この記事をまとめると
■2025フォーミュラジムカーナ女子クラス優勝の竹本 凛選手にインタビュー
「フォーミュラジムカーナ」の初代女王に輝いたのは吉川萌衣選手! 日本一の自動車部所属女子大生はじつは女子クラス新設の立役者だった
■日頃の軽耐久に向けた練習が優勝のカギとなった
■女子クラス攻略には安定性の高い走りが求められる
女子クラスには特殊な走行技術が求められる
11月2日に幕を閉じた2025フォーミュラジムカーナ。全国の自動車部が日本一をかけて争う、アツい戦いが繰り広げられた。
自動車部と言えば、男たちが寄ってたかってクルマをイジり、汗まみれになりながら必死でエアコンレスの競技車両に耐えているイメージ……(⁉︎)。でも、実際は少なからず、自動車競技に勤しむ女子部員も存在しているのだ!
そんな彼女たちのために用意されているのが、フォーミュラジムカーナ女子クラス。2年目から用意された同カテゴリーは今年で2回目の開催となった。
そんな、映えあるフォーミュラジムカーナ女子クラス第2回のチャンピオンとなったのは、兵庫県立大学の竹山 凛選手。今回、我々は試合直後の彼女にインタビューすることに成功した!
──大会お疲れさまでした。そして優勝おめでとうございます! まずは率直に、いまの感想を教えてください。
竹山選手:大会で1位を取るというのは私のなかで初めての体験だったので、本当に嬉しいです!
──それは本当によかったですね! フォーミュラジムカーナに参戦するのは今年が初めてですか?
竹山選手:私は3回生なので、昨年も参加していました。来年も参加しようと思っています。
──それはぜひ連覇を狙って欲しいです! 今年度の女子クラスは、通常のジムカーナ競技のように2本の走行のベストタイムが早い順ではなく、2本の走行のタイム差が小さい順で勝敗が決まるというのが特徴です。イレギュラーな技術が必要なのではないかと思うのですが、どのような戦略を立てましたか?
竹山選手:安定した走りが求められると感じていたので、ひたすら普段の自分の走りを維持して、再現することに徹しました。
──それは経験を積んで安定した走りができないと成せないワザですね。今回の走りの自己評価はどうでしょうか?
竹山選手:「1本目と2本目のタイム差が0秒台」を意気込んでいたのに、結果は1.792秒と1秒を超えてしまったので少し恥ずかしいですが、結果自体には納得していますし嬉しいです。
軽耐久に向けた練習が見事に奏功!
──普段からジムカーナをガンガンやっているんですか?
竹山選手:いえ、ガッツリではないです。とくに大会に出ているわけでもありません。部内でジムカーナ練習をするときくらいですね。兵庫県立大学ではメインの活動として、スズキのHA23V型アルトをみんなで整備して軽耐久に参加しています。なので普段はサーキットを走ることが多いです。
──じゃあジムカーナはサーキットほど慣れてはないんですか⁉︎
竹山選手:そうなんです。いままであまりやったことがなくて……。去年のフォーミュラジムカーナに出場したときが初めてのジムカーナ参戦でした。でも、普段からサーキットでタイムを測りながら走行してるので、自分のタイムを逐一確認して、コンスタントに走ることには慣れていました。それが今回の優勝に生きたと思います。
──ちなみに昨年度と比べるとどうでしょうか? やはり自分の技量の変化などを感じましたか?
竹山選手:去年は指定タイムに近い順に勝敗が決まるというレギュレーションだったので、安定した走りよりもタイムを置きに行く走り方が求められました。私には時間ピッタリにセーブする技術はなかったので、去年は悔しい結果に終わってしまったのですが、今年はむしろ得意分野だったと思います。
──ちなみに、いまの愛車はなんですか?
竹山選手:スズキのスイフトスポーツ(ZC33S型)です。モータースポーツができて人も荷物ものせることができて、2足のわらじ的に使えるので気に入っています。
──愛車でもスポーツ走行しているんですね。自動車部に入る前からずっとクルマが好きなんですか?
竹山選手:じつは大学に入るまではあまり興味がなくて……。高校3年生ぐらいのときに父がMTのスバルBRZを購入し、MTの操作を見て「こんなにかっこいい運転があるんだ」と思ったのがクルマに興味を持ったきっかけです。そこから大学に入学して、自動車同好会(のちに部へと昇格)を見学に行き、サーキットで横乗りさせてもらったときに、「クルマってこんな風に走れるんだ!」と感動して入部を決めました。
──初めて乗せてもらうスポーツ走行中のクルマって、あまりのスピード感で結構な衝撃体験ですよね(笑)。最後に、今後の女子クラス挑戦者に向けてアドバイスはありますか?
竹山選手:まずは日頃からタイムを測って意識して練習を重ねることが大切だと思います。あとはしっかりタイムを残さないと成立しないレギュレーションなので、ミスコースなどをしないように落ち着いて走る精神力が大切になると思います。
ともすれば「速さじゃなくてタイム差の勝負なら簡単なんじゃないの?」と思われてしまいそうな、フォーミュラジムカーナ女子クラスのルール設定。しかし、実態はそんなことはなく、安定したタイムを刻むにはむしろ日頃の走りの完成度の高さが必要となる。
今回のインタビューで、竹山選手の今回の結果も日頃のサーキット走行の賜物だということが実感でき、優勝には鍛錬が欠かせないことが改めて確認できた。
来年度の女子クラスがどのようなレギュレーションとなるかは未定だが、単純な速さより丁寧で着実な走りと戦略が求められることになるだろう。引き続き、目が離せないバトルが続そうだ!
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