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ハーレーダビッドソン・スポーツスターS試乗「孤高のスター」とのお付き合いを考える

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ハーレーダビッドソン・スポーツスターS試乗「孤高のスター」とのお付き合いを考える

水冷エンジン、現代的なシャシーのハーレーダビッドソン

世の中には「とにかく人と被りたくない」という気質を持った人間が一定数いる。筆者はまさにその一人だ。
また、難しいものを攻略することに達成感や喜びを求める向きも一定数いる。バイクであれば「乗りこなす」だろうか。
自分にもそんなところがあると思った方は、このスポーツスターSというバイクに触れてみてほしい。

【画像16点】ハーレーダビッドソン・スポーツスターSの装備や特徴、足つきを写真で解説。全カラーも紹介

一般にハーレーと言えば、大排気量の空冷V型エンジンに伝統的なクルーザー系デザインというイメージが強い。
だが、スポーツスターSは現代的なスポーツネイキッドとクルーザーが融合したような異色のデザインだ。また、883ccと1200ccエンジンで長く愛されてきた「スポーツスター」の車名を受け継ぐが、スポーツスターSにその面影は無い。

もしエンブレムを隠した状態で車両を見てもらったら、ハーレーのバイクと認識しない人も多いのではないだろうか。一品物のカスタムバイクだと思われるかもしれない。

車両の「中身」も異色なものだ。エンジンはDOHC4バルブの1252cc水冷V型2気筒で可変バルブタイミング機構付き。122psの最高出力を誇る。
そんなエンジン同様に、車体もまたスポーツバイクのような構成となっている。エンジンを剛性メンバーとしつつ、ステアリングヘッド周りのフロントフレーム、車体後部のフレームがエンジンにくっついているような形。これは軽量化と高剛性化を狙ったもので、車重は228kgとなっている。

スポーツスターSのデビューは2021年で、その際「こんなのハーレーじゃない、スポーツスターじゃない」という反応も耳にしたが、他メーカーを見ても近しいモデルが無いと思う。ハーレーの中で異端というより、そもそも孤高の存在なんじゃなかろうか。

走り出してもクセ強、ただし足つきは良い

スポーツスターSはデビュー以降、性能面にかかわる変更はなかったが、2025年モデルで初の改良を実施。快適性を高めるためリヤサスペンションを刷新し、ストローク量が51mmから82mmに拡大された。それでいて765mmというシート高はキープしているのもポイントだ。

実際足つきはよく、その点はフレンドリーなのだが……走り出すとまあ見た目に違わずクセ強である。真っ先に面食らうのが低い速度でのハンドリングだ。
160/70R17というムッチリ太いがプロファイルはとがっている特殊なフロントタイヤがもたらすものか、最初は抵抗があるのに傾き出すと切れ込むように倒れていく前輪。一方、車体後部はゴロンとゆったり遅れてついてくるような曲がり方をする。

だからといってフラフラするとか怖いとかそういう感じはないのだが、どういう乗り方をすればキレイに気持ちよく曲がれるようになるか、自分はかなり時間をかけて探っていかないとわからないと思う(正解にたどり着けるかは正直自信がない)。
試乗を行ったのは市街地をメインとした一般道と自動車専用道路だったが、試乗会場が峠道だったら自分はかなり緊張しただろう。

その一方、速度を上げていくとどっしりとした安定性を発揮するので「クルーザー」として乗るのが本領なのか? 短時間の試乗では結論は出せず、もし自分がオーナーとなったらとりあえず高速道路を流すような走りを楽しみ、バイクに少し慣れた頃、ワインディングへのツーリングを試みると思う。

エンジンは現代的な水冷V型2気筒らしく、低回転域ではデュクデュクとした音で回していくとギューンと収束していく。レスポンスはリニアで、それこそスポーツネイキッドのよう。低速でも力はあるし、普通に走っている分には扱いやすい。
だが、一気に開けると強烈なダッシュを始める。「ハーレー=ゆったりのんびり」のイメージをぶち壊しながら突進していく。

改良が行われたサスペンションについてだが、デビュー直後に短時間乗っただけなのと、もはや記憶が薄れているので、比較は述べられない。が、今回の試乗では「硬くて辛い」と感じる場面は無かった。

価格は意外にフレンドリー!?

かつてのスポーツスターは「ハーレー入門車」だったり、「大型バイク初心者にもオススメ」的な立ち位置があったけれど、スポーツスターSはどちらも厳しいのではないかと思う。現在その役目は「ナイトスター」、あるいは「X350」「X500」が担う。

それゆえ、街にもツーリングスポットにもスポーツスターSがあふれることはないだろう(こんな言い方をするとハーレーダビッドソンジャパンは良い顔をしないと思うものの……)。
冒頭で述べたように「外しの選択」を考えている人には、うってつけの存在ではないだろうか。繰り返しになるが、筆者も「外しの選択」に惹かれてしまう質である。

最後に、スポーツスターSでは貴重となるフレンドリー要素として、足つき以外に199万8800円~という価格がある。
もちろん金額としては大きいが、「ハーレーだから高い」かというと、そういうものでもない気がする。

ライディングモード、スマートフォン連携機能、クルーズコントロールのほか、走りをサポートする高度な電子制御──バンク角に応じた制御を行うABSとトラクションコントロール、前後輪のリフト制御、エンジンブレーキ制御、後輪スリップ制御もついている。

そうした内容や、そもそも1200ccの大型バイクである点を考えると、納得感がある価格ではないだろうか。

ハーレーダビッドソン スポーツスターS主要諸元(2025年モデル)

[エンジン・性能]
種類:水冷4サイクルV型2気筒DOHC4バルブ ボア・ストローク:105mm×72.3mm 総排気量:1252cc 最高出力:122ps(90kW)/7500rpm 最大トルク:125Nm(12.7kgm)/6000rpm 変速機:6段リターン

[寸法・重量]
全長:2270 全幅:840 全高:── ホイールベース:1520 シート高:765(各mm) タイヤサイズ:F160/70R17 R180/70R16 車両重量:228kg 燃料タンク容量:11.7L

[車体色]
ビリヤードグレー、ビビッドブラック、ブリリアントレッド、ミスティックシフト

[価格]
ビリヤードグレー:199万8800円
ビビッドブラック:203万2900円
ブリリアントレッド:203万8400円
ミスティックシフト:215万2800円

レポート●上野茂岐 写真●ハーレーダビッドソンジャパン

─蛇足ですがスポーツスターの「スター」はSTERで、STARでないのは承知の上です。

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みんなのコメント

3件
  • タ*****
    先日、ハーレーのイベントで初めて実車を近くで見ました。
    「ハーレーはこうあらねばならない」という意識がないので、カッコいいと思いました。
    ただ、今乗っているハーレーとライディングポジションがあまりにも違いすぎて違和感があり、普段はほとんどしませんがいざという時にも二人乗りが出来ないのでそこまで割り切れない印象でした。
    ハーレーを複数持てるほど金持ちでもないので。
  • nasuo
    早く走りたいのかゆったり走りたいのかよくわからんバイク
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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