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80年代の“中免で乗れる4気筒”ブーム 最後発でライバルを圧倒 大ヒットモデルとなったホンダ「CBX400F」は 何がどう凄かった?【昭和の名車】

掲載 更新 31
80年代の“中免で乗れる4気筒”ブーム 最後発でライバルを圧倒 大ヒットモデルとなったホンダ「CBX400F」は 何がどう凄かった?【昭和の名車】

革新的4気筒CBX400Fの技術と魅力全貌

 1980年代、二輪業界では各メーカーがその技術力で鎬(しのぎ)を削っていました。

【画像】40年以上経った今も中古車市場で大人気! ホンダ「CBX400F」を写真で見る(11枚)

 そんななかホンダ「CBX400F」は、400ccクラスで支持を得ていました。どのようなモデルだったのでしょうか。

 1980年代は、二輪の技術が爆発的に進化しました。80年のヤマハ「RZ250」は軽量フレームと35psの水冷2気筒を組み合わせパワーウエイトレシオ3.97kg/psを達成し、バイクブームの口火を切ります。

 1982年登場のホンダ「VT250F」は、世界初の水冷90度Vツインと16インチフロントを導入し、162kgの車重で35psを発揮しつつ燃費45km/Lを実現しました。

 1984年のカワサキ「GPZ900R」は、水冷16バルブ4気筒とフルカウルによって量産車最速級の性能を示し、1985年のスズキ「GSX R750」は油冷DOHC4気筒とアルミフレームで、公道におけるレース装備を体現します。

 1986年のホンダ「VFR750F」は、ギアトレーン駆動V4とアルミツインチューブフレームで静粛かつ高回転域を両立し、BMW「R80 GS」はオンとオフを融合したアドベンチャーという新領域を開拓しました。

 多彩な技術が競い合う市場だった1980年代は、「黄金期」として語られます。

 こうした時代の中、1981年11月に登場したホンダ「スーパースポーツCBX400F」は、400ccクラスに革新的装備を凝縮した中型四気筒として鮮烈なデビューを果たしました。

 開発チームは2気筒中心だった同クラスに得意の4気筒ノウハウを惜しみなく投入し、世界初のインボードベンチレーテッドディスクやブレーキトルクセンサー型アンチダイブ機構TRACを採用して、「走る」「止まる」「曲がる」の質を一段と高めています。

 スタイリングはタンクからリアカウルへ流れるシャープなラインが特徴です。

 クロスした4in2エキゾーストとブーメラン型スポーツコムスターホイールが躍動感を演出し、サイドカバーから覗くフレームワークがメカニカルな印象を強めました。

 車体寸法は全長2060mm×全幅720mm×全高1080mmで、ホイールベースは1380mm。軽量ダブルクレードルフレームと低重心設計が、扱いやすさを支えています。

発売から40年以上経ったいまも人気は健在

 ハンドルはジュラルミン鍛造のセパレートタイプで高い剛性を確保しました。メーターパネルには透過光で光る指針を備えたスピードメーターとタコメーターを配置し、燃料計も標準装備され長距離走行時の安心感が向上しています。

 大型ハロゲンヘッドランプは夜間視界を確保し、リアウインカーとテールランプを一体化したコンビネーションランプが後方認識性を高めました。

 足回りは前後ともエアサスペンションを採用しました。リアには国内400cc初のプログレッシブリンケージサスペンションプロリンクを組み合わせ、量販車として世界初の中空アルミキャストリアフォークが高剛性と軽量化を両立させます。

 インボードディスクとデュアルピストンキャリパーは熱ダレに強い制動力を持続し、ブーメランホイールとチューブレスタイヤの組み合わせがコーナリング時の安定感を底上げしました。

 心臓部の「NC07E型」空冷DOHC16バルブ4気筒は、内径55.0mm×行程42.0mmのショートストローク設計です。圧縮比9.8で最高出力48psを11000rpmで発揮し、最大トルクは3.4kgmを9000rpmで生み出します。

 新設計キャブレターがスムーズな吸気を促し、低中速域から高速域までフラットなトルク特性を実現しました。燃費は60km/h定地で40km/Lを記録しており、17Lタンクと合わせてツーリング性能にも余裕があります。

 メンテナンス面ではロングライフチェーンを採用し、燃料コックをオート化するなど実用性にも配慮しました。

 カラーバリエーションはソリッド仕様とツートン仕様の2系統が用意され、価格はソリッドが47万円(税込、以下同)ツートンが48万5000円です。国内月販計画は5000台と発表され、市場では即完売が続く人気モデルとなりました。

 1982年7月にはフェアリングを標準装備したCBX400Fインテグラが追加されます。耐衝撃性に優れたABS製フェアリングが風圧をライダー上方へ受け流し、方向指示器キャンセル機構を日本で初めて搭載しました。

 価格は54万9000円で年間2万台計画を掲げましたが、こちらも高い需要を獲得。84年モデルを最後に生産を終えたものの、詰め込まれたレース技術と完成度は今も語り継がれています。

※ ※ ※

 CBX400Fは400ccクラスに空冷DOHC16バルブ四気筒と世界初のインボードディスクを持ち込み、エンジン性能と操安性を高い次元で融合させました。

 インテグラ追加を経て84年に幕を下ろしましたが、革新的技術と完成度は現在も評価が高く、中型スポーツの基準として後続モデルに大きな影響を残しています。中古市場での存在感も依然として健在です。(Peacock Blue K.K.)

文:VAGUE Peacock Blue K.K.
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みんなのコメント

31件
  • ken********
    CBR400F発売に伴って販売終了したけど
    後に再販された事には触れないんだ
  • 新井実
    このデザインに最新装備がてんこ盛り、オイルクーラーが標準装備。しかも乗り易くて速いときて売れないわけない。教習車でお世話になったが、当時はもう旧式化で買わなかったが今では300万円とか当たり前。なんかおかしいよ、今の中古車価格。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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