レクサス「LF-Z」世界初公開！ 電動車10以上を2025年までに投入 高級ブランドの今後はいかに

■2025年までに全車種に電動車を設定へ

　レクサスは、2025年までの実現を見据えている先進技術を盛り込んだEVのコンセプトカー「LF-Zエレクトリファイド」を2021年3月30日に世界初公開しました。
　
　また2025年にはすべての車種に電動車（EV・PHV・HVなど）を設定すると明言していますが、自動車業界が100年に一度の大変革期を迎えるなか、レクサスはどのような戦略を打ち出しているのでしょうか。

　今回発表されたLF-Zエレクトリファイドは、レクサスが東京モーターショー2019で発表した電動化ビジョン「Lexus Electrified」で今後目指すとされた「車両基本性能の大幅な進化」を実現するため、EV専用プラットフォームを採用。

　レクサスが培ってきた電動化技術と車両運動制御技術が融合され、ドライバーの感性に寄り添った走りの進化を目指しているといいます。

　そしてレクサスは2025年までに10以上の電動車を含む約20車種の新型車および改良モデルをグローバルで投入すると発表しました。

　発売される新型車のボディタイプは、旗艦モデルのセダンやSUVのみならず、スポーツモデル、ショーファーカー（専属運転手がVIPを乗せて運転することが想定されるクルマ）の新しい在り方を提示するモデル、そしてこれまでにない新ジャンルのモデルなどさまざまです。

　そのうえで前述のとおり全車電動車となって、電動車の販売比率が純ガソリンエンジン車の比率を上回ることを目指しているといいます。

　2050年には、全ラインナップにおける材料製造、部品製造、車両製造、物流、走行、廃棄およびリサイクルの各段階を含めたライフサイクル全体のカーボンニュートラルを目指したクルマづくりに挑戦するということです。

　この目標を達成するクルマづくりのため、愛知県にある「トヨタテクニカルセンター下山」内にレクサスの新たな事業拠点を開設。

　開発、デザイン、生産技術、企画に携わるスタッフが次世代のクルマづくりに一丸となって取り組むほか、社外パートナーとの共創も促す拠点にするといいます。

　レクサスインターナショナルのプレジデントおよびチーフブランディングオフィサーを務める佐藤恒治氏は次のようにコメントしています。

「世界中でさまざまな困難に直面しながらも、懸命に努力をされているすべての皆様へ、心から敬意を表します。

　我々はカーボンニュートラル社会の実現といった社会的使命を果たしながら、クルマがもたらす楽しさ、喜びをこれからも提供し続けることで、お客さまやレクサスに携わるすべての皆様の幸せと笑顔に貢献してまいります。

　2021年に発表する2車種の新型モデルを皮切りに、多様化するお客さまのライフスタイルに彩りを添える愛車として、新しい価値を提供するモデルを続々と投入してまいります。

　モビリティ社会の未来を創るという強い意志を持ったこれからのレクサスにどうぞご期待ください」

■「スピンドルグリル」から「スピンドルボディ」へ進化

　今回発表された、EV専用プラットフォームが採用されたLF-Zエレクトリファイドはどんな特徴を持つコンセプトカーなのでしょうか。

　エンジン、トランスミッションを介してタイヤを駆動するというパッケージングから開放されたLF-Zエレクトリファイドは、バッテリーやモーターの最適配置によって理想的な慣性諸元を実現。

　さらに新たな四輪駆動力制御技術「DIRECT4」などが採用され、モーター駆動力のレスポンスの良さを活用した高度で自由度の高い運動性能を実現しています。

　前後の駆動輪の独立制御が可能で、FF・FR・AWDなど走行シーンに応じた駆動方式を提供することが可能です。

　またステアバイワイヤが採用され、ドライバーの操作とクルマの挙動がよりシンクロした走行体験をもたらしました。

　ボディサイズは全長4880mm×全幅1960mm×全高1600mm。最高出力400kW・最大トルク700Nmを発揮し、0-100km／h加速は3.0秒を記録。

　バッテリー容量は90kWhで、WLTPモードの一充電航続可能距離は600kmと発表されています。

　LF-Zエレクトリファイドの外観は、レクサスの進化したデザインを示唆するスタディモデルに位置づけられており、エンジンのないEVならではの低いノーズから後方にピークをもたせたキャビンや、大径タイヤが四隅に配された低重心かつワイドなスタンスが特徴です。

　また、レクサスの共通フロントデザイン「スピンドルグリル」を進化させ、ボディ全体のアーキテクチャーとして表現した「スピンドルボディ」という試みが取り入れられており、リアは横一文字の薄型リアコンビネーションランプが特徴的なデザインです。

　内装は、手綱一本で意思疎通を図る人と馬の関係性に着想を得た新コンセプト「Tazuna」に基づきコックピットを設計。ステアリングスイッチとヘッドアップディスプレイが高度に連携し、ドライバーは運転に集中することができます。

　ロングガラスのパノラマルーフも特徴で、車内に開放感をもたらします。調光ガラスが採用されてプライバシーにも配慮されたほか、夜空を移すイルミネーションなどのエンターテインメント機能も用意されました。

　先進機能としてドライバーの嗜好や行動特性を学習するAI技術が搭載され、ドライバーにあわせたドライブルートやレストランの予約を提案するなど、ライフスタイルコンシェルジュとして生活を彩ります。

　またドアの開閉を安全かつスムーズにする「E-Latchシステム」やデジタルキー、次世代型となるマークレビンソンオーディオシステムなど、各種先進装備が搭載されます。

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　カーボンニュートラルや持続可能な開発目標（SDGs）への対応などに加え、ユーザーのライフスタイルや価値観も変化・多様化しているなか、レクサスはこれからも時代やニーズの変化に対応し、変革を果たしていくとしています。

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