後退する際に周囲のクルマにバックする意思を伝えるバックランプ。
車体の両側に装備されているケースが目立つが、ことにスバル車のほとんどは片側だけなのだ。レヴォーグにレガシィアウトバックなどなど、最新モデルも同様で、もはやスバルの伝統なのでは? と思うほど。
球切れかと思ったけど違う!! スバル車のバックランプが片側だけのワケ
でも一体なぜバックランプが片側だけなのか!?
文/マリオ高野、写真/SUBARU
■一部クレームも……逆にカスタムで楽しむユーザーも
車体の両側に装備されているケースが目立つバックランプだが、最近のスバル車は1灯式とする場合が多い。写真のレヴォーグも1灯式だ
“バックランプ片方切れてますよ”とよく指摘される問題。これは「スバル車オーナーあるある」のひとつである。最近のスバル車はバックランプを1灯式とする場合が多く、バックしてるシーンをみると、確かに片側のバックランプが球切れを起こしているように見えやすい。
ディーラーでは、初めてスバル車を買った人から「新車なのにバックランプ切れとは何事だ!」とクレームをつけられることもしばしばだという。
有能なセールスマンは納車日に「このおクルマのバックランプは最初からひとつでして、球切れではございませんのでご了承ください」などと念入りに説明している。
また、ユーザー間では「バックランプの2灯化」は灯火器カスタムの定番になっていたりするなど、ある意味この特徴を楽しんでいる風潮も。
基本的に最近のLEDバックランプはとても明るいので、1灯式でも十分な照射性能を備えており、まわりから球切れを指摘される以外に実用上は特に問題ないのだが、1灯式を採用するようになった理由はどこにあるのだろうか?
■バックランプが1つのワケはリアフォグにあり!? どういうことよ……
スバル XVは2灯式を採用。ほかにもフォレスターやBRZも2灯式を採用する
と言っても、現行型スバル車のすべてが1灯式バックランプを採用しているわけではなく、XVやフォレスター、BRZは2灯式だ。
だからこそ余計に1灯式のレヴォーグなどが隣に並ぶと球切れしているように見えてしまうわけだが、スバルの開発部の中で「バックランプは1灯式が望ましい」という思想や規定があるわけではない。ポイントは最近になって需要が急増した「リヤフォグ」の存在にある。
1990年代までのスバル車は普通に2灯式のバックランプを採用していたが、2003年デビューの4代目レガシィのツーリングワゴンでリヤフォグのLED化を実現(オプション設定)。LED化によりリヤフォグはテールレンズのユニット内ではなく、独立したランプとしてテールゲート内部に配置された。
これは今見てもスッキリとした良いデザインなのだが、1灯だと見た目のシンメトリカル性が崩れてしまう。
かと言ってリヤフォグを2灯にすると明る過ぎて眩しかったり、後続車からブレーキランプの点灯と誤認される可能性も高いことから、安全上の理由により「リヤフォグは1灯式が望ましい」とした。
ランプのデザインは左右対称としつつ、左側はバックランプ、右側はリヤフォグと機能を分けることでこれを解決したのだった。
車種によってはリヤバンパーのサイド部分にリヤフォグを設置しているが、リヤフォグとしての機能を発揮するのは右側だけで、反対側はダミーのリフレクターとなっている。
当時はこのリヤフォグに対して「デザイン的にはバックランプとの共用なのに光るのは1灯にケチるとはけしからん!」と激怒するユーザーもいたらしい。
■リアフォグの装着率向上で標準化! 結果的にバックランプが1つに
スバル WRX S4。リヤバンパー下部の中心にリヤフォグランプがある
そんな中、スバル車はアウトドアユースで使われることが多いせいか、リヤフォグの装着率が非常に高く、標準装備化が進んだ。WRXやXVなど、リヤフォグそのものをデザイン的なポイントの一つとしてリヤバンパー下部の中心部に大きめのランプを配置するモデルも存在する。
その一方で車種によってはリヤバンパーやテールゲートまわりをシンプルなデザインにしたいとの思いもあり、バックランプとのデザインの共用化が採用されるようになっている。
デザイン的にはバックランプとリヤフォグを共用し、左右で点灯の仕方を変える手法だ。
バックランプは白、リヤフォグは赤と発光する色は異なる。スモールランプやブレーキランプ、ハイマウントストップランプ、ウインカーなどリヤまわりの灯火器との配置・配色バランスを最適化した結果ともいう。もちろん、そこには夜間の後退時の後方視界など「0次安全」への配慮が忘れられることはない。
■今度も2種類を続投か!? 技術革新次第で大きく変わる可能性も
バックランプは一つのワケを簡単にまとめると、
・リヤフォグは1灯にしたい
・左右対称デザインを崩したくない(点灯時の色や明るさではなく配置的に)
・なるべくシンプルさを追求(ゴテゴテ感を出したくない)
・余計なモノは増設したくない(コストや車体後端部の重量増を避ける)
との開発側の思いにより、1灯式のバックランプを採用する車種が増えたということになる。
おもにデザイン性との両立が目的なので、今後もクルマのキャラやデザイン次第で2灯式と1灯式を使い分けることになるのだろう。今時のLEDバックランプは1灯式でも十分明るいとはいえ、2灯式はより明るくなるのは間違いないので、可能ならより明るい2灯式を採用したいとの考えもなくなってはいないようだ。
あるいは、将来的にはランプユニットの改善や進化によってバックランプとリヤフォグの両立がさらに上手くはかられるのかも知れない。
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