちろん一筋縄ではいかなかった
カスタマイズは、一旦センサーや駆動用バッテリー、内外装を取り外すところから始まる。EVをバラバラにするというのも、これからの未来を背負って立つ整備士にとっては、貴重な経験になった。
まず、大径タイヤを装着するために、ライトやセンサー類を移植する。バンパーやフェンダーをPP溶接や切り貼りで加工した。特にオーバーフェンダーの位置決めには、かなり苦労したようだ。ドアの開閉時に当たってしまう状況を、いかにして逃がすのかをイメージするのが難しかったという。
またリアのクォーターを切り取り、オーバーフェンダーを付けたのは給電口がある場所をいじらなければならなくなったときには、「マフラーの無いEVに、あえてマフラーのような給電口を付けたらいいじゃん」と、いいアイディアが浮かんだ。
ココの仕上がりは素晴らしく、給電口が違和感なくボディ後方へ移設されている。クロカンのエクステリアの雰囲気にも非常によくマッチしていた。
かくして、超大径タイヤを装着し、車高をアゲアゲにしたド迫力のeKクロスEVが誕生したのだ。
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■芸術の域に達するエアブラシのペイント
これはもうアートの領域へと足を踏み込んでいるのではないかと思わせられるペイント
毎年、見る者を魅了するエアブラシペイントを施すのが花壇流。今年は、グリーンとブルーでグラデーションをつけ、角度によって色が変わる塗装にしている。その中に「過去と未来」を組み合わせた世界観を繊細に描いていった。
ボディの左右で、少しずつイラストが違うのがまた面白い。運転席側には五重塔や東京タワー、ピラミッドなどが描かれ、サクラや鳥のシルエットが華やかさをプラスする。青のグラデーションを生かした富士山も見事だ。
助手席側にはお城や東京スカイツリー、アフリカの原野をイメージした動物などが並ぶ。サクラに対してこちらはモミジが描かれ、いい対比関係を生み出していた。
エアブラシの技術はもとより、ボディ全体を使った世界観の作り方も見事だ。美しくペンとする花壇自動車大学校の伝統は、これからも継承していってもらいたい。
どこかラジコンがそのまま大きくなったような、親しみやすさも併せ持つ「eK Mobility X」と名付けられたこの車両。若者たちの創造力は、まさに無限大である。
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市販はバネ下こんだけ重かったら電気喰いまくりよ