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ポルシェ718ボクスター GTS(4) 長期テスト サーキット走行で本領発揮

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ポルシェ718ボクスター GTS(4) 長期テスト サーキット走行で本領発揮

積算9673km フェラーリSF90と好対照

ロンドンの西、スラウの街に位置するフェラーリの北ヨーロッパ支社へ、718ボクスター GTSで乗り付けた。フェラーリSF90 ストラダーレを借りるため。

【画像】高バランスなミドシップ・ポルシェ 718ボクスターと718ケイマン 全77枚

2台は、オールドスクールなスポーツカーの最後と、新技術を搭載した先駆者という意味で対照的といえる。SF90は、ターボエンジンと3基の駆動用モーターを備えるPHEVで、EVモードでの走行も可能だ。

対するミドシップの後輪駆動、3ペダルMTを備える718ボクスターは、かなり従来的。20年後、どちらがより魅力的に映るのだろうか。

積算1万287km ボクスターでサーキット走行

ポルシェ718ボクスターは、サーキット走行を楽しむタイプではないと思われているようだ。重心は低く重量配分にも優れ、ステアリングの反応は直感的。リアタイヤにLSDを装備し、トラクションを掛けたり、テールスライドが自在でも。

ボクスターでレースを楽しんでいる人も、世界中にいるだろう。それでも、サーキット走行に関する話題はあまり挙がらないように感じる。理由はどこにあるのだろう。

固定ルーフを備える718ケイマンの方が、ボディはより強固で、操縦の正確性も高い。ハードな走行への親和性は高く、どちらかといえばサーキットへ近い位置にいることは確かだ。

とはいえ、718ボクスターの剛性感も、他のカブリオレ・モデルと比べれは遥かに高い。サーキットを楽しめる能力を備えていても、気軽に髪を風になびかせて走るクルマ、というイメージが拭えないからかもしれない。

シャシーのバランスと意思疎通のしやすさ

最も日常に近いサーキット走行会も楽しめるクルマを考えた時、マツダMX-5(ロードスター)が筆頭に来るだろう。だがこのロードスターも、日常的に風を楽しめるクルマではある。ボクスターと違ったイメージが形成されていることは、不思議に思える。

では長期テストの718ボクスターをサーキットで楽しんでいるのかと聞かれれば、先日、アストン マーティンが保有するシルバーストーンのストウ・サーキットを走らせる機会があった。撮影の一貫として。

英国のサーキットとしてはあまり一般的な場所ではないが、高速コーナーと低速コーナー、程々にタイトなヘアピンとS字カーブ、2本のストレートなどが組み合わされている。このレイアウトは、公道用モデルを楽しむのにうってつけ。

718ボクスター GTSを限界領域まで攻め込むことができる。アストン マーティン・ヴァルキリーでは、同じように走らないでください、と忠告を受けたが。

予想通り、718ボクスター GTSは楽しかった。グリップ量やターンイン時の鋭さは、よりハイチューンのボクスター・スパイダーには及ばない。しかしシャシーのバランスと意思疎通のしやすさは、同等に優れている。

コーナーの頂点を、可能な限り高い速度で回るだけでも爽快。限界領域付近でリカバリーできる幅が広く、安全性も充分だ。

高バランスなミドシップ・ロードスター

スタビリティも素晴らしく、速度域を問わず、初期のアンダーステアが掴みやすい。ミドシップ・レイアウトでありながら、感心するほど懐が深い。

ブレーキを引きずりながらのターンインや、テール主導のハンドリングなど、ちょっとしたテクニックにも応えてくれる。挙動は掴み取りやすく、テールスライドも強く意識せずに引き出せる。

ポルシェ718ボクスターは、ドライビング・テクニックを覚えるクルマとして優秀。同時に、ドライバーへの充足度も極めて高い。

ただし、よりショートなギア比と、より硬いブレーキペダルの感触が組み合わされば、一層素晴らしいクルマになるだろう。LSDが付いていなくても、アルピーヌA110の方が楽しいことも事実ではある。

それでも、年に数回サーキット走行で軽く汗をかきたいというドライバーにとって、718ボクスター GTSはベストチョイスの1台だ。普段はオープン・ドライブを謳歌できるのだから。高バランスなミドシップ・ロードスターだと思う。

積算1万702km 洗車が報われるボディカラー

久しぶりに718ボクスターを洗車してもらった。普段は自分で洗車しているのだが。最近は長く乗る機会が多く、汚れていた。走行で汚れたスポーツカーの見た目も、意外と嫌いではないのだけれど。

しかし、オプションカラーのカーマイン・レッド塗装は、きれいな状態ではとても見栄えがする。当初は汚れをさほど気にしていなかったのだが、洗ってもらって良かったと思わせるボディカラーだ。

テストデータ

気に入っているトコロ

ホイール:カッコイイ20インチのスポーツホイールを履いている。シルバーなら、もっと良く見えるだろう。

気に入らないトコロ

シフトノブ:変速自体が気に入らないわけではない。ストロークは充分に短いが、フィーリングが乏しく、ギアを変えたというメカニカルな手応えが薄い。

価格

モデル名:ポルシェ718ボクスター GTS 4.0(英国仕様)
新車価格:6万6340ポンド(約1028万円)
テスト車の価格:7万5860ポンド(約1175万円)

テストの記録

燃費:9.6km/L
故障:なし
出費:12ポンド(約1800円/エンジンオイル)

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