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コロナ&カリーナの光と影 トヨタのビッグネームの系譜がまた途絶えた!!

掲載 更新 30
コロナ&カリーナの光と影 トヨタのビッグネームの系譜がまた途絶えた!!

 

プレミオとアリオンが3月末で生産終了

【前編】佐藤琢磨×原田哲也対談 「オレと琢磨が同じレースで走ってたら、絶対ケンカになるね(笑)」

 昨年トヨタは今年3月末でプレミオ、アリオン、プリウスαの3車種を生産終了することを公表している。プレミオはコロナ、アリオンはカリーナの後継モデルで、栄光のコロナ&カリーナの系譜が途絶えることになる。かつては日本車の中心的存在だったのに、いつから輝きを失ったのか? その光と影にスポットを当てていく。

文/片岡英明
※ベストカー2021年3月26日号より転載

【画像ギャラリー】コロナ&プレミオ計13代とカリーナ&アリオン計9代の系譜を一挙公開!!

■すでにコロナもカリーナも存在しないが、いつから輝きを失ったのか?

 ダットサンの対抗馬として1957年5月に投入したのが、トヨペット「コロナ」だ。クラウンの下のクラスを受け持つファミリーカーで、’59年夏に登場するブルーバードとは宿命のライバルになる。両車は半世紀にわたって「BC戦争」と呼ばれる熾烈な販売合戦を繰り広げた。

コロナが初めて販売ナンバーワンに輝いた3代目は若者からも大人気

 コロナがベストセラーカーの座に就くのは、’64年秋に登場した3代目の時だ。洗練されたデザインに加え、日本初のハードトップや使い勝手のいい5ドアセダンなどを投入し、マイカーブームに火をつけた。また、女性層のハートをも射止めている。人々を魅了したコロナは、55万台を超える販売台数を記録。これ以降はコンサバな設計を貫き通し、保守派のファンを上手に引きつけた。

 コロナとともに忘れることができない個性派が「カリーナ」だ。’70年12月、カローラの上のスポーティセダンとしてトヨタ店に送り出された。プラットフォームやパワートレーンはセリカと同じだったから「足のいいやつ」という謳い文句が評判を呼んでいる。

 ’72年12月、2ドアハードトップと4ドアセダンにDOHCエンジンの1600GTを設定。こだわり派のヤングの取り込みにも成功し、販売台数を伸ばした。

 後半は排ガスや安全対策、オイルショックなどの対応に追われたが、上手に対応し、7年近くも第一線で活躍を続けた。

 この時期のコロナは4代目だが、上にマークIIを設定したため穏やかな性格になっている。

5代目コロナは、安全性能と排ガス対策をメインにまじめなクルマ作りに徹した

 ’73年8月に登場した5代目は予防安全を前面に押し出し、衝撃吸収バンパーや警告ランプを組み込んだOKモニターを採用した。

 コロナ、カリーナ両車とも排ガス対策にも本腰を入れている。

■コロナ、カリーナとも日本人を魅了し続けた

 初代カリーナは、年に10万台前後の販売を記録し、時には兄貴分のコロナを打ち負かした。

初代カリーナは、セリカとパーツを共用し、2ドアセダンと4ドアセダンを設定

 これに続く2代目と3代目も、躍動感あふれるルックスを受け継いだ。ちなみに3代目はコロナとメカニズムを共有し、スポーティな走りに磨きをかけている。また、ワゴンの「サーフ」も新鮮さをアピールした。

 カリーナに肉薄されたコロナは、’82年に送り出した7代目で路線の転換を図り、日本初のツインカムターボなどを投入する。

 ’83年に新規デザインの5ドアを投入したが、駆動方式はキャビンを広くできる前輪駆動だ。秋にはFF方式の4ドアセダンが加わり、正式に8代目コロナを襲名したのである。

 ’85年は両車にとって節目の年だった。セリカがFFスペシャルティカーに生まれ変わったのを機に、コロナにFFの2ドアクーペを、カリーナには4ドアHTの「ED」を設定している。

カリーナEDは背の低い4ドアハードトップブームの火付け役として大ヒット

 そして’87年に登場した9代目コロナと’88年に登場した5代目カリーナではFFの共通プラットフォームを採用。

 ’89年秋、カリーナEDも第2世代に移行し、これを機に双子車のコロナはクーペを廃してEXiVを誕生させた。コロナとカリーナが栄華を誇ったのはここまでだ。

■1990年代以降急激に輝きを失った

 ’90年代になると、週休二日制の定着やアウトドアブームの到来により、セダンとクーペはユーザーから敬遠されるようになった。

 ’92年にコロナとカリーナは相次いで新型になり、新たにフルタイム4WDも送り込んだ。だが、若者離れ、セダン離れは止まらず、販売台数は前作の半分に激減する。

7代目カリーナはコロナにない5MTのGTを設定していた

 そこで軌道修正し、’96年1月に登場する11代目はコロナプレミオを名乗っている。半年後に登場した7代目カリーナもセダンだけに絞った。

 21世紀になるとコロナはプレミオと改名し、44年、11代でコロナの名が消滅する。カリーナも7代で絶え、アリオンとして新たなスタートを切ることになった。

 両車ともミドルクラスでは希少となった5ナンバーサイズの小型車枠を守り通した実用性の高い4ドアセダンだ。

 デビュー時は買い得感の高さと使い勝手のよさがウケ、好調な販売を記録した。その後も年間10万台近くの販売を記録し、’07年には第2世代になっている。良質な小型車が少数だったこともあり、ベテランの人たちに愛された。

 だが、販売は下降線をたどったため、’21年3月をもってプレミオとアリオンは生産を終了する。

2代目プレミオは、セダン受難時代の影響を最も受けたクラスで、このモデルで消滅

 トヨタを引っ張り続けた5ナンバーサイズの名車が密かに消えていくのは、コロナ、カリーナの輝いていた時代を知っている世代としては、とても悲しい。

【画像ギャラリー】コロナ&プレミオ計13代とカリーナ&アリオン計9代の系譜を一挙公開!!

 「コロナ&カリーナの光と影」は2月26日発売『ベストカー』(2021年3月26日号)からの転載です。雑誌には、歴代モデルの「キャッチフレーズ&CMキャラクター」をまとめた一覧表付き。「コロナ&カリーナの派生車」も紹介しています。雑誌もお楽しみいただけますと幸いです。

 2021年3月26日号では、ほかにも気になる記事が盛りだくさん。スクープ「セリカ復活の動きも!?カローラ1.6ターボの衝撃!!トヨタ 加速するスポーツ&電動化戦略」をはじめ、新旧対決で日本車の進化を検証した渾身の特集「21世紀に入って早20年が経過 20世紀最後のクルマvs21世紀最新のクルマ」や、高速道路120km/h時代を迎えた軽自動車の性能をテストする「新東名で実走テスト 軽自動車100km/h vs 120km/h」、人気連載「テリー伊藤のお笑い自動車研究所」など幅広い世代が楽しめる読み物を掲載しています。

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みんなのコメント

30件
  • メーカーばかり責めても仕方あるまい。
    日本人が3列シート子育てミニバンや軽ワゴンばかり買うからこうなっただけの話。
    そんなに小型ないしは中型セダンが欲しければ欲しい人全員でマツダにマツダ2セダンを国内販売してくれと陳情したらどうだ?自校用に売っているのだからまんざら可能性のない話ではあるまい。もちろん代金は一括前払いで値引きゼロで。
  • コロナは父親がタクシードライバーだったので仕事で乗っていました。その十数年後、自分はT140系の四枚「鬼に金棒、ツインカムにターボ」のGT-Tを購入し、乗っていたのが懐かしいです。その後JTCCに出場していたT190のコロナにGTが追加されるのを待つも販売は無く、最終型カリーナのGTを買おうとしましたが、当時勤務していた会社で反対に遭い(他メーカー系の整備工場だった)泣く泣く諦める事に…カローラでは小さく、マークIIだと手が届かない自分には丁度良い車でした。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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